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輝く女性事例

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「入社6年目、
産休育休明け1カ月で課長代理に就任!」

株式会社八天堂

  • 製造業
  • 三原市
  • 101〜300
所在地 広島県三原市宮浦3-31-7
URL http://hattendo.jp/
所属・役職 製造部 品質管理 課長代理
ご本人氏名 中井 明日香 さん

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2012年~(入社1~3年目)
同社に入社し、製造部と品質管理を兼任。業務に必要な知識を独学で身につけ、3年目で早くも主任に。

2014年~(入社3~4年目)
製造部係長に就任。希望していた品質管理の仕事を任される。業務拡大に伴い、様々な業者と取り引きし、品質についてのアドバイスを受けながら改善を重ねる。

2015年~(入社4~5年目)
産休・育休を取得。

2017年~現在(入社6年目~)
育休明け復帰後1カ月で、工場の品質管理 課長代理に。子育てをしながら管理職の仕事をこなすといったハードな日々であるが、やりがいを感じながら日々業務に励んでいる。

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希望とは違う配属も前向きに捉え直す力が道を切り拓いた

中井さんが同社に入社したきっかけは、“強烈”な新卒採用説明会。代表取締役森光氏の情熱と応募者への厳しい対応に「なんだ、この会社は!?」と強く印象に残ったという。説明会で八天堂が最も大切にしている「90分の社長による講話」では、森光代表自ら就職活動中の学生の前に立ち、自身の失敗談を交えながら会社が最も大切にしている価値観を訴えかけた。その森光代表の姿に惹かれる学生は多く、中井さんもその中の一人であった。説明会終了後に回収するアンケート用紙の「本気で当社(八天堂)を希望しない人は、『次の選考を受ける』という項目にチェックをつけないで」という1文に「この会社は目指しているモノが高いな」と感銘を受けたという。学生時代、水産関連の研究で修士号を鹿児島の大学で取得、実家は山口なので地元に近い中国地方の会社を視野に入れながら就職活動を行っていた。そこで偶然出会った同社に強く惹かれ、就職を決めた。
入社前から「品質管理の業務に携わりたい」という熱い思いを持っていたが、入社後配属されたのは希望と異なる「製造業務」だった。希望部署に配属されなかったことに非常に悔しい思いをしたが、「できる人はどこの部署にいってもできるはずだから」という会社からの声掛けに後押しされ、「ここでの学びを今後に活かそう」と前向きに捉え直し、一生懸命業務に当たった。自身の専門とは異なる分野であることから業務に必要な知識は1から身につけなければならなかったが、本やインターネット等を利用し、独学で勉強に励んだ。知りたいと思ったことを知るための努力は欠かさず、関係の衛生業者やメーカーに連絡を取り、講師をお願いして勉強会を開いたり、研修にも積極的に参加もした。また、先輩に毎日「何かできることはないですか」と聞いてまわり、希望である品質管理の業務に当たらせてもらえるよう毎週品質管理のレポートを提出したりと努力した。結果、中井さんの努力が評価され、3年目には早くも製造部の主任に就任。入社当時希望していた品質管理の仕事に携わることができるようになった。

産休育休明け直後のサプライズ人事にプレッシャー

念願だった品質管理業務では、食中毒を起こさないための製品検査や官能検査(人間の味覚や嗅覚等の感覚を用いて製品の品質を判定する検査)、製造工程で菌が繁殖しないための製造ラインチェック、商品ラベルの表示項目整備やクレーム対応等に当たった。事業拡大に伴い、様々な取引先と付き合う中で品質管理面での助言を受けたことは今の業務でも非常に役立っていると振り返る。また、東京・大阪の販売会社と連携協力し、PDCAを回しながら商品の質の向上を実現できたことは何物にも代えられない喜びだったともいう。これらの経験を通して自社の商品は多くの方に支えられているということを改めて感じた中井さん。入社3~4年にかけて製造部の主任から係長へと順調に昇進したころ、小さな命がお腹に宿った。つわり等で体調が悪かった時は周囲がサポート、カバーをしてくれた。そのおかげで家庭と仕事を両立させることができ、今でも大変感謝していると話す。
1年間の育休を取得後、職場に復帰。復帰から1カ月も経たないうちに、工場の品質管理課長代理に抜擢された。初めての育児をしながら管理職を任され、「家庭と仕事の両立がうまくいくのか」「後輩の模範とならないといけない。失敗はできないのではないか」等プレッシャーや不安が大きかったという。しかし、「これまでの努力を評価してもらえた」と、入社時同様、事態を前向きに捉え直し、課長代理職の役目を引き受けた。現在は、製造部品質管理の課長代理として品質管理業務を通して工場全体をとりまとめている。工場には50名の従業員、ベトナムからの研修生もいる。家庭と仕事の両立に悩みながらも、多くの部下たちと日々奮闘してきた中井さんの目は今も情熱に満ち溢れていた。

