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輝く女性事例

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「未経験・専業主婦から施設の管理者へ。経験を後進にも伝え、介護業界を元気にしたい」

T&TWAMサポート株式会社

  • 医療・福祉
  • 広島市
  • 31〜100
社名 T&TWAMサポート株式会社
所在地 広島市中区八丁堀15-10
URL http://cocokala-gr.jp/
所属・役職 デイサービスセンターここから己斐 管理者
ご本人氏名 久渡 昌子 さん

(2018年8月現在)

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2002年~
出産を機に建設関係の事務職を退職し、子育てに専念していたが、親の介護に役立つと考え、ホームヘルパー2級を取得。パートタイムで登録ヘルパーとして訪問介護の仕事を始める。その間、ホームヘルパー1級を取得する。

2006年~
他の病院に転職し、正規従業員として採用され、生活相談員として働くようになる。2007年に、介護福祉士の資格も取得する。

2008年~
「デイサービスセンターここから安東」に転職し、生活相談員として働く。2012年から、ヘルパー養成講座の非常勤講師として、「介護職員初任者研修(旧、ホームヘルパー2級)」の講義、実技講習を担当するようになる。

2014年~現在
「デイサービスセンターここから己斐」の管理者として、事業所を取り仕切る。2016年にはひろしま介護マイスターを取得。

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「親の介護に役立つから」とホームヘルパー2級を取得し、介護の仕事を開始

出産を機に退職後、10年間は2人の子育てに専念していた久渡さん。第二子が小学生になったことから、何か習い事を始めたいと考えた。そこで、「いつか来るであろう、親の介護に役立つから」と、ホームヘルパー2級の資格を取得することを決意。そして、資格の取得に10万円弱かかったし、せっかくだからとパートタイムで登録ヘルパーとして訪問介護の仕事を始めたそう。久しぶりの仕事、しかも初めての介護で、不安もありながら「子育てをしながらも、少しなら働ける。とりあえず、3カ月はやってみよう」と考えていた。

利用者宅で、高齢者や認知症のある方、いろんな身体状態の方と日々向き合う中で、きちんとした丁寧な仕事をしようと心掛けていた。「五感を働かせて、その方の体調や気持ちに寄り添った介護を行うことが大切、ということを学びました」と久渡さんは語る。

その後、病院が運営するデイサービスセンターに転職し、生活相談員として働くようになる。仕事内容は、利用者からの相談を受けて、利用者の容態にあったサービスを提供したり、利用の手続きを行ったり、ケアマネジャーやご家族との連絡や調整、さらに入浴介助などもした。

デイサービスセンター管理者へのチャレンジ、苦しかったが、今はチャンスに感謝

縁あって、「デイサービスセンターここから安東」に転職し、生活相談員として、施設管理者を支えながら業務に当たっていた。そんな中、「デイサービスセンターここから己斐」の管理者をやってくれないかという話が来た。

「子供が大学受験を控えていた冬でした。当社にはそれまで女性の管理者はおらず、全く想像していなかったですし、自宅からも遠く、スタッフも利用者のこともわからない施設で管理者としてやっていく自信がなく、最初は断りました。管理者を受けずにそのまま勤めるのも何だか申し訳ないような気がして、管理者を受けるか、退職するかの選択でした。最終的にはダメだったら辞めればいいと考え、引き受けることにしました」。

久渡さんが管理者になった当時は、施設の売上も落ちていて、職場内の人間関係も少々ギスギスしていたそう。「とにかく、最初の1年は大変で、疲労困憊でした!トラブル続きで、休暇を取っても呼び出されて施設に向かったり、帰宅時間も遅く、寝るためだけに家に帰ったりするような日々でした。しかし、とにかく必死で、辞めようと考える時間もありませんでした」。

当時は、施設内のチームワークや業務効率が悪く、改善しようという考えが共有できていなかったそう。残念ながら、合わないスタッフは職場を去り、半分は人が入れ替わった。久渡さんが採用したデイサービス未経験者を育てるなどして、徐々にスキルや意識が高いスタッフがそろい、少しずつ「チーム」ができてきた。

「チームワークが乱れると、良いサービスが提供できません。利用者さんにも、そのことは伝わってしまいます。スタッフの気持ちがまとまってきた頃、徐々に自分の気持ちにも余裕ができて、少し楽になりました。そして、スタッフの頑張りとお客様からの口コミで、利用者も増えてきました。今となっては、管理職にチャレンジするチャンスをいただけて、会社に感謝しています」と笑顔で話す。

今後は後進を育てることにパワーを使いたい

「高齢化はどんどん進んでいます。そんな中、住み慣れた地域や自宅で過ごし、自分のことは自分でできるということは幸せなことだと思います。運動していると比較的身体機能を保ちやすいため、いつまでも元気でいられるような運動とリハビリを提供していきたいです。少しでも皆さまが笑顔になって、元気に通ってくださることを願っています」というのが、久渡さんの仕事への思いだ。

また、後輩の管理者を育てていく中で、女性にもっと活躍してもらいたいと思っている。「家庭と仕事の両立は大変ですが、家庭でのことが役に立つのが介護という仕事です。また、女性スタッフは、多岐にわたる仕事を、気配りし、おもてなしの心を持ちながらうまくこなしてくれます。女性ならではの良いところを生かして、管理者になってほしいです」と話してくれた。

久渡さんは、2012年からヘルパー養成講座の非常勤講師として、「介護職員初任者研修(旧、ホームヘルパー2級)」の講義と実技講習を、デイサービスセンターが休日となる土日に行うようになった。そこでは、年齢も目的もモチベーションも異なる受講者が集まり、介護の勉強に励む。中には、「介護の仕事を始めたいが、資格を取得しても不安」と話す方もいるという。そんな時は、「介護の仕事は多くの方から必要とされている。私も専業主婦から始めたから大丈夫。介護の仕事は、未経験で元専業主婦であっても、上を目指せます。」と話し、少しでも多くの方が一歩を踏み出すきっかけになればと考えているという。