働き方改革事例

「残業=非効率」という意識が浸透、
効率的な事業運営を目指した働き方改革

デジタルソリューション株式会社

  • その他産業
  • 広島市
  • 31〜100
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認定マーク
所在地 〒731-0122 広島市安佐南区中筋3-7-18 パレグレース中筋3F
URL http://www.digital-sol.co.jp/
業務内容 CAE受託解析、ソフト・CG開発、エンジニア派遣
従業員数 61名(男性54名、女性7名)

(2018年2月現在)

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  • 効率的に業務を進める意識が会社全体に浸透
  • チーム内で業務のバランスを取りフォローし合う
  • さまざまな働き方へ臨機応変に対応
  • 将来のリーダーも視野に入れた人材育成

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効率的な事業運営が働き方改革のベース

トップの方針が働きやすい社風へ

平成11年、広島市に創業した同社は、CAE(Computer Aided Engineering:コンピューターを駆使して製品の設計、製造・工程設計の事前検討を支援する技術)の受託解析業務をはじめ、AIや制御プログラムの開発、エンジニアの派遣まで、さまざまなサービスを行っている。
会社のキャッチフレーズに「形を予見する未来企業」を掲げ、常に先を行くことを意識しながら事業展開を行う同社に、働き方改革への取組を尋ねた。

type1_degitalsol_2.jpg「実は、創業者である社長自身が、『定時で仕事を終了すること』を方針としており、『残業=非効率』と考えているのです。その根底には『従業員の人生を豊かにするため』という思いがあり、全従業員に周知されています。効率よく仕事を進めることで、仕事だけでなく地域活動やスポーツなど、自己啓発の時間を作ることができ、従業員満足度の向上に繋げたいと考えています」と、執行役員・エンジニアリング部ジェネラルマネージャーの河村氏は語る。
「トップがそういう考えなので、従業員にも『その日にやらないといけない仕事を効率的に進める』という意識が浸透しており、私自身も早く帰るようにしています」

同社の有給休暇取得率は7割を超えているが、このことについて河村氏は、
「特に、有給休暇を取得するよう会社から積極的な声掛けをしているわけではないのです。特定の時期に有給休暇の取得が集中すると業務に支障が生じてしまいますが、従業員が互いの業務を把握しながら業務スケジュールなども踏まえて休暇の取得時期を考え、計画的に有給休暇を取得しているからこその結果だと思います。当社では、『チームがあって、個々がある』という考えを持っています。同じチーム内でも個々の担当する業務はさまざまですが、チーム内で業務のバランスを取って、従業員の誰かが休暇中でも業務をフォローし合うようにしています」と語る。
有給休暇の取得だけでなく効率的に業務を行っていくには、個々の従業員がチーム内で任されている業務をしっかり把握し、遂行するとともに、部署単位で協力し、支え合うことが欠かせないという。

会社も従業員も互いにハッピーに

さまざまな働き方へ臨機応変に対応

type1_degitalsol_3.jpg同社では、従業員の事情に合わせ、地域限定社員制度などのさまざまな勤務形態を導入している。
「当社には、関西圏で採用した従業員がおりますが、従事する業務内容も関西圏の仕事です。転勤のない地域限定社員という制度を活用して働いてもらっています。介護などの事情があって、広島に住み続けたいといった事情がある人についても、転勤がない勤務形態として地域限定社員を選択することが可能となっています。逆に無制限社員といって、国内だけなくインドへの転勤もあり得る勤務形態もあります。こういったさまざまな勤務形態の制度は、ここ2〜3年で事案がでた都度、臨機応変に対応してきた結果から生まれたものです」と河村氏は語る。
これらの勤務形態については、状況を踏まえながら、今後も見直しを行っていくとのこと。従業員の個々の状況は、相談窓口や目標管理シートを活用した年2回の個別面談時にヒアリングを行い、随時確認を行っているという。

また、病院や保育園への送迎など家庭の事情がある従業員には、正社員という立場のまま、10時からの時差出勤制度や16時までの時短勤務制度などの活用が可能。制度活用にあたっても、状況に応じて期間を決めながら、その都度柔軟に応じているという。こういった取組に対して河村氏はこう語る。「会社も従業員もお互いにハッピーなら良いと思っています。こうした制度を導入したことによって、従業員が今まで以上に活き活きと働く姿が見られるようになったと感じています。また、従業員同士のコミュニケーションも活発になったり、業務の効率化を従業員自らが考えるようにもなったと思います」

従業員の成長が企業の成長につながる

自己革新ができる従業員へ、キャリア形成を支援

「当社に入社される人は、転職して再就職した人も含め、最初から業務に必要な知識や経験が十分あるというわけではありません。このため、当社では導入教育から始まり、職場での技術講習などの専門教育に力を入れています。教育には、品質・技術・階層の3つの柱がありますが、階層教育においては、リーダーシップや問題解決の進め方など、概念的なことも学習してもらいます。当社の従業員に見られる傾向として、技術面に関しては、個人がそれぞれ探求心を持って積極的に突き詰めていくのですが、他者とのコミュニケーションを図り伝えるといったマネジメント的なことは苦手とする部分が多いようです。しかし、若手であってもやがてリーダー的な立場になっていきますので、立場や年齢に関係なく従業員の教育は大切だと考えています」

同社では、年間教育計画に基づき、職位別、スキル別、また、自己推薦での「教育カリキュラム」を実施し、外部の公的試験の受検に対する受験費用も会社が支援している。さらに、オリジナルの研修資料を作成しており、それをもとに社内教育を行っているが、過去の経験を踏まえ、少しずつ改定を加えていっているという。

type1_degitalsol_4.jpg入社1年目、構造解析部の世良さんに就職時のことを伺った。
「物理、天文を大学院で専攻していたので、工学系のエンジニアが向いていると思い、地元広島での就職先を探していました。初めての就職ということもあり、業務内容はもちろんのこと、職場環境や働き方への取組にも興味を持って、各企業を見ていました。当社のホームページには、国の『ユースエール』の認定企業など、公的制度の認定や登録が紹介されており、働きやすい職場なのではないかと思いました。実際に入社してみると、初めてのことだらけで不安もありましたが、社内教育も充実しており、先輩からもアドバイスをもらえるなど安心して働いています。さまざまな分野の研修を受講しながらスキルアップを目指しています」


最後に河村氏は今後について次のように語ってくれた。「企業理念の『変わり続ける社員により会社は成長する』に基づき、全員が常に現状に満足することなく、たゆまない挑戦と自己革新を繰り返すことを目指しています。それにより、これからも時代・環境・顧客要望の変化に対応できる企業体の実現に挑戦していきたいと思います」