働き方改革優良事例

トップのスピーディーな決断による改革!
組織は上から変える必要がある

社会保険労務士法人ジャスティス

  • サービス産業
  • 西部
  • 1〜30
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
認定マーク
所在地 〒737-0935 広島県呉市焼山中央1丁目1番10号 TAKAMATSU BLD 2階
URL https://www.roumu-sp.jp/
業務内容 評価制度導入支援・労務相談・労働社会保険手続き等
従業員数 4名(男性3名、女性1名)

(2018年7月現在)

seika_header.png

  • 気軽な個別ヒアリングで、潜在的なニーズや困り事を抽出
  • トップが考え方を切り替え決断することで取組を加速
  • 有給休暇の計画的付与により、確実な取得促進
  • 毎月のランチタイムミーティングで改革の風土づくり
  • マニュアル整備で業務内容の可視化と見直し

seika_footer.png

取り組んだ背景とは? ~トップの体験が、柔軟な働き方を考えるきっかけに

社会保険労務士という職種柄、これまでも従業員の働き方に関しては職場で問題点を共有し、その都度改善に努めてきたという同法人。そんな中、あらためて働き方改革に取り組んだ理由には、代表である高正樹氏の次のような思いがあった。
「私自身もかつて、育児と仕事の間で奔走する妻の大変さを目の当たりにしてきました。そのため、育児はもちろん、介護にも寛容な職場にしたい、ワークライフバランスにも配慮して、従業員一人一人が毎日やりがいを感じながらイキイキと働ける職場にしたい、と考えていました」
これまでもフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を可能にする諸制度を取り入れてきたが、このたびの認定をきっかけに、「さらなるレベルアップを図りたい」と高氏も意欲を見せる。


取組導入のプロセス ~気軽な個別ヒアリングで従業員の本音に迫る

取組開始に当たり、高氏はまず、所内の現状を把握するために、雑談のような形式で個別ヒアリングを実施した。
「従業員4名の職場ですので、困ったことがあったら、互いにサポートし合う風土はありました。それでも子育て中の女性従業員は、時短勤務で周りの人に負担がかかることに内心では負い目を感じていたようです。それが個別ヒアリングで洗い出せたのは収穫でした」と語る高氏。
その後はランチ会という形で、仕事の進捗状況や互いの立場を情報共有できるミーティングを定期的に開催し、常に問題点をシェアできる体制を整えた上で、具体的な取組に取り掛かった。


主な取組と工夫点 ~有給休暇の計画的付与で、確実に成果を上げる

もともと従業員同士の距離が近く、自由に意見が言い合える環境であったため、職場の「働きやすさ」には自負があったという。しかしその“働きやすさ”ゆえ、さらなるレベルアップを図ろうとしても、差し迫った不満がないせいか、ボトムアップでは大きな変化は生じなかったという。
「スピーディーに取組を進めていくには、やはり経営者の決断と行動力が必要ですね。劇的な変化を促す“改革”はトップダウンによるものであり、ボトムアップから生じる緩やかな変化は“改善”だと私は考えています。新しいものを取り入れていくには、トップ自身が頭を切り替えなくてはいけないと思います。そのため早い段階から、トップ主導による“改革”を意識して取組に着手しました」
こうした高氏の考えのもと、次のような取組が行われているが、中でも「有給休暇の計画的付与(現行5日)」は、トップの決断によるところが大きく、確実な成果へとつながっている。

有給休暇の計画的付与や労働時間等の管理

業務に支障が出ないように、それぞれの有給休暇を組み込んだ年間カレンダーを作成して、計画的に休みを取得できるようにしている。繁忙期を避けることもでき、お互いにカバーしやすいといったメリットがある。
また、労務管理のシステムを導入し、残業申請はもちろん、労働時間や休暇取得の状況をPC上で一括管理できるようにしている。これにより、個々の勤務状況のデータを経営者自らがいつでも確認でき、従業員自身もバランスを取りながら働けるようになった。

毎月のランチタイムミーティングで改革の風土づくり

前述のランチ会は、毎月1回、1時間程度で開催している。コミュニケーション促進を兼ねた気軽なもので、それぞれの仕事の状況や問題を常に共有できるようにしている。ランチの場で行うことで、日常の気付きや職場の問題なども言いやすい雰囲気となっている。その他にも、素早いコミュニケーションを図るために、SNSのグループ機能を活用している。急な休みや遅刻等の情報も瞬時に共有することで、お互いの業務をカバーし合える体制になっている。

マニュアル整備で業務内容の可視化と見直し

マニュアルを整備し、業務内容の可視化と共有を推進。同時に、業務の見直しも行った。例えば社会保険の手続きは、積極的に電子申請を利用することで合理化が進む。同様に、書類は電子化しPC上で管理できるものを増やすなど、できるところから業務の合理化を進めることで、従業員の負担軽減に取り組んでいる。


取組の成果

「有給休暇の計画的付与を導入したことで、全従業員が目標とする有給休暇の取得日数をクリアできたのは大きな成果です」と語る高氏。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間 (1カ月平均)が89.4時間(※行政書士事務所の業務と二等分した時間)
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率 59.6%

多様な働き方(直近3年間)

・育児や介護を除く、フレックスタイム制度(コアタイムの設定なし)を2人が利用


従業員からの評価

「有給休暇が、共働きの妻に合わせて取りやすくなりました」と、業務第一課係長の長山さん。休みを利用して奥さんと旅行に出掛けたそうだが、「平日に旅行しましたので、混雑もなく、宿泊等も割安で利用できました」とストレスを感じず、思う存分リフレッシュできた様子だった。2019年は、さらに有給休暇の取得日数を増やすことを目標にしているので、今から「休みの計画を練るのが楽しみです」とのこと。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標など

現在は改革の途上であり、今後は、従業員の成長を促し、やりがいを感じて働ける「人を育てる人事制度」の構築を目指していく。働き方改革を支える生産性の向上には、従業員のモチベーションアップが欠かせない。従業員個々のやりがいを生み出すため、例えば働き方を見直して生産性向上に成果のあった従業員には、人事考課への反映や表彰を行うことなどを検討している。
それと同時進行で、さらなるゆとりを生み出す取組にも着手しており、具体的には「フレックスタイム制度の利用率アップ」なども目標に掲げている。「これまで、フレックスタイムは1カ月が精算期間とされていましたが、労基法改正により2019年4月からは精算期間を3カ月とすることも認められますので、当社のフレックスタイム制の精算期間も3カ月にし、より柔軟な使い方ができるようにするつもりです。また、2019年4月からは、最低年5日の有給休暇の取得も義務化されます。当事務所では法改正に先駆けて、5日の有給休暇の計画的付与を実施していますが、今後はその上を行く7日を目標とすることで、ゆとりある働き方のお手本となるような事例をつくっていきたいですね」と語る高氏。労務に携わる同法人ならではの頼もしいコメントで締めくくった。

取材日 2018年11月