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輝く女性事例

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「やるべきことは、目の前の壁を超えるだけ。キャリアは自然とついてくる」

マツダ株式会社

  • 製造業
  • 府中町
  • 301以上
社名 マツダ株式会社
所在地 安芸郡府中町新地3-1
URL http://www.mazda.com/
所属・役職 中国事業本部 中国ビジネス推進部 主幹
ご本人氏名 大和 真理子 さん

(2018年12月現在)

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2004年~
マツダ株式会社(以下、マツダ)に入社し、海外販売本部中国部(後に中国事業本部に組織変更)にて、中国ビジネス案件の主担当として勤務。

2011年~
中国事業本部にて、主任に昇進・昇格。直後に第一子の出産に伴い、産休育休で約1年半仕事を離れる。

2013年~
第二子を妊娠中に、育児休業から復職し、中国事業本部にて約半年働く。その後、再び約1年半の産休育休を取得。

2015年~
育児休業から再び中国事業本部に復職する。入社後13年目となる2016年に主幹(管理職)への登用試験にチャレンジし、合格。2017年4月から主幹として働く。

中国語と輸出貿易事務のスキルを生かして商社から転職

大学の交換留学制度で、2年間中国に語学留学をした大和さん。帰国後に広島県の卸商社に入社し、建築機械部品の輸出業務を4年間担当した。ここでのアジア/北米/中近東/欧州を中心とした輸出業務を通じて、貿易実務の基礎から応用までを習得したそう。また、貿易実務検定を受けたり、通関士の資格を取得したりと、自己研鑽にも励んだ。この経験は、今につながる基礎となっていると、大和さんは話す。

「前職の卸商社では中国との取引がなく、関連の仕事をする機会に恵まれませんでした。しかし、次第に『中国に関わる仕事がしたい』という気持ちが強くなり、転職活動を始めたところ、ちょうどマツダが中国におけるビジネス展開に力を入れ始めたところだったんです」と、経験、スキルがマッチして入社が決まった。

当時マツダでは、フォード、長安汽車との合弁で南京に車輛生産会社を設立する準備をしていた。そこで大和さんは入社2年後から、技術支援におけるライセンス契約や部品供給に関わることなど、合弁会社とビジネスを実施するための条件面を担当した。

「中国ビジネス案件の主担当として、現地との折衝をするために、海外出張に行くこともありました。マツダが100%出資する会社ではないため、現地のパートナー企業との交渉事項が多く、タフさが求められる場面もありました。主担当として業務を完遂できたという達成感は大きな自信につながり、この頃得た知識、経験や人脈が今も生きています」と、当時を振り返る。

子育てや半年間の復職を通じ、考え方が良い方向に変化

8年目に中国事業本部にて、主任に昇進・昇格した直後に第一子を妊娠し、産休育休で約1年半仕事を離れることに。

「出産後しばらくして少し落ち着いたころ、少々社会や仕事から離れている寂しさを感じるようになりました。そんなとき、広島県が主催する女性を対象にした「研修会・交流会」(※1)の開催を知り、早速申し込みました。4回連続の研修で、仕事と子育てを両立しながら大手雑誌の編集長として働く女性や、時間管理術についての講演を聞いたり、異業種で働く女性たちと知り合ったりする機会があり、さまざまな価値観があること、働き方があることに気付かされました。また、子育てを通じても、多様な考え方に触れ、視野が広がったと思います」。

第一子の育児休業中に第二子を妊娠したが、長期間仕事から離れることに不安を覚えたため、少しの間だけでも職場に戻りたいという気持ちを上司に伝えた。

「半年仕事に戻りましたが、子供の病気で休むことがしばしばあり、職場の先輩から聞いていたとおりの大変さでした。しかし、妊娠していながらも一度復帰させていただいて、本当に感謝しています。2回目の復帰時には、慣れも手伝ってか少し楽に感じられました」。ここで仕事と育児の両立のコツをつかみ、物事を効率的・長期的に考える習慣がついたそう。

※1 広島県が主催する働く女性の就業継続を目的とした研修会・交流会。(平成30年度女性活躍支援研修についてはこちら。働く女性の交流会についてはこちら。)

仕事と2児の子育てをしながら管理職登用試験にチャレンジ

第二子の出産後も同様に、約1年半の産休育休を取得し、職場復帰した。

「出産前と違い、100%の時間を自分のために使えません。保育園の迎えの時間に間に合うよう、常に時間を意識し、効率的にこなして最大限の成果を出すにはどうすればよいかを考えるようになりました。」

フレックスタイム制度を利用し、混雑前の朝7時半には車で出社。事前に、今日やるべきこと、集中できる朝一番にやることなど、順番や優先順位を考えておく。また、家事や育児も夫と分担。「どちらが保育園の迎えに行くかなど、毎日夫と調整しています」と話す。

工夫をしながら両立した結果、仕事面で成果を発揮できるようになり、上司から管理職登用試験へのチャレンジを勧められた。マツダでは、登用試験前に「会社への提案、今後幹部として果たすべき役割」などを考え、論文を執筆する必要があるが、この時間をひねり出すのが大変だったそう。「主に夜間や休日を利用して、論文に取り組みました。その間は夫がほとんどの家事と子育てを引き受けてくれました。合格したときには、子供から『お母さん、やっと普通の生活に戻れるね』と言われてしまいました」。と、家族一丸となってチャレンジした思い出を笑顔で話してくれた。

自分一人でできることは限られている。チームで仕事をする大切さを実感

管理職となった今、チームマネジメントについて常に意識しているそうだ。多様な能力、背景、職位のメンバーをどう生かし、チームとしてのパフォーマンスを上げるか。

「自分ひとりでできることは限られています。一人で抱え込まず、メンバーを育て、任せ、サポートする。そして、挑戦する気持ち、感謝の気持ち、責任感、楽しむことを忘れないようにしています。時には困難もありますが、『大変な時ほど笑え』と言いますよね」と前向きだ。

「当社は制度が充実しているので、フル活用して家庭と仕事を両立できます。しかし、これを当たり前だと思ってはいけないと思います。会社、上司、同僚にサポートしていただいているので、私もきちんとお返ししなければいけない。使わせていただく側として、努力していかなければいけないと考えています。そして、目の前のことを一つ一つ確実にこなしながら、職責を全うする。その先にキャリアはついてくると思います」と、後進へのメッセージを語ってくれた。