働き方改革優良事例

有給休暇15日取得の目標設定、
退社時間のランク公表などで意識改革を徹底

株式会社もみじ銀行

  • 金融業・保険業
  • 西部
  • 301以上
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
認定マーク
所在地 〒730-8678 広島県広島市中区胡町1番24号
URL https://www.momijibank.co.jp/
業務内容 銀行業
従業員数 1705名(男性962名、女性743名)

(2018年7月現在)

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  • 5営業日以上の連続休暇を含め、15日の有給休暇取得を目標に設定
  • 退社時間の店舗別ランク公表や、全店一斉消灯の実施
  • 新システムの導入と、優先順位の低い業務の見直しで効率化
  • 勤務希望地を選択できるコース別転換制度を約100人が利用

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取り組んだ背景とは? ~長時間労働をなくし、ワークとライフの調和を図る

「銀行は朝早くから夜遅くまで働く」というイメージを払拭しようと、2年ほど前から本格的に働き方改革に取り組んできた同行。女性にも働きやすい職場をつくり、活力のある組織に生まれ変わろうと、頭取の方針として“生産性の向上で成果を上げ、従業員一人一人がワークとライフの調和を図り、社員の成長と豊かさの実感を両立する”と明示し、着実に改革を進めている。
「私が入社した頃は、大人数による人海戦術で仕事をしていて、月末は夜20時21時の残業が当たり前でした。今ではシステム化やIT技術による省力化により、少人数で業務ができる体制が整えられ、遅くても18時30分までには全員が帰れるようになりました。長時間労働や休暇取得の促進は長年の課題でしたので、考え方を抜本的に変えようと取り組んだのがきっかけです」と、経営管理部部長の來島康浩氏は語る。


主な取組と工夫点 ~連続休暇の推進、退社時間の工夫、業務の効率化に注力

5営業日以上の連続休暇を含め、15日の有給休暇取得を目標に設定

従来は「5営業日以上の連続休暇」が目標とされていたが、2018年度からは、年間10日の連続休暇にリフレッシュ休暇を合わせて、15日以上の有給休暇の取得を目標に取組を加速させている。
「10日の連続休暇は、従来どおり5日間は連続して取り、あとの5日間は3日と2日など分けて取ることも可能です」と來島氏。有給休暇の取得予定は、年度初めの4月に一覧表を作って、業務に支障が起きないよう調整する。小規模の営業店の場合は、近くの営業店から応援を送るなど、全従業員が連続休暇を取得できるように工夫している。

退社時間の店舗別ランク公表や、全店一斉消灯の実施

店舗ごとの平均退社時間をランキングにまとめて、毎月公表している。「競わせることが目的ではなく、同規模の店舗の状況を知ることで、自分の店舗の現状を認識できます。同規模の店舗が早く帰っていた場合、どのように工夫しているのかなどの情報を交換して、自店舗に取り入れることもできます」と、來島氏はその目的を語る。
また、定時の17時30分に消灯する一斉消灯日も、2018年度からは月3回に回数を増やし実施している。毎月第一営業日にパソコンを立ち上げると、今月の定時消灯日が掲示され、その後に正式の文書でも通知される。「朝から声掛けをして、目標を立てて仕事を行うため、みんなで一斉に帰れます」と、経営管理部副調査役の田島さんは続ける。

新システムの導入と、優先順位の低い業務の見直しで効率化

業務の効率化を目指して、2018年度に新しい業務システムを導入した。従来は窓口で伝票を記入していたが、タッチパネルの導入により伝票をなくした。「伝票を使うと、とじて、保管して、廃棄するという後処理が付きまといますが、電子化により現場の従業員の負担が軽減されました」と來島氏。渉外担当も3年前からタブレット端末を利用し、生産性を高めている。
「定時で退社するために、仕事の優先順位を考えます。優先度が低い業務は見直しを行い、業務の効率化を進めています。例えば集金だけの訪問は、お客さまの理解を得て回数を減らして週2回にしてもらうとか、渉外担当の営業実績を日誌に落とすことをやめるなど、長年の慣習にとらわれず無駄な業務の見直しを行っています」と、経営管理部 広報 主任調査役の前川さんは話す。

勤務希望地を選択できるコース別転換制度を約100人が利用

親の介護や子どもの通学などのため、一定の区域で勤務したいという従業員は「地域限定コース」、勤務地の制約を設けず幅広く働きたい従業員は「全国異動コース」が選べ、本人の事情や希望に応じてコースが変更できる。年に1回、申請受付時期があり、上司と相談した上で申請を出せる。2017〜2018年度の2年間で、コース別転換制度を約100人が利用している。

産休・育休の確実な取得と新卒の研修の充実

「出産を理由に辞める従業員はいないですし、育休を取るのは当たり前という意識が浸透し、100%使われています。ただ現在は、法律で決められた3歳になるまでの制度ですので、さらに充実させるのが今後の課題です」と、田島さんは話す。「新卒の職場定着と人材育成を目的に、3年かけて計画的に研修を行っています。業務のスキルアップももちろん図りますが、店舗に配属されると同期でも会う機会が少なくなるため、研修で交流を深めて、情報交換を行ってもらっています」


取組の成果

有給休暇の取得促進と早期退社の推進に取り組むことで、生産性の向上と業務の効率化、仕事の進め方について、各従業員が問題意識を持つ風土が醸成されつつある。また取組は、従業員がワーク・ライフ・バランスを見つめ直すきっかけとなり、やることをやって早く帰るという意識の高まりが、余暇の充実にもつながっている。これらの結果、業務の連携や職場の雰囲気も良くなっているという。

労働時間・休暇(直近1年間)

・平均退社時間が2016年下期は18時37分、2017年下期は18時24分
・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が159.9時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率 47.3%、平均取得日8.5日

若年者(直近3年間)

・正社員として就職した新卒者等のうち、同期間に離職した者の割合4.4%


従業員からの評価

「先輩方も当たり前に利用しており、2回の育休は気兼ねなく取得できました。連続休暇はお盆休みに実家へ帰ったり、家族旅行でディズニーランドへ行ったりと、毎年どのように使うか楽しみです。また、できる限り早く退社するために、業務について深く考え、工夫しながら仕事をするようになりました」と、本店営業部係長の高下さん。


今後の課題や目標など

「働き方改革について言えば、まだまだ退社時間も改善の余地がありますし、育児・介護との両立支援の充実も課題です。みんなが定年まで元気に働き続けられるような職場環境を整えたいですね。ITの進展とともに、例えば在宅で勤務ができる制度など、多様な働き方のバリエーションが出てくると思います。今後、それらを研究して制度に取り入れ、みんなが気持ちよく働けて、なおかつ成果がきちんと出る会社を目指していきたいと考えています」と、來島氏は抱負を語った。

取材日 2018年10月