輝く女性事例

「専業主婦9年のブランクがあっても活躍はできる。
どんな時もやりがいを忘れずに」

坂本デニム株式会社

  • 製造業
  • 東部
  • 31〜100
所在地 広島県福山市神辺町平野231
URL http://www.sakamoto-d.co.jp/
所属・役職 データ管理室 課長
ご本人氏名 山中 雅美 さん

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1989年~
システム開発・運用・サイト運営等を行う会社に入社。営業アシスタントとして主に販売したPC等のマニュアル作成を担当し、エクセル・ワードなどのPCスキルを習得。他社への出向も経験し、様々な業種の人と関わる。

1990年~
産業用自動搬送装置、ソフトウェア等の開発設計・製造販売を行う会社に転職。システム部に配属され製造工程のデータ入力を担当。CAD等様々なシステム言語を勉強する。出産を機に退社。

1992年~
専業主婦として子育てに専念。

2001年~
坂本デニム株式会社に入社。受付及び資材仕入れ関係を中心とする事務作業を担当。2010年に資材・試験室に異動となり、生産工程のシステム・品質管理を担当。

2012年~現在
資材・試験室の課長に就任。資材仕入れ担当やデータ管理を行うほか、染色の新色開発に携わる。2015年、部署の範囲を超えて活躍する山中さんのために「データ管理室」という新しい部署が作られた。「ジーンズソムリエ」※の資格も取得。

※ジーンズソムリエとは
ジーンズの魅力の発信や、ジーンズマーケットの活性化、ジーンズ文化の普及のため、ジーンズに関する深い知識を有し、その魅力や価値を正しく伝えられるプロフェッショナルな人材を育成することを目的に創設されたジーンズに関する日本初の資格認定制度。

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9年のブランクを乗り越え、積極的に取り組む姿勢が認められ課長に就任

坂本デニム(株)との出会いは、合同就職説明会でたまたま同社の前専務に声を掛けられたことである。偶然の縁から入社した山中さんだが、前職を退職して9年のブランクから、社会人としての働き方、振る舞い等が抜け落ち、自身の甘さを痛感したこともあったという。そのため、3カ月間の見習い期間中は、働く感覚を取り戻すため必死で働いたと話す。最初は事務職として、受付や資材の仕入れなどの事務作業に従事。電話対応や接客を通して、優先順位の付け方や臨機応変に行動する能力を身につけた。また、接客を通じて各取引先、関係会社の人と会う機会も多く、徐々に信頼関係を築いた。10年働くうちに、できる仕事も増え、問題意識や興味が担当範囲を越えるようになってきた。
平成22年頃、山中さんの担当は生産工程のシステム・品質管理であったが、工場全体の生産に対しての問題点や提案事項まで考えるようになった。例えば、資材を搬入するために使用したプラスチックの箱を、仕入先に返却して再利用するコスト削減について考えたり、棚卸に使用する際に従業員が使用するデータのフォーマットを使いやすいように変えるなど、自分なりに改善ポイントを考えて行動した。そういった地道な努力や成果が会社に認められ、平成24年、資材・試験室の課長に就任。管理職になると、単に決まった作業をするのとは違い、現場の作業効率や進行状況を考えたり、現場担当者との調整が加わり、コミュニケーションに苦労することもあったが、柔軟に考える力が磨かれたという。また、ずっと染色に携わりたいという山中さんの思いを実現するための新しい部署「データ管理室」が平成27年に作られた。今はそこでシステム管理を担当しながら、デニムの新色開発に取り組んでいる。

管理職になる前の不安もどこ吹く風で今は仕事に夢中

専業主婦になるまでは主にPCやデータ処理関係のキャリアを積んできた山中さん。今の仕事で一番おもしろいと感じているのは「デニムの新色開発」だという。今までやったことのない染め方を試したり、自分の思うように挑戦できることに楽しさを感じるそうだ。「機械では良い色が出ないんです。だから、その辺に落ちている木を煮出したり、野ブドウを染めてみたり、良い色を見つけたらその生産会社にお願いをしてサンプルをもらったりと、自分で工夫しながら新色開発を進めています。『これ良い色だね』とお客さんに褒められ、リピートしていただいた時や、自分の出した色のデニム素材を使った服が雑誌に掲載された時はとてもうれしいですね。自分が好きな色とお客さんが求める色は違うので、そこがピタッと一致することを目指して日夜研究に励んでいます」と熱っぽく語る。
管理職としてのやりがいを尋ねると、「以前は『この資材を買ってもいいんだろうか』など、細かいことも不安に思っていましたが、今は『この資材を買ってみよう』と自分の裁量で仕事ができる点が楽しいです。そこまでしなくてもいいのではと止められる時もありますけど(笑)」。管理職になる前は自分に務まるのか不安な面もあったが、今では仕事が楽しくて仕方がないそうだ。

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今見えている世界や枠にとらわれず、やりがいを大事に

山中さんにとってのロールモデルは村上総括部長。彼女の背中を追い掛けるように仕事に打ち込んでいるという。
今後の目標について「型にはまるのではなく、柔軟な思考を育みながら与えられた場所で活躍できる人材を育てること。1つの枠に固定されてしまったら、その枠内のことしかできません。それは、色も人材も同じです。様々な個性がある職人の世界は、自分にも他人にも厳しい。そういった環境で良い仕事ができる人材を育成したいと思っています」と話す。
また「子育て中はやはり働くのが難しいこともあります。周囲の理解や協力があっても苦しい時もある。心が折れそうになる時に大事なのは、その時々に自分のやりがいをしっかり持っておくこと。今の私のように、子育てがひと段落したら、打ち込める仕事がきっとあるはず」と語る。染色作業で染まった青色の手とキラキラした瞳が、職人としての山中さんをより一層輝かせている。