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輝く女性事例

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「お客様のお役に立てることが一番のやりがい。自分らしさを忘れず、走り続けてきた過去は、今の自分を支える糧に」

株式会社エコー・システム

  • サービス産業
  • 広島市
  • 101〜300
社名 株式会社エコー・システム
所在地 広島県広島市南区金屋町3-13 タミヤビル5F
URL https://www.echosystem.co.jp/
所属・役職 第二事業部 副事業部長
ご本人氏名 齊藤 恭子さん

(2018年4月現在)

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1991年
商業高校を卒業後、広島の老舗システム会社へ入社。新入社員として基礎知識を培いながら、販売管理システム等のプログラマーとして業務を実施。

1994年~
株式会社エコー・システムに入社。入社翌年からは一人で給与管理システムを開発。当時エコー・システムの自社商品は販売管理、財務管理、人事管理システムはあったものの給与管理システムはなく、ゼロからの立ち上げとなった。持ち前の明るさを発揮し、開発だけでなく営業にもチャレンジ。

1998年~
会社が大きくなるにつれ、顧客から依頼されるプロジェクトの規模も大きくなり、チームで開発する機会が増え、リーダーとしての役割も担うようになる。

2008年
システム部部長に就任、労務・雇用管理等に従事。

2014年
広島事業所所長に就任、労務・雇用管理等に従事。

2017年~現在
第二事業部 副事業部長に就任。
現在もシステムエンジニアとして開発業務を行いながら、プロジェクト全体の管理・教育指導なども行っている。

転職のきっかけとなった社長との出会い

株式会社エコー・システム(以下、エコー・システム)の創業から5年目に、5人目の従業員として転職入社した齊藤さん。転職をしたのは、とある技術分野(業務アプリケーションの開発ツール「dbMagic」)の説明会にて、エコー・システムの代表取締役社長である宇郷 亮氏のプレゼンテーションを聞いたことがきっかけだ。登壇する宇郷社長を見た齊藤さんは直感で「この方と知り合いになりたい。何かいいことがあるかも!」と思い、話すきっかけとするため、無理やり質問を考え、宇郷社長の元に行った。すると、宇郷社長は同業他社にもかかわらず、「いつでも技術的な質問をしてきなさい」と言ってくれたそうだ。これが齊藤さんとエコー・システムの出会いだった。

実際に、前職の会社でプログラマーとして業務をする中、開発ツールの疑問点が発生し、エコー・システムの技術者(今は、同僚であり、先輩)に何度か電話し、質問すると、丁寧に答えてくれたという。

数カ月後、社長から「『dbMagic』の技術者が足りない」と電話があった。当時、先進的に「dbMagic」を利用してシステム開発を行っていたエコー・システムで、より自分自身のスキルを磨き、キャリアップしたいと考え、前向きな気持ちで転職を決めたそうだ。

持ち前の明るさを生かした「自分らしい」働き方

エコー・システムに入社してからは、すぐに小さいながら複数のプロジェクトを任され、ミカンの選果場や、商店街の割賦販売のシステムなどを担当した。また、入社翌年には、給与管理システムのパッケージの開発をゼロから行い、商品として世に送り出すなど、20代の頃はほぼ一人で開発し、着実にキャリアを重ねた。齊藤さんが開発した給与管理システムは、後の「Echo Pack(エコーパック)」となり25年たった今もエコー・システムを代表するシステムとして、全国800社を超える企業への導入実績を誇っている。

30代になり、会社が大きくなるにつれ、顧客から依頼されるプロジェクトの規模も大きくなった。そして徐々に開発チームを引っ張るチームリーダーとしての役割も担うようになってきた。今年で勤続年数25年目となる齊藤さんが、新卒の頃から今も変わらず心に決めているポリシーは「役職は要らない。とにかく会社から・お客様から必要とされる人材になりたい」であるという。開発の仕事の99%は苦しいことの連続。しかし、お客様から「ありがとう」「助かった」「便利になった」という言葉を聞いた瞬間に、自分が開発したシステムでお客様の役に立てたと実感でき、苦労はすべて吹き飛ぶという。そして次もお客様から頼られ、お客様の役に立てることが、齊藤さんにとって一番のやりがいとなっている。若手時代から役職を意識していたわけではないが、齊藤さんのこういった「お客様の役に立ちたい」という強い思いが、結果として齊藤さんを副事業部長という役職へと自然に導いたのかもしれない。

時にはトラブルが発生したり、開発がうまくいかず、チーム全体の雰囲気が落ち込むこともある。しかし、齊藤さんが現場に助っ人として登場すると、歓迎され、雰囲気がぱっと明るくなるという。お客様から、ゲームに出てくるエネルギーを大幅に回復させる魔法の呪文「ベホイミ」のように元気を与える存在であることから、ニックネームで「ベホイミさん」と呼ばれることもあったという。また、トラブル対応で駆け付けた現場では、取引先の方から突然バースデーケーキをプレゼントされ、取引先の方と一緒に盛り上がって食べたこともあるそうだ。そんな齊藤さんは、社内外問わずトラブルが起きた際は誠実に対応するだけではなく、必ず明るく振る舞うことを心掛けているという。その理由は、トラブルをきっかけに現場でお客様と一体感が生まれ、その後も継続的に仕事が続くケースが多いことや、暗い顔をして仕事をしていても良いものは生まれないと思っているからだそうだ。「ムードメーカーであることが、女性管理職にとって大事なことかもしれません」と齊藤さんは話す。

働く女性へのメッセージ

齊藤さんに、これから管理職の道を目指す女性に向けたメッセ―ジをお願いした。「私は常日頃から『女性だから』と意識することはありません。目の前の問題に対して誠心誠意向き合い、諦めない努力を続けてきました。その努力は自分の武器になります。働く女性の皆さんの中には、男性に負けたくない、という強い気持ちを持たれている方がいるかもしれません。誰かに負けたくないという気持ちは自分のモチベーションを上げる一方で、自分自身への大きな負荷やストレスの原因となる場合もあります。肩肘を張ったり、周囲と自分を比較したりするのではなく、『自分は自分』と自分らしさを追求し続けていれば、いつか誰かの役に立つことができる、と考えてみたらいかがでしょうか。私自身、仕事で苦労した経験は数えきれないほどありますが、この『誰かの役に立てる』という部分が、仕事を長く続けられてきた一番の原動力となっています」と話してくれた。

情報通信業界における女性の働き方については「個人差がありますが、相手の気持ちをくみ取る力は女性の方が長けている部分ではないかと思います。私たちのような開発者の仕事は、ただ開発をして終わりではなく、日々お客様に利用していただき、そしてお客様の役に立つことができてやっと意味を持つことができます。若手の頃から第一に考えているのは、どうすればより使いやすく、より便利な物をお客様へ提供できるかということですが、そのためにはお客様の心の中へ入り込み、悩みや思いをいかにくみ取ることができるかが重要だと思います。そういった面でシステムエンジニアやプログラマーといった技術者は女性の強みを生かせる職業の一つなのではないかと思います」と齊藤さんは語ってくれた。

齊藤さんは若手時代、技術者としてがむしゃらに走り続け、自他ともに認める一匹オオカミだったという。だが、部下が増え、役割も変わるにつれ、部下をわが子のように優しく、時に厳しく見守る母親のような存在へと変わっていった。「これから会社を支えていく若手従業員には、辛いときに支え合える同期を作ってあげたい」、齊藤さんの口からこういった言葉が出るのは、齊藤さんご自身が若手時代苦労をしてきた証なのかもしれない(同社の同世代間のつながりをつくる工夫に関してはこちら)。