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輝く女性事例

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「環境調査の仕事が大好き。
社会に役立つ技術職でやりがい十分です」

株式会社荒谷建設コンサルタント

  • その他産業
  • 広島市
  • 301以上
所在地 広島県広島市中区江波本町4-22
URL http://www.aratani.co.jp/index.html
所属・役職 環境部環境調査課 課長
ご本人氏名 吉津 祐子 さん

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1994年~
生物系学部を卒業後、新入社員として(株)荒谷建設コンサルタント入社。コンサルタント部環境調査課に所属し、埋立及び道路事業に関する環境現況調査、環境影響評価等の業務を担当。

1998年~
コンサルタント部環境調査課の主任に昇進し、技術士補の資格を取得。

2004年~
環境部環境調査課の係長に昇進。ダム及び林道事業に関する猛禽類調査や現地調査業務の現場責任者としてプロジェクトを遂行するとともに、後輩への指導を実施。2010年に技術士の資格取得。

2016年~
環境部環境調査課の課長に昇進。管理技術者として各調査業務プロジェクトの管理及び統括等を行うとともに、部下の指導・管理を実施。

2017年~
新たに発足した「女性の働き方プロジェクトチーム」のリーダーとして活動。

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女性初の総合職として入社

学生時代は生物生産学部で生物について学んだそうだ。卒業後、環境調査を実施している広島県内の建設コンサルタント会社に就職を希望し、(株)荒谷建設コンサルタントに入社。同社初の女性総合職として、環境調査課に配属された。当時3名の女性が総合職として採用され、1名は結婚で退職、もう1名はグループ会社である(株)アライズソリューションの担当課長として活躍中である。吉津さんは、主に瀬戸内海の埋立事業前の調査業務に従事し、採水、採泥、プランクトンの採集などを実施していた。
入社当時のことを吉津さんに振り返ってもらった。
同社で初めての女性の総合職ということで、当時は周りにも戸惑いがあったという。「作業現場での女性用トイレをどうするか」と会議で真剣に話し合ったこともあったそうだ。一般職と総合職の働き方の違いが明確でなく、当初は女性=一般職という意識があり、両方の立場の仕事をしたこともあった。自身も会社も女性総合職としての働き方を模索しながら形作っていった時期だったのだろう。「何事もとことんまで突き詰めるタイプ。絶対にあきらめず、思ったことは言葉で伝えていくことの大切さを感じ、社会人として成長し、強くなれた時期」と吉津さんは当時を振り返る。平成10年に他の男性総合職と同じペースで主任に昇進し、技術士補の資格も取得。技術を磨くため休日には探鳥会などの野外観察会に参加するなど、動植物の分類能力を向上させる努力も怠らなかった。「仕事は楽しい」と充実した日々を送った。

係長になり、プロジェクトを導く立場になる

平成16年係長に昇進。プロジェクトを実質的に自分の裁量で遂行していく立場になった。この頃、海岸埋め立てに伴う調査業務は減少し、ダムや林業事業に際する陸地の調査が増えた時代であった。そこで同社の新規分野として猛禽類調査(ワシ、タカ、ハヤブサ等の鳥類の生態調査)に取り組み、そのために必要な調査技術の習得に励んだ。社内研修や独学の甲斐もあり、平成22年に技術士の資格を取得。すると社内やお客様からの見方がガラリと変わり、信頼してもらえるようになったと実感したそうだ。仕事がやりやすくなってきたと同時に、後輩を指導する立場になった。その経験を通して自分自身も学ぶことが多く、仕事のやりがいはますます大きくなっていった。しかし、当時はプライベートとの両立が上手くできず、今となっては仕事に重きを置きすぎていたかもしれないと振り返る。

管理職として充実した日々。後輩の女性総合職にも活躍してほしい

平成22年に役割等級制度のもとプロフェッショナル職としての担当課長に昇進し、管理職となった。平成28年には部下5名を持つ課長に昇進した。管理技術者として複数の調査業務プロジェクトの管理及び統括等を行うとともに、部下の指導・管理も担当する。裁量範囲が広がり、自分のやり方を尊重してもらえるようにもなった。各プロジェクトの遂行はできるだけ部下に任せ、効率的に管理指導することを目標にしている。会議では、出席者に発言するよう促したり、月に1度は飲みの席を設けるなど課内の交流を図っている。

管理職を目指す女性へのメッセージ

入社以来、性別に関係なく、動植物が好きな自分に合った環境調査という仕事を任されてきたという吉津さん。平成26年8月、豪雨により発生した広島県土砂災害への砂防事業調査もそのひとつだそう。任される仕事の多くは公共事業にかかわる調査業務であり、自分の仕事が社会で役立っているのだとやりがいを感じられると言う。
「近年やる気に満ち溢れた女性総合職が入社してきているので、彼女たちにはプライベートと仕事どちらも充実させて、定年まで働いてもらいたい」と話す。
結婚、出産、育児をしながら総合職で働く女性の育成を目標に、現在「女性の働き方プロジェクトチーム」のリーダーとして、話し合いを進めているところである。社内環境を充実させ、男性従業員からの理解も得ながら、総合職の女性がいきいきと働ける“アラタニ”になることを夢見ている。また、社内の女性が管理職として組織のマネジメントが出来るだけでなく、後世代への技術の伝承、新たな技術開発、業務内容の変化も対応できる人材に育ってほしいと語った。