働き方改革優良事例

時間外労働の削減と取得しやすい休暇制度で
誰もが働きやすい職場環境に

しまなみ信用金庫

  • 金融業・保険業
  • 東部
  • 301以上
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 多様な人材の活躍
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒723-0017 広島県三原市港町丁目8番1号
URL http://www.shimanami-shinkin.jp/
業務内容 中小企業・個人専門の協同組織型金融機関
従業員数 372名(男性215名、女性157名)

(2018年7月現在)

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  • ノー残業デーの徹底と時間外勤務削減への取組み
  • 5営業日連続のリフレッシュ休暇制度など休暇取得促進
  • 入庫5年以内の若手従業員を早期に育成する仕組み
  • 仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりで育休取得・復帰率100%

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取り組んだ背景とは? ~より良い職場環境から地域の発展に貢献

経営理念に掲げる「地域の皆様とともに、地域社会の発展に貢献する」を実現するためには、全ての従業員が仕事と生活を充実させ、その能力を十分に発揮することができる職場環境の整備が必要との方針のもと、早くから働き方改革の取組に着手した、しまなみ信用金庫。
かつては残業も多く、休暇も取りづらい職場だったが、ノー残業デーの推進などにより、2015年度の時点で、年間の残業時間は一人当たり平均85.5時間と低水準にあった。
現在は、より良い職場環境の構築を目指し、時間外勤務への指導や、早帰りの励行によるワークライフバランス改善の推進等を2018年度の業務計画に明示し、さらなる取組を進めている。


主な取組と工夫点 ~柔軟なリフレッシュ休暇で従業員の意識改革も促す

ノー残業デーの徹底と時間外勤務削減への取組み

「ノー残業デーについては、10年以上前から制度化して取り組んでいますが、金融機関はどうしても残業時間が多くなりがちです。確実にノー残業デーを実施してもらうことが大切ですので、どうしても残業が必要な場合は、総務部へ申請書を提出してもらう仕組みで管理しています」と総務部部長代理の堀内久美子氏。
時間外勤務については、職員が申請書を所属長に提出し許可を受けて残業を行うこととしており、勤務状況の適正化を図っている。2017年度には時間外勤務の削減目標が設定され店舗業績にも反映された。こうした取組みにより、年間残業時間は一人当たり平均67.0時間にまで削減できている。

5営業日連続のリフレッシュ休暇制度など休暇取得の促進

休暇の取得促進については、半日単位での有給休暇制度を取り入れており、2018年度も全従業員が5営業日連続のリフレッシュ休暇を取得することも目指している。
「有給休暇、リフレッシュ休暇をいつ取得するかの予定を、年度初めに提出してもらうよう総務部から文書を発信しています。もちろん提出してもらうだけでなく、きちんと休暇を取得しているかどうかもフォローします。提出後も予定は変更も可能ですので、柔軟かつ自由に休みを取れる制度として活用してもらっています」と堀内氏。

若手従業員の定着・育成

2017年の秋から、先輩従業員が新人をサポートし、就業時の不安や悩みなどの相談役となるメンター制度をスタートし、職場への定着を支援している。入庫5年以内の従業員に対しては、5年間で習得すべき業務等を具体的に提示しサポートする「人財育成プログラム制度」も導入している。若手従業員自身がスキル習得の現状を確認しながら、営業店・本部とも共有して、成長の度合いを進捗管理するとともに、それぞれの状況に応じた個別指導や研修等を実施していくことで、早期育成を図っている。

意識改革と意見のくみ取り

従業員の意識改革に向けては、外部開催のワークライフバランス研修などへの積極的な参加を促している。職場内では、月に一度、コンプライアンスのチェックを行っているが、チェックリストの中にメンタルケアも含め、何でも書ける項目を用意することで、意見を集めやすいよう工夫している。店舗の現場にいなければ分からないこともあり、「〇〇といった制度があったらいい」といった具体的な提案を上げてもらう機会にもなるという。

仕事と育児の両立

仕事と育児の両立に向けた環境整備も進めており、女性従業員の出産後の育休取得率、復職率とも100%を達成している。復職の直前には、総務部から本人に保育所への入所などの状況を確認し、きめ細かなフォローを行っている。復職後の時短勤務といった制度の活用についても丁寧に説明を行うが、総務部には女性が多く配置されているので、相談もしやすい雰囲気だという。

“庫内メール”で小まめに情報発信

これらの取組の周知については、“庫内メール”で全店へ発信している。さらに重要な項目については、説明会などを実施して、周知とともに理解を促している。


取組の成果

労働時間

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が153.5時間(直近1年間)
・年間残業時間が一人当たり平均67.0時間(平成29年度)

若年者(直近3年間)

・若手従業の職場定着を目的としたメンター制度を25人が利用
・若手従業の人材育成を目的とした「人財育成プログラム制度」を98人が利用


従業員からの評価

5日連続のリフレッシュ休暇は、部署や支店内で調整して順次取得するなど、工夫して実施できているという。ノー残業デーを利用して野球観戦を楽しむ従業員もいる。
「若手従業員も遠慮せずに定時で帰ることができ、リフレッシュ休暇も取りやすいため、とても喜んでもらっています。制度が浸透したことで、時間を意識して働く習慣が付き、業務の段取りなどを行ってもらえているのではないでしょうか。早く帰ることで、モチベーションも上がるといった声も上がっています」と堀内氏。
「今は、定時で帰ることや、休暇を取得することが当たり前といった雰囲気があります。制度の趣旨が従業員に浸透しているのではないでしょうか。半日単位での有給休暇を使って、子どもの参観日に行くこともできているようです。メリハリを付けて仕事ができています」と江南支店の木谷さん。
仕事と育児の両立支援については、「職場の先輩でこれらの制度を利用して、仕事と子育てを両立している姿を身近に見ていることが、女性従業員の活躍に寄与していると思います。子育てについての悩みを相談でき、制度についての話を聞く機会もあるので安心です」と木谷さんは続ける。


今後の目標および課題

今後は、子育てだけでなく介護に関しても休暇や時短制度を取得しやすい環境整備を目指すなど、全ての従業員が使いやすい制度を充実させていくという。
「制度があっても、なかなか使えない場合があると思いますが、最近は、かなりの頻度で各種制度の利用申請が上がってきます。従業員に浸透してきているようですが、さらに制度を使いやすく改善し、充実させたいと思います。一例ですが『育休明けに業務内容が分からなくなるのでは』という不安の声を聞いた時には、育休中のブランクを埋めるために、復職に向けた個別の勉強会を開催するという新たな試みにも挑戦してみました。今後、このような試行錯誤を続けながら、より良い職場づくりを目指していきます」と堀内氏。
課題としては、まだまだ取得が進まない男性の育児休業や、要望が上がっている人材育成の充実などを挙げる。堀内氏は最後に、「より良い職場環境の構築を目指し、他業種でも他社でもいいので、良い事例があれば積極的に情報を得て、ぜひ活用していきたいです」と語った。

取材日 2018年9月