輝く女性事例

「ロールモデルがいないなら、
自分がなればいいんだと一念発起」

株式会社栄工社

  • 卸売業・小売業
  • 福山市
  • 101〜300
所在地 広島県福山市南町7番27号
URL http://www.eikosha.co.jp/
所属・役職 経営企画室 課長
ご本人氏名 井上 貴美子 さん

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1985年~
株式会社栄工社入社、
生産本部管理部で原価計算、庶務を担当。「仕事を続ける」ことの大切さを学ぶ。

1995年
同部の主任に昇進。

1997年~
管理本部電算課(現・情報システム課)に異動し、社内システムの開発やグループウェアの導入を担当する。事務職からプログラム開発という未知の世界への異動となったが、研修等に参加しながらスキルを身につけ、システムを軌道に乗せる。また、他部署の人との打ち合わせ等を通して、会議の進め方や議事録のまとめ方等を学ぶ。

2004年
同課の専任係長に昇進。

2007年~
管理本部経営企画室に異動。ISO14001事務局として取得までを担当。

2009年
同室の係長に昇進。この頃から社長秘書の仕事を任され、全社的な動きをするようになる。

2011年~現在
同室課長に昇進。採用や社内教育の業務に従事。育成の難しさに悩みつつ、業務に邁進している。

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成長の前には必ず未知の領域への挑戦があった

(株)栄工社の女性従業員で、初の管理職として活躍中の井上さん。現在は経営企画室に所属しているが、入社してすぐ担当となったのは、入社前には想定していなかった工場での原価計算や庶務の仕事だった。当初は不安を感じた井上さんだったが、仕事に慣れていくにしたがって「ものづくり」の現場のおもしろさを感じるようになる。「もともと小さい頃からものを作るのが好きだったので、生産現場でものができ上がっていくのを見たときは楽しくて仕方がありませんでした。また、原価計算をしていて、商品名やどんな用途に使うのか分からなかった時、『自分の目で確かめてきなさい』と言われることが多く、自分で調べ、現場を理解する重要性にも気づかされました。入社2年目から現在の社長(当時は、工場の生産本部長)と一緒に働いていたことも良い経験で、社長に影響を受けて自分自身の視野も広がったと感じます」と語る。
10年間の工場勤務を経て、次に配属されたのは、社内の情報システムを作っていた電算課(現・情報システム課)である。事務職からプログラム開発という未知の世界の異動に戸惑う部分もあったが「とりあえずやってみよう」という気持ちで勉強に励み、社内のグループウェア(※)の導入を行った。グループウェアを作り上げる過程で、社内の他部署の仕事内容を把握したり、打ち合わせ等を通してコミュニケーション能力が培われたことも今の管理職としての仕事に生きているという。
電算課で7年間の経験を積んだ井上さんは、平成16年に同課の係長に就任。その後、係長として経営企画室に異動となり、ISO14001の取得のための事務局として業務を行った。工場勤務や電算課で未知への挑戦に慣れていたためか、今回の異動でも「チャレンジは成長のチャンス」ととらえ、新しい仕事に取り組む楽しさや達成した時の喜びを味わったそうだ。様々な部署や新しい仕事を経験することで、その都度新しい自分を発見してきたことが自身の成長につながったのではないかと自己分析する。
平成21年、経営企画室で社長秘書の仕事も任され、全社的な動きを見渡せる立場となった。そして平成24年、「女性管理職の第1号」として同課の課長に就任。現在は採用や社内教育の仕事にも携る。

※メール機能・掲示板機能・スケジュール管理機能、ファイル共有機能など、ネットワーク内で情報共有やコミュニケーションを行えるツール

「後輩のためにも」とロールモデルを買って出て、管理職の道に

「電算課では、特につらい思い出はありません」と語る井上さんだが、管理職を命じられた時は「なんで私が?」と不安な気持ちになったという。管理職向けの研修はあるが、それが果たして実践の場で十分生かされるのか、管理職として報酬は上がるが、業務量や責任の重さに見合うだけの仕事ができるだろうか等の不安が頭をよぎったそうだ。しかし、「自身の知識や経験で可能な限り会社に貢献したい」「社内にロールモデルがいないなら、自分がなろう」という熱い想いの方が勝り、管理職を引き受けることに。現在は、営業本部営業業務課課長のIさんも女性課長「第2号」として活躍中のため、Iさんと一緒にいきいきとやりがいを感じながら働いている姿や、互いの良い所を後輩に見せることで、ロールモデルとしての役目を果たそうと努めている。
また、仕事内容を見直し、管理職の時間外の業務量を是正する等、管理職でも働きやすい職場環境作りを実践しているそうだ。そんな井上さんのストレス発散方法は、旅行とゴルフ。管理職になって、ONとOFFを上手に切り替える重要性を感じ、その術を身につけたという。また、家族の支えも大きく、井上さんにとっての心の支えは同居している姉の存在。「家事を分担したり、悩みを聞いてもらったりしています。いつでも応援、サポートしてくれる姉に感謝しています」と話す。

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管理職として新しいチャレンジをしながら、人材育成にも積極的に

井上さんに「管理職になってどうですか」と尋ねると、「仕事を通じて自身の成長を感じたり、幅広い経験ができることにもやりがいを感じています。また、社長秘書という役割に対しては、社長がストレスなく、経営者としての業務に専念するためには、どうすれば良いかということを考え、行動するように努めています」と話してくれた。苦労していることは人材育成の難しさ。自身が若い頃は、1から10まで教えてもらったことはなく、先輩を見て習うというやり方だった。しかし、今は丁寧に教えることが求められ、自分が学んできたやり方と違うことで苦労しているという。ただ、今の若い女性は昔よりも上昇志向がある人が多いと感じており、そういったやる気のある若い世代を育てたいと力がこもる。
「新卒で入社した場合、一人前の従業員になるまでには数年かかります。その数年間、辛抱強く指導や教育してくださった先輩の苦労を、いま身に染みて感じています。今後は、自分の経験を若手や後進の育成に役立てることで、先輩方に恩返しができたらと思います。後進には、性別や役職を問わず、チャレンジ精神を持って新しい場所へ踏み出して欲しいですね」。井上さんのチャレンジはこれからも続く。