女性活躍優良事例

「サービスも従業員の待遇も業界の前例にとらわれることなく」

株式会社ライフアシスト

  • 医療・福祉
  • 福山市
  • 101〜300
  • 人材活用
  • 登用
  • 職場風土

社名 株式会社ライフアシスト
所在地 福山市王子町2-7-16
URL http://www.lifeassist-corp.com/
業務内容 株式会社ライフアシストは2003年に医療法人社団ひがしの会から分社後、介護付有料老人ホーム「えんじゅ王子」、「アーバンリビング今宿」や、複合型介護施設「あしすと」といった2種3つの施設を開設し、“自立支援介護”に取り組んできた。また。20167月からは、小学1年から高校3年までの障がいのある子どもたちを対象とした施設「放課後等デイサービスライフ」を開設。日常生活に必要な生活スキルトレーニングや社会性を身に付け、自立した日常生活が営めるよう支援を行っている。
従業員数 117名
女性従業員比率 73.5%
女性管理職比率 62.5%

(2018年4月現在)

seika_header_sesakuyaseika.png

  • 正規従業員を目指す女性が多く入社、介護事業所全体の平均を大きく上回る
  • 高い志を持ち、介護業界に新規参入。慣例にとらわれない経営で女性管理職も多数
  • 利用者・従業員、双方の満足度にこだわり、人員配置やシフトづくりにも配慮、働き方をバックアップ

seika_footer.png

1.正規従業員を目指す女性が多く入社、介護事業所全体の平均を大きく上回る

株式会社ライフアシスト(以下、ライフアシスト)は、福山市内を中心に3つの介護付有料老人ホーム「えんじゅ王子」、複合型介護施設 「あしすと」などの介護施設と、「放課後等デイサービス ライフ」(以下、放課後デイ)4カ所を運営する。

ライフアシストの女性従業員比率は、同社の属する医療・福祉業界の全国平均75.3%(※1)をやや下回る73.5%である。同社の特徴は、正規従業員比率が83.7%と、介護事業所の全体平均55.5%(※2)と比べると、28.2ポイントと大幅に高いことが挙げられる(図1)。

図1 介護事業所全体とライフアシストの正規従業員比較

lifeassist_図1.jpg


※1 出典:総務省統計局(2017年)「労働力調査長期時系列データ 表5 第12・13回改定日本標準産業分類別就業者数」
※2 出典:公益財団法人 介護労働安定センター「平成29年度 介護労働実態調査 介護労働の現状について(平成30年8月公表)」

正規従業員が多い理由をライフアシストの代表取締役である門田晃氏(以下、門田代表取締役)は、「当社は、生活のため、子育てが落ち着いたためなどの理由でしっかり働きたいと考え、正規従業員を希望する従業員や、業界の抱える課題を解決したいという高い志を持って入社する従業員が多いです。会社として、そういった従業員の思いを汲み取り、中長期的な目標を持って活躍できるようバックアップしたり、働きやすい環境を整えているからではないか」と分析する。

lifeassist_2_v2.jpg現在、デイサービスとショートステイの在宅支援機能が完備された複合型介護施設「あしすと」で、施設管理責任者を担う碇野敏恵さんも、介護業界の抱える課題を解決したいと思った一人だ。

碇野さんは、未経験で介護福祉業界で働き始めてから15年になる。介護を受ける人の意志や主体性を尊重した訪問介護や、日々の生活習慣のトレーニングを重視した介護を経験する中で、より一人一人の要望に沿ったサービスがしたいと思うようになったという。

縁あってライフアシストへ入社した後、デイサービスとショートステイの2事業が併設した複合型介護施設「あしすと」の立ち上げに、運営方針の決定や設計段階から携わった。「施設の新規立ち上げは初めてでしたが、地域の在宅支援を複合的に“あしすと”できる施設にしたい、という強い思いがあったので苦労は乗り越えられました。考案したサービスの1つに、華道、茶道、フラダンス等、プロの講師を招いたクラブ活動『あしすとアカデミア』があります。年齢を重ねても教養を高めて、心も体も若く健康でいてほしいという思いから始めました」。

現在、碇野さんは管理責任者を務めながら利用者との関わりも大切にしている。今後の目標や働く女性へのメッセージを聞くと、「管理責任者になった今でも、利用してくださる方の気持ちに寄り添った施設をつくりたい、という気持ちは変わらず、住み慣れた地域で住み続けられる“あしすと”に一生懸命取り組んでいます。子育てが落ち着いた今、全力で打ち込めるものも大切だと身をもって気付きました。最初は不安でも、新しいことに挑戦すると新たな道が切り開かれます。これからもっとこの業界を良くしていきたいです」と力強く語る。

2.高い志を持ち、介護業界に新規参入。慣例にとらわれない経営で女性管理職も多数

lifeassist_1.JPGライフアシストの門田代表取締役が介護施設の経営を志すきっかけとなったのは、自身が高校時代世話になり、恩人ともいえる下宿屋の寮母さんの存在があった。社会人になった門田氏は、骨折をした寮母さんのお見舞いに介護施設を訪れた際、そこで働く従業員の対応や、施設で暮らす高齢者の方々の生活の質があまり高くないと感じ、愕然とした。同時にその日から“自分の大切な人が安心して笑顔で過ごせるような世界一の介護施設を作りたい”、“業界の当たり前をまずは自分から変えていきたい”と、心に強く決意したのだという。

