働き方改革優良事例

従業員の声を吸い上げ問題を改善し、
グループ会社全体へ取組を拡大中

株式会社トータテホールディングス

  • その他産業
  • 西部
  • 1〜30
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 多様な人材の活躍
認定マーク
所在地 〒730-0042 広島県広島市中区国泰寺町2丁目4番7号
URL http://totate.co.jp/
業務内容 住宅関連事業を行うトータテグループ各社の経営管理
従業員数 25名(男性15名、女性10名)

(2018年6月現在)

seika_header.png

  • 社長と従業員の懇親会「トータテ未来塾」を開催
  • 「広島県働き方改革実践企業」認定企業の見学
  • 年齢給を廃止し成長過程が見えやすい評価制度に
  • 取組のグループ会社全体への展開

seika_footer.png

取り組んだ背景とは? ~グループ全体の改善のため足場を築く

トータテ都市開発、トータテハウジング、トータテ住宅販売など9社で構成されるトータテグループ。その中枢を担う組織として、人事総務・経理・経営企画など、グループ全体のマネジメントを担当しているのが株式会社トータテホールディングスだ。少子高齢化が進み、労働力が減っていく将来を見据えて、同社では以前から「長時間労働や業務の無駄をなくした効率的な働き方」に着目。約3年前から少しずつ業務改善を行っており、女性活躍推進にも積極的だが、人事総務部次長の中尾昌実氏は、「自社だけでなくグループ全体を巻き込んで、取り組みたいという思いがありました」と語る。自社に加えグループ各社の現状を調査し、さらに改善への糸口を探った。


取組導入のプロセス ~全従業員が集合する大会でキックオフを表明

グループ各社に働き方改革の取組を周知するため、2017年9月の社員大会で、社長自ら「広島で一番働きやすい会社にしていきましょう」とのメッセージを発信した。グループ会社・部門を越えた横断的なつながりを強化し、トータテホールディングスの人事総務部・経営企画部のメンバーが中心になって、取組を進めていった。同社では「労働環境の整備・生産性の向上(2018年9月から週休2日制の完全実施・残業時間10%削減・有給休暇取得率50%)を3年間で達成する」と具体的な目標を設定している。
取り掛かりは、グループの全従業員を対象にした職場環境に関するアンケート調査。さらに実態を把握するため、担当業務にどれくらいの時間を割いているかをカウントした。人事総務部の佐久間係長は次のように説明する。
「約300人の業務内容を把握するのは、大変な作業でした。でも、あらためてグループ各社が、どんな役割を担っているかを再認識できました」
改善に当たっては、他社の事例も研究した。認定企業を訪問し、実際の取組内容のヒアリングを行った。現状の取組や課題点、対応策の提案などを取りまとめて、働き方改革の必要性や、今後進めるべき取組を経営層へ報告した。
「他社の推進担当者と直接話せたことで、取組の詳細や狙いまでしっかりと知ることができ、とても勉強になりました」と経営企画部の岡本さんは話す。


主な取組と工夫点 ~「従業員の声を生かすこと」に重点を置く

同社が取組推進のポイントにしたのが、「現場の声を取り上げ、新制度の導入などに積極的に反映してほしい」という社長の思いだ。前述のアンケート調査に加え、女性従業員対象のアンケートや、トップと直接話せる定期的な食事会などを通じて、従業員が何を望んでいるか、どのような改善が必要かを吸い上げていった。

社長との意見交換の場をセッティング

トータテホールディングスが事務局となって「トータテ未来塾」を運営。これは、週1回開かれる社長と従業員10人ずつとの懇親会で、食事をしながら職場環境の気付き・問題点について、ざっくばらんに意見交換を行っている。会社の未来を語り合う場にもなっており、グループ全体に結束力が生まれ、一人一人の仕事へのモチベーション向上につながっている。

「広島県働き方改革実践企業」認定企業の見学

「充実した働き方」への意識をさらに高めるために、若手の従業員が「広島県働き方改革実践企業」に認定されている他社を見学し、レポートを作成した。
人事総務部の松田さんは、他社事例の中から「委員会制度」に着目。「多部門のメンバーが参画して委員会を結成し、社内のさまざまな課題を解決していく委員会制度は、トータテグループ内へも取り入れられる良い例ではないかと思いました。当社でもやってみたいと中尾次長に相談しているところです」と話す。

人事評価制度の改定

従来の評価制度では、年齢給を採用していたが、業務成果とプロセスを評価する成果給と各等級によって求める職務(役割)を定めた職務能力給を導入。能力を高めながら効率良く働いていかに結果を出すかという意識が芽生え、仕事の質も向上している。

完全週休2日制の導入

同社では「隔週週休2日制」を実施していたが、グループから先駆けて、2018年5月から「完全週休2日制」に移行。祝日と絡めた3連休も可能になり、「十分リフレッシュして、休み明けに新たな気持ちで仕事ができています」と好評だ。グループ他社でも導入を試行中で、全社での完全な切り替えを目標としている。


取組の中での苦労

グループ各社へ取組を働き掛ける際は、苦労もあった。週休2日制導入に当たっては、住宅関連の企業は、土曜日・日曜日に集客が多いため、営業・建築系の職種と事務系の職種の休日が合わず、現場との調整が難航した。「現場で働く従業員との調整があってこそ働き方改革は進むもの」各社の部門長と一緒に業務の効率化や改善策に粘り強く取り組んだ。現在は従業員に意識改革が浸透しはじめた段階で、今後も各人が「意欲的に働ける環境を整備していこう」という意識を持ち続けることが重要だと感じている。


取組の成果

同社は、グループ各社に先駆けて「広島県働き方改革実践企業」に認定されたが、グループ他社に関しては認定企業を目指し、引き続き業務改善等を推進している。「アンケート調査、トータテ未来塾などを継続することで、従業員の声を改善に生かし、いずれはグループ各社が認定を受けられるようになってほしいです」と中尾氏は目標を語る。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均) 165.8時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率が53.1%、平均取得日数は7.2日

若年者(直近3年間)

・正社員として就職した新卒者等のうち、同期間の離職者の割合が0%


従業員からの評価

「時間内に仕事が終わるよう、自分なりに工夫するようになりました」「完全週休2日制で、趣味の時間を増やせました」などのコメントが届いている。
働き方改革の一環として予定しているグループ全体におけるオフィスのリニューアル工事(フリーアドレス化・内装の模様替えなど)にも、期待の声が寄せられている。


今後の目標や取組

取組が効果的に継続できるよう、現状把握や制度運営のサポートを続けていく。またアンケート調査での意見をもとに、従業員が働きたい部署を申請できる異動制度を導入。時間単位の有給休暇取得制度など、今後、本格的に制度化していく方針だ。2018年のテーマとして、女性スタッフの育成および男性管理職の職場理解を掲げる同社では、外部講師による「女性従業員向けセミナー」や「男性管理職の意識改革セミナー」なども予定しており、今後も従業員が意欲的に働ける環境の整備を一層進めていく。

取材日 2018年9月