働き方改革優良事例

若手従業員が生き生きと楽しく働ける
職場環境づくりを目指す

株式会社ハマダ

  • 製造業
  • 府中町
  • 101〜300
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 多様な人材の活躍
認定マーク
所在地 〒735-0029 広島県安芸郡府中町茂陰1-9-41
URL http://www.kk-hamada.co.jp/
業務内容 自動車部品の精密加工、医療機器の開発
従業員数 223名(男性188名、女性35名)

(2018年10月現在)

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  • 活発に意見を出し合う場として「働き方改革プロジェクトチーム」を結成
  • 「ノー残業デー」や「集中タイム」の設定で業務効率化を図る
  • 技能検定や各種セミナーなどへの自発的参加を積極的に推進
  • 多彩なイベントで社内のコミュニケーションを活性化
  • 小さいことから積み重ねて実績をつくり、自信につなげる

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取り組んだ背景とは? ~70周年を節目に、人づくりでさらなる成長を目指す

自動車部品の加工を中心に事業を展開する同社は、「世界を発振させる 者創り、物創り」を経営理念とし、これまでも働く喜びや楽しさを肌身で感じられる会社づくりに取り組んできた。2016年に創業70周年を迎えたことを節目に、企業としてさらに成長するためには人づくりが大切だと再認識。若手従業員の挑戦を促し、従業員の働く喜びや満足度の強化を図ることとした。「広島県働き改革実践企業」としての、認定取得を一つの目標としながら具体的な取組へと進んでいった。


取組導入のプロセス ~部署横断のチームがボトムアップでの取組を主導

総務部総務・人事課係長の松村未来氏が2017年度、広島県による「働き方改革の社内キーパーソン養成講座」に参加し、中心となって取組を進めることとなった。「セミナーでは、他社の事例なども参考にしながら、社内での取組の進め方を学びました。講演会やグループワークでの意見交換などもあり、とても貴重な体験でした」と松村氏は話す。同事業の一環で、全従業員を対象にしたアンケート調査を実施した。そこで出た「キャリア形成や自己啓発などのスキルアップ」や「労働環境の改善」に対する要望が高いといった課題を踏まえて、具体的な取組に落とし込んでいった。
さらに、2018年8月には「働き方改革プロジェクトチーム」を結成した。チームは、取組が社内全体に行き渡るよう、各部署から集まった約12名で構成されている。毎回テーマを決めて、問題点の解決についての協議や、従業員への取組の働き掛けを行う。まだ、チームの活動は始まったばかりだが、広島県働き方改革・女性活躍発見サイト「Hint!ひろしま」に掲載の他社事例の中で、1人1社ずつ自社で実践するのに参考になりそうな事例を選ぶという課題を設定している。「自社ではどういったことができるか? 同じような規模だから、この取組は参考になるのではないか?と、皆で事例を集めて、具体的な実行に向けて検討をしていきたいと思います」と、プロジェクトチームの一員でもある松村氏は語る。


主な取組と工夫点 ~スキルアップと環境改善の両面から改善に取り組む

労働環境の改善で働きやすい職場環境づくり

長時間労働を見直し業務の効率化を図る視点で、週に一度、個別に実施日を設定する定時退社日と集中タイム(最大1時間)を設けた。定時退社日は以前も取り組んでいたが、実施日が固定されていると、業務の都合で実施が難しい日もあり、定着しなかったという。そこで個人単位で柔軟に実施日を設定できるよう制度を変更した。
さらに取組を促進するため、社内のグループウエアを活用し、スケジュールを見える化し、社内で共有している。また、有給休暇取得日数の通達による取得促進も積極的に行っている。
「取組を始めるに当たり、協力を促すための周知メールを社内に配信しました。グループウエアには『いいね』ボタンがあるのですが、制度周知のページに多くの従業員が『いいね』を押して取組に賛同してくれて、取組を始めて良かったと実感しました」と松村氏。その他にも生産の現場では、それまで個々の従業員が管理していた業務の進捗を、システムを導入して効率化を図るなどの取組を行っている。

