働き方改革事例

「従業員を大事に」をモットーに、
スキルアップと従業員満足度の向上を推進

株式会社QOLサービス

  • 医療・福祉
  • 福山市
  • 101〜300
  • entrydatajireikaikaku2-04
  • entrydatajireikaikaku2-07
  • entrydatajireikaikaku2-08
認定マーク
所在地 〒721-0902 広島県福山市春日町浦上1205
URL https://qolservice.co.jp/
業務内容 出版事業・教育事業・介護事業
従業員数 284名(男性25名、女性259名)

(2018年6月現在)

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  • さまざまな教育制度で従業員一人一人のスキルアップを支援
  • 福利厚生の充実により従業員の職場定着を促進
  • 半日単位有休、リフレッシュ休暇、有休取得推進週間で休暇取得を促進

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取り組んだ背景とは? 〜顧客の満足につながる従業員の満足

同社では、出版・IT事業(書籍発刊・メディア企画など)、施設事業(介護施設の運営)、教育事業(養成講座やセミナーの企画・運営)の3事業を幅広く展開している。1998年の設立以来、「感動を生むサービス提供のために、現場で働く従業員を大事にしよう」というコンセプトを掲げ、小さなことから少しずつ取組を重ねてきた。代表取締役の妹尾弘幸氏は、「従業員一人一人の満足が、利用者さまの満足にもつながるはずです。そのために、個々の従業員がビジョンを持ち、健康で楽しく生きがいを感じられる職場づくりを目指しています」と語る。


取組導入のプロセス 〜課題の把握から始め、制度や体制を構築

月1回、妹尾氏を交えたリーダーミーティングを実施し、トップダウンで働き方改革への取組を周知し、状況を確認している。従業員への周知は、総務部と教育事業部のメンバーが中心となり、各部門のカンファレンスなどを通じて実施。
働き方改革への目標には、以下を掲げている。

・平均残業時間6.6時間以下、常用雇用者の残業時間を多くとも月15時間以内を目指す(2021年4月30日まで)。
・平均有給取得日数12日以上、平均取得率は80%以上を目指す(2021年4月30日まで)。
・常用雇用者の年収100万円アップを目指す(2023年4月30日まで)。

こうした目標の実現のために、従業員へのアンケートや管理職との面接、年1回の職員希望調査を実施することで、社内の現状を把握。介護部門では、相談窓口を設置し、「休みを取りづらい」「人間関係で悩んでいる」などの具体的な声が寄せられるようになった。残業時間が長い、休暇取得が少ない従業員やその管理職には、個別にヒアリングを実施。各種制度の利用状況を把握するとともに、労働時間の正確な把握にも努めている。


主な取組と工夫点 〜モチベーションアップの仕組みと部門スキルアップ

さまざまな教育制度でスキルアップを支援

「従業員のスキルアップに力を入れており、従業員が積極的に内部や外部の研修へ参加できるよう、声掛けを行っています。研修を活用することで、従業員のスキルアップだけでなく、仕事に対する意識や仕事の質の向上、さらには、従業員と利用者さまのお互いの満足度向上にもつながると考えています」と取締役の妹尾氏。
無資格で入社した従業員も無理なくスキルアップできるように、初任者研修・実務者研修を勤務時間で無料受講できる制度を用意し、資格取得をバックアップしている。働きながら国家資格(看護師・介護福祉士)を取れるように、授業料などを支援する「奨学金制度」も用意するなど、資格取得に対して、会社側からの支援体制を整えている。
資格を取得しながら経験を積むことで、利用者からの評判・信頼の向上にもつながっているそうだ。

従業員のニーズを踏まえた両立しやすい職場づくり

女性従業員が大半を占めるため、仕事と育児の両立しやすい環境整備にも取り組んできた。
「育児と仕事の両立支援の制度については、従業員からの要望があるごとに一つ一つ制度化してきました」と総務部の相田氏。半日単位の有給休暇取得制度、リフレッシュ休暇制度(5日以上の連続休暇制度)、有給休暇取得推進週間の導入をはじめ、短時間勤務・短時間正社員制度を用意。「事業所内保育施設」を運営し、男性の育児休暇取得も奨励している。

福利厚生の充実で従業員のモチベーションアップに

従業員同士の交流を大切にしており、同期の交流促進を目的に、新人研修ではビュッフェスタイルの食事会を開催している。2年目以降も勤務年数に応じた褒賞制度「ハッピーイヤー制度(2年目/食事会、4年目/会社企画の沖縄旅行、7年目/自由プランの旅行など)」を導入している。その他にも、グッドジョブ賞表彰制度や感謝状、職員間のありがとうカード、誕生日プレゼント(ケーキなど)や部署交流会費用の負担、会社所有キャンピングカーの貸し出し、社宅貸し出しなどの福利厚生に関する取組を実施している。従業員からは「ありがとうカードでは、日頃の仕事ぶりをちゃんと見てもらえているというのが伝わって、モチベーションが高まります」「社長から直々に手渡される誕生日ケーキは、純粋にうれしかったです」などの感想が寄せられているという。


取組の成果

同社の充実した研修や各種制度に魅力を感じ、生き生きと働く従業員を見て、「QOLサービスで働きたい」と入社してくる人も増えているという。一度離職した従業員が、「もう一度ここで働きたい」と願い出て復帰してくることもあるそうだ。働きやすい仕組みづくりを行ってきた結果、介護業界において、大きな課題とされる人材定着についても、離職率が長年5%以下をキープするなどの成果にもつながっている。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の有給休暇の平均取得率が78.5%、平均取得日数は11.3日

育児と仕事の両立等(直近3年間)

・事業所内保育施設、託児室・授乳コーナー等の利用者12人

・育児休業を取得した従業員の割合が100%

・男性の育児休暇制度の利用者1人

・管理職(課長級以上)に占める女性労働者の割合が89%


従業員の評価

もともと職場内で協力し合い、子どもの学校行事・親の世話などの都合に合わせて、休暇を申請しやすい雰囲気が根付いているという。総務部の山口さんは「誰かが急に休んでも、それをカバーできる体制があるので安心です。みんなで助け合おうという企業風土に、家族ともども感謝しています」と話す。
教育事業部の原田さんは、パート社員として働き始め、正社員にステップアップした一人。「パート社員からスタートした従業員は私以外にも多いです。しかも本人の要望に応じて、再びパートに戻ることも可能で、柔軟に対応してもらえるので、長く居心地よく働けています」と語る。
その他にも、「介護部門の相談窓口は、一人で悩んでいる時に心強く、解決策を一緒に考えてもらえて助かりました」「社内の雰囲気も明るく活気があります」などの声が寄せられている。


今後の目標

介護業界全体の人材が不足している中で、今後の人材確保を進めていくためにも、引き続き業務の効率化や働きやすい職場環境づくりに力を入れていくという。

取材日 2018年9月