働き方改革優良事例

ITによる“ビジネススタイル”改革で、
多様化する“ワークスタイル”に対応

株式会社日立ソリューションズ西日本

  • その他産業
  • 西部
  • 301以上
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 時間・場所等の多様な働き方
認定マーク
所在地 〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀3番33号
URL http://www.hitachi-solutions-west.co.jp/
業務内容 システムインテグレーション事業
従業員数 1130名(男性980名、女性150名)内、広島地区438名(男性382名、女性56名)

(2018年7月現在)

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  • 組織横断のチーム「ビジネスワークスタイル改革推進センタ」を設立
  • 営業部門の直行直帰を推進し移動時間を有効活用
  • 時間や場所に縛られない「タイム&ロケーションフリーワーク制度」
  • 会議は参集型からリモート参加型へ。ペーパーレス化を徹底的に推進
  • 社内の意見箱、役員との懇談会から従業員のニーズを把握
  • 新卒採用時の学生の反応にも手応えあり

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取り組んだ背景とは? ~会社の活力にためにも、従業員が働き続けられる会社へ

「情報系の会社は、残業が多く休みが少ないといわれますが、これからの時代は、子育てや介護をしながら働き続けられる環境にしないと、会社の活力は出ません。そのために、社内の業務効率を上げて働きやすい環境をつくり、従業員が働き続けられる会社にしようと思ったのが、取組を進めたきっかけです」と代表取締役社長の秋山和三氏は振り返る。
そこで社内の部署横断組織として、2016年に「ビジネスワークスタイル改革推進センタ」を発足させた。IT技術を活用して、①業務の効率化を目指す“ビジネススタイル”改革(仕事の仕方改革)を推進し、②多様化する働き方“ワークスタイル”に対応することで、時間の創出と原価の低減、労働時間の削減を目指している。


取組の導入プロセス ~部署横断組織を中心に、検証と取組を実施

「弊社の『ビジネスワークスタイル改革』は、仕事の仕方を徹底的に見直し、業務の効率を上げることを軸足とし、それによって時間とコストを削減する中で会社の成長を生み出し、従業員が柔軟に働ける環境をつくっていくという考えに基づきます。業務効率化施策の効果や、従業員の制度の利用状況、労働時間等をしっかり把握し、検証しながら取組を推進しています」とビジネスワークスタイル改革推進センタ長の鋤田氏は説明する。
新しい取組は、まずはスピードが大切という事で、一部で試行して評価し本格導入への道を探る。
毎年実施する従業員満足度調査の結果も参考にして改善につなげている。


取組を進める中で工夫した点 ~直行直帰の推進、ペーパレスの推進で効率化

営業部門の効率化~いかに移動の時間を効率化するか

同社では、特に営業部門の効率化に力を入れている。営業部門には、移動時間の無駄があると思われるため、移動時間を見直して新たな時間を創出することに着手した。
例えば、以前は社用車で出張した場合には、会社から遠い出張先でも必ず会社に戻る必要があった。そこで、カーシェア会社と法人契約を結ぶことで、自宅近くで車を借りて、営業を終えた後はそのまま自宅に帰るという直行・直帰を可能にした。

時間や場所に縛られない「タイム&ロケーションフリーワーク制度」

約10年前から在宅勤務制度を実施しているが、時間と場所に縛られず、従業員の力を最大限に発揮してもらうため、「タイム&ロケーションフリーワーク制度」を2017年8月から試行し、2018年1月から本格的に導入した。好きな時に好きな場所で、自由な勤務体系を選べる制度になっており、気分転換をしながら喫茶店でも仕事ができる。
移動の効率化に向けては、従業員からの「サテライトオフィスを増やしてほしい」という要望を受け、カラオケボックスを活用したサテライトオフィス制度を導入した。カラオケボックスのビジネスプランを利用するものだが、サテライトオフィスの設備投資を大幅に削減でき、全国各地で利用できるというメリットがある。
以前は、報告書を作成するために、出張先からわざわざ会社に戻るなど、非効率な部分があったが、これらの制度を活用することで、従業員からも移動時間を削減でき業務に集中できると好評だという。

会議スタイルの変革~“動かない、印刷しない”で効率化

会議についても、徹底的な効率化が必要と考えた同社は、多くの関係者が一堂に会する“参集型”からITツールを活用した“リモート型”へ変更した。会議用資料のペーパーレス化も可能になり、印刷などの準備時間が削減でき効率化につながった。
こうした会議スタイルの改革について、当初はペーパーレス化ですらも一部で反対があったという。まずは経営会議などで上層部が率先して実施し、社内の文化としての定着を目指し、粘り強く継続した。会議で使用する小型タブレットは慣れていない者も多く、戸惑いもあったため、使い方講座などを行いながら活用につなげていった。
ペーパーレス化においては、タブレットでも見やすいように会議資料の様式を変更するなど、細かな工夫も加えている。

意見箱の活用 ~従業員の意見を吸い上げる

従業員の率直な意見を吸い上げるため、各フロアのコピーエリアに「意見箱」を設置している。意見は、ES委員会を通じ匿名で社長に届けられる。ほとんどの意見は社内のネットワークで公開され、解決済みや推進中など状況が分かるようになっている。「フロアの喫煙室をなくしてほしい」「サテライトオフィスにモニターを増やしてほしい」などさまざまな意見が出され、できるところから真摯に対応している。その他にも、役員と従業員が意見交換できる懇談会を企画するなど、風通しの良い雰囲気や、モチベーションの上がる職場づくりに取り組んでいる。


取組の成果

「営業の場合、社内の業務の効率が上がれば、時間が生まれます。すると、お客さまのところへ行く時間が増え、営業案件が増え、売り上げ増加にもつながってくるのではないか、という狙いがありました。
実際に取組を進めている中で、当初の狙いに少しずつ近づいていると感じます。
営業以外の部門でも、RPA(業務自動化による生産性向上)などITの活用により、残業が減っています。
こういった取組の成果につながるデータを集めて分析しながら改革を進めています」と鋤田氏。
採用活動の際に、「社員を大切にする会社ですね」「会社の雰囲気が良いと感じたので、御社に決めました」という就職希望者が増え、学生の反応にも大きな手応えを得られている。

労働時間・休暇(2015年度対比)

・常用雇用者の所定外労働時間が12%減少
・年次有給休暇の取得が1.1日増加


従業員および家族の方々の反響・評価

情報システム課の安達さんは「職場がフリーアドレス化したことで、コミュニケーションを取りやすくなり、仕事がスムーズに進みます。残業時間も減り、帰りやすい雰囲気になったのもうれしいです。プレミアムフライデーに、仕事仲間と野球観戦へ行くなど、プライベートの時間が増えました」と話す。
経営サポート統括本部総務部部長の遠藤さんは「病気で通院している従業員もいますが、タイム&ロケーションフリーワーク制度により、治療をしながら仕事を続けられると評価してくれているようです」と成果を感じている。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標

「現時点では、行動の変化と業績貢献への兆しが現れはじめた段階で、成果は短期で簡単に出るものではありません。変化とトレンドとの相関で判断したいと思っています。このビジネスワークスタイル改革が、本当に大きな意味で、会社の成長と従業員の幸せに寄与できているか、あらゆる周辺データを集めて、目標に向かってPDCA活動を継続していきたい。」と鋤田氏は語った。

取材日 2018年9月