従業員のスキルアップと若手の挑戦を会社がサポート

同社は10~30代の若手従業員が多く、全体の6割を占めている。こうした若い力を生かすため、若手従業員の挑戦を促し、ベテラン従業員から技能伝承を図るための育成手段として、技能検定を積極的に活用している。練習のための資材などを会社負担で購入するとともに、合格した場合の受検料の全額負担や資格手当を付与し、待遇面でも優遇する。受検者が決意表明をするキックオフ(決起集会)の開催や合格者の表彰などで、全社を挙げて技能検定受検を後押しする。「挑戦して失敗しても問題なし」と、社長も推奨し、従業員がチャレンジし続ける雰囲気づくりにつながっている。
「技能検定の受検は基本的に自薦です。年々多くの若手従業員が挑戦するようになっています。自分から積極的に何かをやりたいという意識が、検定だけでなく仕事全体で感じられるようになりました」と、取締役総務部部長の三上裕治氏は語る。
さらに、社外で開催される講習・セミナーへの参加についても、近年は増加傾向にある。会社負担で従業員を参加させるなど、従業員をバックアップするサポート体制を整備することで、従業員のスキルアップや、モチベーションアップにつなげている。

多彩な社内イベントでコミュニケーションの活性化を図る

「グループ単位での親睦会を促しています。堅苦しい雰囲気ではなくリラックスした中で、コミュニケーションの活性化や、グループ全体の士気が上がり、個人のモチベーションアップにもつながっています」と、三上氏は語る。
その他にも、従業員同士のコミュニケーションの場として、同社ではこれまで「ビアガーデンの日」や「お菓子のつかみどり大会」など、趣向を凝らしたイベントを開催してきた。この流れで年に一度、夏の暑い時期に、従業員へ「アイスクリーム」の支給を行っている。こうしたイベントをきっかけに、新たなコミュニケーションも生まれるなどの効果も出ており、今後も継続していく予定だという。


取組の中での苦労

「会社全体への取組の浸透には、まだ、ばらつきがあると思います。例えば、従業員アンケートを実施するには、パソコンに向かわなくてはなりません。当社では多くの従業員が現場で作業しているのですが、現場からは、作業を抜けてまでやる必要があるのかといった声もありました。今後は社内全体で協力してもらいやすい工夫を考えるのが課題です」と三上氏は語る。
そうした課題を踏まえて、今年8月には、社内での意識統一を図るために、取組に対する社長の思い・方針を伝える説明会を開催。顔の見える範囲で、丁寧にメッセージを伝えることが必要と考え、1回5名の単位で行った。「少人数だと、しっかり聞かなければならないという気持ちになり、真剣に聞きました。社長の思いをじかに聞くことで、期待に応えたいと思いました」と、開発部の小石さんは話す。


取組の成果

「若手従業員が、積極的に技能検定などにチャレンジすることで、社内全体に活気が出て明るくなったと感じます。自分らしく楽しく働ける環境を整えることで、自然と生産効率も上がるのではないでしょうか」と三上氏。

休暇(直近1年間)

・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率が68.9%、平均取得日数は10.7日

技能検定受検者の増加

・2015年4名、2017年18名、2018年38名


従業員からの評価

「他部署との連携が必要不可欠な案件について、積極的にコミュニケーションを取り、円滑に業務を進めるよう自身でチャレンジする習慣が付いた」「有給休暇を取得して授業参観に参加するなど、ワークライフバランスを意識するようになった」などの声が届いている。
「プロジェクトチームのメンバーは、積極的に意見を出し合っています。職場環境を良くしたいという強い思いを感じます」と松村氏。
「キャリア形成や自己啓発などに重点を置く改革が、従業員の主体性を生み出しているのだと感じます。これまで口数の少なかった若手従業員が、進んで声を掛けてくれるようになり、そうした何気ない日常会話から、若者が感じていることや、仕事に対する思いをくみ取ることができるようになりました」と、小石さんは語る。


今後の目標

「まずは小さなことから積み重ねて実績をつくる。実績ができれば、自信にもつながるのでさらに大きなことへチャレンジしたくなります。今後は女性の活躍にも、もっと焦点を合わせて取り組んでいきたいです。2019年春の新卒入社予定者は、10名のうち8名が女性です。2018年3月に建て替えた八本松工場は、更衣室やトイレなど女性を受け入れる環境を整えました。全社的にも女性従業員の声をもっと取り入れて環境整備に取り組んでいきたいです」と松村氏。
「私は労働組合の委員長も務めていますが、プロジェクトチームと組合が情報や意見を共有し、連携を図りながら、今後も働き方改革を進めていきたいです」と小石さんが締めくくった。

取材日 2018年10月