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輝く女性事例

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「現場を知り、製造を知り、会社全体を知り、より良い未来へ」

株式会社モーツアルト

  • 製造業
  • 廿日市市
  • 301以上
社名 株式会社モーツアルト
所在地 廿日市市木材港北15-24
URL http://www.b-mozart.co.jp/
所属・役職 開発企画室 品質管理室 室長
ご本人氏名 寺本 弥加さん

(2018年10月現在)

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2003年~
株式会社モーツアルトに入社後、飲食部門の焼き肉店に3カ月、バッケンモーツアルト路面店に4カ月勤務後、ショッピングモール内店舗の店長となり、販売業務を行う。「お客様の大切な時、喜ばしい時にお買い求めいただくお菓子を販売する仕事」にやりがいを感じる。

2006年~
自身の希望により、品質管理部検査研究室へ異動し、製品の細菌検査と品質検査、洋生菓子で第1号として「広島県食品自主衛生管理認証制度」を取得した後の、維持管理業務などを行う。原材料、半製品、製造工程についての理解を深め、後の商品開発の基礎となる知識を得る。

2012年~
商品開発を手掛けるようになる。会社を代表するお菓子の1つで、柔らかさが特徴である「ジュレ」の開発に初めて挑戦。モーツアルトらしさ、自然な味や食感の表現に苦労しながらも、何度も試作を重ね、商品を開発する苦しみと喜びもまた実感する。また、お中元の全体企画、パンフレット制作や各種イベント、広島ブランドやモンドセレクションなど各機関への認証取得の準備など広報にも関わるように。

2016年~
開発企画・広報部門と品質管理部の責任者に。品質管理、商品開発、イベント企画、パンフレットの作成、新店舗開発といった幅広い仕事を担当する。

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お客様の大切な時、喜ばしい時に花を添える菓子販売を希望

大学で食品関係について学び、管理栄養士の資格を取得していた寺本さん。地元広島県周辺の食品関係の会社を中心に就職活動を進める中で、株式会社モーツアルト(以下、モーツアルト)と縁があり、入社することになった。当時50名ほどいた同期入社の従業員は、販売部門または生産部門に配属され、寺本さんは販売を希望した。

その理由は、販売の仕事は、お客様の喜びや笑顔をダイレクトに感じられるから。モーツアルトのお菓子は誕生日、クリスマス、ご進物などといった、お客様の喜ばしいシーンやメモリアルな瞬間に寄り添うことが多いため、感動をお裾分けしてもらうようでやりがいを感じることが多かったそう。

「毎年お孫さんのためにケーキを注文してくださるお客様から、お孫さんが喜んでいる写真を見せていただいたり、奥様から毎年バレンタインのチョコレートをプレゼントされていた方が、亡くなった奥様のお仏壇にお供えしたくて、とご来店されたり、お客様それぞれの『素敵な思い出、大切な時』を感じました」と話す。店舗での経験は、その後の寺本さんのベースとなっているそうだ。

品質検査、食品表示の仕事を通じて、原材料や製造への理解を深め

入社後3年がたった頃、社内で品質検査業務の希望者を募っていたため、大学時代に学んだ知識を生かすべく立候補し、品質管理部検査研究室へ異動となった。担当する業務は、製品の細菌検査と品質検査、洋生菓子で第1号として「広島県食品自主衛生管理認証制度」を取得した後の、維持管理業務であった。

例えば、製品の抜き取り検査、器具や手の拭き取り検査を行うために、工場の中をくまなく回りながら、製造工程への理解を深めた。また、食品表示の担当にもなり、原材料などの現物を観察し、荷姿から中身までを知ることができた。特に、アレルギー物質を含む食品の表示は、全ての流通過程にある食品や添加物の情報が必要であることが食品衛生法で規定されているため、ひときわ気を使ったそうだ。これらの業務を通して、原材料や製造工程について理解を深め、のちの商品開発の基礎となる知識を得た。

商品企画・広報の仕事へと幅を広げ、管理職へ

2012年に、初めて商品開発に携わることになった。それは、今や会社を代表するお菓子の1つに成長した「ジュレ」の開発だ。当時、平清盛のドラマが放送されていたタイミングに合わせ、日本酒のジュレを販売する準備をしていたという。

zyure.jpg柔らかさが魅力のジュレ。ベースとなる配合はあるが、モーツアルトらしさである自然な味わい、食感の表現に大変苦労したそう。また、使用する素材探しも大事で、常に“健康によい”とされる素材に注視して商品づくりを求められる。試作と試食を繰り返しても、なかなか「おいしい」と社内で認められない。

何度も何度も配合を変えて作り直し、やっと「お酒のジュレ」の販売にこぎ着けることができた。その後も、体に優しいとされる希少糖を使った「水のジュレ」、「しょうがジュレ」、「にんじんジュレ」、人気の日本酒・獺祭の酒かすを利用した「あまざけジュレ」などの開発も担当。「開発は毎回苦労の連続で、工場、お店、事務所のメンバーに『おいしい』と言ってもらえると、ほっとします」と語った。

やがて、お中元の企画からパンフレットの制作、各種イベント、店舗開発、広報も担当するようになり、仕事の幅が広がった。そして、現在は開発企画・広報部門と品質管理部の責任者として活躍中だ。

「企画や開発に追われて、忙しい日々です。自分では意識していないのですが、友人からは『楽しそうだね』とよく言われます」と、寺本さんは笑う。ある店舗販売におけるイベントで、寺本さんが商品開発者のひとりとして紹介され、写真が掲載されたのを見て、大学の先輩が「この方、大学の後輩です!」と店舗の販売員に伝えたことを聞き、誇らしく思ったそう。

最後に管理職としてのこれからの抱負を尋ねると、「人はそれぞれ違う良さや個性を持っているので、まずは従業員一人一人のことを理解するように努め、良さを生かしながらさらにそれぞれがステップアップできるよう、メンバーと一緒にたずさわっていけたらと思います。私自身も、生き生きと働く女性管理職の先輩方に育ててもらったからに他なりません。」と語ってくれた。こうしたジュレのように柔らかで、自然体な雰囲気が寺本さんの持ち味なのかもしれない。