働き方改革優良事例

全社の制度に加えて支部独自の工夫を凝らし、
有給休暇取得率や女性活躍を推進

一般社団法人日本自動車連盟広島支部

  • サービス産業
  • 西部
  • 31〜100
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒733-0821 広島県広島市西区庚午北2丁目9番3号
URL https://jafevent.jp/area/chugoku/hiroshima/
業務内容 自動車ユーザーに安全・安心のための諸活動
従業員数 76名(男性65名、女性11名)

(2018年6月現在)

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  • 支部独自で年間有給休暇取得10日以上の目標を掲げ取組を推進
  • 全女性従業員を集めて「女性ミーティング」を行い、女性の声を反映
  • 男性育休の突破口となるロールモデルの誕生
  • 残業時間抑制のため、残業理由書の記入を義務付け、部署長に報告
  • システム改革や使いやすい工具などの導入で業務を効率化
  • 1日に2時間、できる限り電話をかけない「頑張りタイム」を実施

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取り組んだ背景とは? ~年間10日以上の有休取得を目指し支部独自の取組を推進

「4、5年前に5日間連続有給休暇の制度ができたのですが、実際のところ、従業員の3分の2を占めるロードサービス部門は、シフト制勤務のため有給休暇が取りにくかったのです。事務職を含めた全社的にも、有給休暇が取りにくいと不満が上がっていました」と総務課総務係長の中原敦子氏。
そこで、2017年から全国の支部対抗形式で始まった年休取得促進の取組を機に、広島支部では独自に、“1人当たり年間10日以上の有給休暇の取得”を目標に掲げ、随時公表される他支部の取組状況も見ながら、活動を展開した。


主な取組と工夫点 ~業務の効率化を意識した仕組みづくり

取得状況の確認・声掛けで、有給休暇を取得しやすく

有給休暇取得目標の達成に向けては、各自の取得状況を表にまとめ、各部署長に進捗状況を報告した。「取得が少ない人は総務から呼び掛けを行うなど、ある意味、強制的にやっていきました」と中原氏。こうした取組により、目標を達成することができたが、「今後は、従業員自らの意思で取れるように、取って当たり前という風土にしていきたい」と続けた。

全女性従業員を集めて「女性ミーティング」を行い、女性の声を反映

広島支部の事務職の3分の1が女性従業員で、育児をしながら働いている従業員が半数を超える。これまで女性従業員だけで話し合う場がなかったため、広島支部独自の活動として「女性ミーティング」を2018年6月に開催した。会議室で全女性従業員が昼食を食べながら、働きやすい職場環境や制度、受講したい研修などの意見や要望を出し合った。
「コミュニケーションや電話応対の能力を高めたい」「テレワークや在宅勤務ができたらいいな」など、具体的な意見が多数出た。こうした声を踏まえ、コミュニケーションについては、2018年11月に女性講師を招いて、女性従業員に特化したコミュニケーション研修会を行うことが決まった。テレワークに関しては、「テレワークなど働き方の制度の変更は、広島支部独自では難しいので、全国レベルの会議などで発信していきたい」と中原氏は語る。

仕事と育児の両立支援で、男性育休のロールモデルも誕生

仕事と育児の両立に向けた制度については、2018年より育児時短制度が拡充され、小学校3年生まで取得できるようになったほか、育児を理由に退職した従業員は、3年以内なら再雇用される制度の整備など充実している。「広島支部は、出産・育休後も働き続けられる職場という認識が従業員に定着しています。育休復帰率100%なので、再雇用制度は実質的には使われていません」と中原氏はほほ笑む。
男性の育児休暇は、2017年にロードサービス部門の従業員が3カ月間取得した。
「最初は周囲が驚きましたが、上司は取って当たり前という対応でした。人数が1人減って大変だったようですが、みんなでカバーして乗り切りました。男性の育休の突破口として、ロールモデルができました」と中原氏は説明する。

残業理由の記入義務付けで残業時間を抑制

各従業員の毎月の残業時間数は、一覧にして部署長に報告している。月30時間以上残業をした従業員には、なぜ超えたのか理由書を作成することを義務付けている。それによって、部署長が残業の理由や仕事量を把握して、業務配分を変えることも可能だ。残業の多い従業員については中国管内トップから部署長にヒアリングや注意喚起が行われるため、部署長の意識改革も進んでいる。

ロードサービスシステムの変革や使いやすい工具の充実などで効率化を推進

ロードサービスシステムは常にバージョンアップを行い、ボタン一つで伝票が出てくるなど、現場での事務作業の効率化を進めている。使いやすい工具などの充実により、作業自体も短時間で終わるよう工夫を行っている。
2019年には、ロードサービスシステムが一新される予定だ。「これまで関西本部の指令室から、人間が指令を出していたのですが、今後は機械が自動的に指令を出すようになり、大幅な効率化につながると思います」と中原氏。

できる限り電話をかけない「頑張りタイム」の実施で業務効率アップ

毎日10時~11時、14時~15時の2時間は、できる限り電話をかけないで業務に集中する「頑張りタイム」を2018年10月から実施している。管内全部署で申し合わせを行い、お客さま以外の電話に手を取られることなく、業務に集中できる時間を設定した。「私は経理で数字を扱っているので、時間を決めて集中して仕事ができるのは、とても効率が上がります。もっと早くからあれば良かったと思います」と経理係の礒部さん。


取組の成果

有給休暇の取得目標「1人当たり年間10日以上の有給休暇の取得」は、広島支部全員が達成できたとともに、目標以上の平均13.2日を取得した。そのほかの具体的な成果は以下の通り。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が 163.4時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得日数が13.2日

若年者(直近3年間)

・正社員として就職した新卒者等のうち、同期間に離職した者の割合 0%


従業員からの評価

「育休後、最初は2時間の時短勤務で、15時45分で帰っていたのですが、子どもが小学校に慣れた頃から1時間の時短勤務に変えてもらいました。有給休暇が1時間単位で取れるようになったので、それとうまく組み合わせて、子どもにも自分にも負荷が掛からないように働けるのがうれしいです。5日連続休暇は、夏休みと絡めて、家族でディズニーランドや九州など、ちょっと遠出もできるようになりました」と礒部さん。
中原氏も「最低5日なので、前後の土日も加えて9連休にして海外に行く従業員もいます。時間有給休暇制度は、一般従業員にとっても病院へ通う、私用を済ませるなど、利用頻度が高いですね。弊社には自己啓発制度があり、いろいろな通信教育や公開講座に補助が出ます。空いた時間をそれに当てている人も多いですね。私はロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどの講座を受けています」と続けた。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標など

「課題は、取組が下の階層までまだまだ浸透してないことですね。部署によって時間の感覚が違うのも、浸透の障害になっています。対策は、呼び掛けを続けるしかないと思っています。社内のグループウエアで他企業の取組の紹介や法律の改定を知らせていますが、それを読んで、少しでも意識を変えてもらいたいです。女性ミーティングも継続して行うとともに、在宅ワークなどの新しい取組も提案していきたいです」と中原氏は意欲的に語った。

取材日 2018年10月