家庭と仕事の両立、周囲のサポートへの感謝も忘れず

管理職になる前から「将来は課長、部長まで目指したい」と考えていた中井さん。近くに女性管理職として活躍している先輩の姿があったことは非常に大きいという。社内ロールモデルの存在により、中井さんのように管理職を目指したいと考える女性は社内の3分の1程度いるという。
家庭と仕事、管理職の両立には周囲のサポートが欠かせない。中井さんの夫も同社の従業員であることから、仕事に対する理解が深いことは大きい。会社が独自に設けている「月2回の子育て有給休暇(通常の有給休暇にプラス2日付与)」を夫と交代で取得し、家事も双方でカバーし合ってきた。また、子どもは工場に隣接する事業所内保育園「りんくう保育園」に預けており、何かあったら夫婦のいずれかがすぐに駆けつけることができ、月1回の保育園参観にも必ず参加しているそうだ。
また、子育てをしているスタッフ同士で集まるママの会、通称「S職の会」にも支えられていると話す。どのような会か少し深く話を聞いてみたところ、月に1回、メンバーの家に子どもを連れて集まり、お茶を飲みながら気軽に悩みを共有したり、先輩からアドバイスを受けるという。時には森光代表夫妻も参加するなど、会社もバックアップする会というので驚いた。会の名前にある「S」はSpecialの頭文字で、夜に開かれる勉強会や懇親会に参加しづらい子育て中のスタッフを、いい意味で特別視していこう、という意図でつけられたそうだ。
「子育ての悩みや仕事と家庭の両立、どのようにモチベーションを上げていけば良いか等、同じ悩みを抱えるスタッフ同士で共感したり、先輩からアドバイスをもらったりすることが心の支えとなっています。特にメンバー内に部長代理として開発業務を牽引している幹部がいることは大きく、2人の子育てをしながら、他のスタッフを鼓舞している姿には尊敬の念しかありません。身近に憧れの先輩スタッフがいて、私の悩みをずいぶん前に経験されていることで的確なアドバイスをいただけることは非常にありがたいです」。
と話す。

「やりがいしかない」毎日

現在の管理職としての仕事は「やりがいしかありません」と語る中井さん。産休育休中には「社会の役に立っていないのではないか」と感じ、強い焦燥感があったという。そんな時期を乗り越えた現在は、役割の多い日々にやりがいを感じているという。
「私の仕事が個々のお客様にどの程度感謝されているかは測れませんが、社会の役に立っているということは感じています。育休中に強い焦燥感に駆られ『私は社会から疎外されている』と感じ、自分の生活のすべてが家庭と子育てのみで、非常に寂しい思いをしました。それに比べれば今は社会人として、女性管理職として、妻として、母親として、やりがいしかありません。弊社はありがたいことに日々お客様の声を聴くことができます。おいしいと言ってくださるお客様、お品についてアドバイスを下さるお取引先様、本当に多くの方に支えられて今があるのだと感じます。だからこそ、この感謝をしっかりとお返ししていきたいと感じております」と話してくれた。
今後のキャリア目標について尋ねると、「品質管理の部長を目指し、部下を引っ張っていけるような人材になりたいです」と意欲を燃やす。
「挑戦をさせてもらえる環境があることが何よりありがたいと思います。後輩にもそういった環境の中でひるむことなく挑戦してほしいと思うし、挑戦ができることは周りの支えがあってこそなので、感謝の気持ちは忘れていけないと改めて感じています。」と語る。
若手のホープとして社内からの期待を一身に受けている中井さん。
一生懸命な彼女の姿は、間違いなく後進の目標になっているはずだ。

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