「介護業界を変えたい」という動機で携わり始めた門田代表取締役は、業界の慣例にとらわれず、経営を進めてきたという。それは、管理職への登用にも表れており、これまでの経験値、同社における社歴の長さ、性別、年齢などにかかわらず、適性に重点を置き、各部門の責任者と話し合い、“この人ならやれる”と思った人を抜擢しているのだという。

また、ライフアシストの女性管理職比率は62.5%と、業界平均50.3%(※3)を大きく上回っている(図2参照)。介護施設責任者1名、放課後デイ管理者4名と、同社の中核である事業の責任者として計5名の女性管理職が活躍しており、これまでの経歴や経験もさまざまだ(女性管理職者4名の記事はこちら)。

2 ライフアシストと医療・福祉業界の女性管理職比較

lifeassist_zu2.jpg


※3 出典:厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査 図11 産業別女性管理職割合課長相当職以上(役員含む)(企業規模10 人以上)」

3.利用者・従業員、双方の満足度にこだわり、人員配置やシフトづくりにも配慮、働き方をバックアップ

入社した従業員には、仕事を通じて、自分の思いをどんどん形にしてほしいと願う門田代表取締役は、働く環境についてこう話す。「従業員が幸せに働くことができれば、思いやりのある良いサービスを提供することができ、結果として施設利用者の幸せにつながると考えています。このサイクルを実現するためにも、働く環境整備は重要です。特に当社はこの4年間で企業規模が3.5倍と大きくなり、多くの女性が会社を支えてくれています。女性が真に活躍するために、企業として可能な限り努力するのが当然だと思っています。例えば、常勤であっても非常勤であっても同一労働条件として行き来しやすくし、出産・育児等の障壁も乗り越えやすいようにするなどしています」。

ライフアシストでは清掃にアウトソーシングを取り入れるなどして、時間外労働と業務負担の削減に努めるほか、施設に子どもがいることで、雰囲気が明るくなることから「子どもは小さなボランティア」と呼び、デイサービス施設では子ども同伴の出勤を推奨しているという。現在、中学生未満の子育て中の職員13名中、12名の従業員が子ども同伴で出社しており、主に日曜日やインフルエンザによる学級閉鎖、運動会等の振替休日、夏休みなどの長期休暇中に、女性従業員のみならず、門田代表取締役を含めた男性従業員も、子どもと出社してくることが多いのだそうだ。

また同社では、利用者へのサービスを維持しつつ、従業員の希望に沿った勤務シフトになるよう、人員配置やシフト管理の徹底に努めているという。

「月初に開催する運営会議前に、施設管理者にシフトを考える上で必要な情報、イベントや研修、各スタッフの休暇の希望や勤務可能な人員数データ等を報告してもらいます。そのデータを基に、施設ごとの余剰人数や、不足人数を全体で把握します。スタッフが余った場合は研修、有給休暇の取得など、足りない場合は他施設から配置など、どう処理するかを会議で決議します。」。

また、介護業界、特にデイサービスでは利用者の人数によってスタッフの勤務を決定する場合が多いことから、従業員への勤務表の提示が遅いという現状があると門田代表取締役は話す。

「翌月、自分がいつ休みなのか、希望した有給休暇は取れるのか、直前まで分からないままでは予定が立てられません。なので、当社では勤務表は遅くても、月末1週間前までには翌月分の勤務表を必ず配布するようにしています」と、勤務表の作成にも配慮をしているのだそうだ。

このように従業員の人員配置を細やかに管理することで、利用者へのサービスの質を一定に保つだけでなく、従業員に研修の機会を与えることもでき、成長の後押しにつながっている。また、こうした人員管理の結果、従業員は仕事とプライベートとの両立もしやすくなっている。

取材担当者からの一言

ライフアシストでは業界の慣例にとらわれないという経営方針の代表取締役が、効率的な施設運営と、従業員の働きやすさを重要視し、清掃業務のアウトソーシング、人員配員の徹底等、必要だと思われる対応を常に考え、実践している。また、「仕事を通じて、自分の思いをどんどん形にしてほしい」という考えから、やりがいのある仕事を与え、役職への配置がなされている。

女性管理職が増えるにあたって必要な制度や支援について広島県が調査した結果(※4)によると、「労働力の長さではなく、仕事の成果をきちんと評価すること」が女性管理職からの要望で最も高く、次に「性別に関係なくやりがいのある仕事を与えること」が続く。女性活躍において、働く環境の整備や制度の充実ももちろんだが、やりがいのある仕事を与えて仕事の成果をきちんと評価することも重要だろう。

※4 平成29年3月広島県女性活躍推進企業実態調査報告書/図表80 男女・職位別 女性管理職が増えるために必要な制度や支援

●取材日 2018年12月
●取材ご対応者
株式会社ライフアシスト
代表取締役 門田 晃 氏
複合型介護施設あしすと 所長 碇野 敏恵 氏