働き方改革優良事例

部署横断のチーム活動により
従業員自らが変革する文化を醸成

広島ガス高田販売株式会社

  • 卸売業・小売業
  • 安芸高田市
  • 31〜100
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 多様な人材の活躍
認定マーク
所在地 〒737-0521 広島県安芸高田市吉田町常友669
URL http://www.hirogas-t.co.jp/
業務内容 LPガスの製造・販売、住宅の新築増改築他
従業員数 52名(男性34名、女性18名)

(2018年6月現在)

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  • 手帳型経営計画書の配布で、社長の思いを共有
  • 複数の部署横断のチームが、ボトムアップの改善活動
  • 連続5~11日の「リフレッシュ休暇」を義務化
  • 「リフレッシュデー」や17時以降「私語・雑談禁止」で残業を抑制
  • 定年退職後もモチベーション高く働き続けられる環境を整備

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取り組んだ背景とは? ~働きやすい環境を整備して、人材確保に強い会社を目指す

安芸高田市に本社を置き、同市内を中心に、LPガスの販売・住宅リフォーム・家電の販売事業などを展開している同社。
「かつては残業が当たり前の雰囲気で、残業を抑制することが従業員に理解されていませんでした。これはまずいと考え始めたのが12〜3年ほど前です。労働基準監督署の指導を受けたことも取組を後押ししましたが、何より将来、地方都市はさらに採用が難しくなる。働きやすい環境をどこよりも早く整備しておかなければ、採用ができなくなるという思いも重なって、働き方改革を進めてきました」と代表取締役の住吉峰男氏。


取組導入のプロセス ~社長の思いを共有し、ボトムアップのチーム活動で意識改革

手帳型経営計画書の配布で、社長の思いを共有し働き方改革を推進

会社の経営理念や社長の思いを共有するため、一期ごとに「経営計画書」を作成し、今期の経営方針や長期の財務分析のほか、働き方改革の取組目標や、従業員の業務環境に係る具体的な制度や取組などを明示している。この経営計画書は手帳サイズで、全従業員に配布し、常に携帯できるようにしている。日々の業務の中で直面する問題解決のツールとなり、従業員に一定の安心感を持たせ、自律性の醸成にもつながっている。

部署横断のチームを複数つくり、ボトムアップの改善活動

ボトムアップの取組を促進し、社内を活力ある組織にするために、部署横断のチームを複数つくって活動している。「社内活性化チーム」は従業員のモチベーションを高めるための改善、「ES向上チーム」は従業員満足につながる改善、「CS向上チーム」は顧客満足のための改善、「サービス品質向上チーム」は現在のサービスの改善や新サービスの開発検討などを行い、全従業員がどこかのチームに所属して活動している。「最初は私から聞きに行かないと、活動状況が全く分からなかったのですが、今は各チームがよく報告に来てくれます。自分たちで考えて提案する文化が育っているのを感じます」と、住吉氏は喜ぶ。


主な取組と工夫点 ~連続休暇を義務化し、予定を共有しフォロー体制を事前に準備

連続5~11日の「リフレッシュ休暇」を義務化

10年前にリフレッシュ休暇を導入しているが、2018年にこの制度を拡大。入社3年未満の従業員は5日間、最長で11日間など、就業年数に応じた日数の連続休暇の取得を義務付けた。全従業員が、前年度の期末までに次年度のリフレッシュ休暇のスケジュールを申請する。前述の手帳型経営計画書の会社カレンダーには、全従業員のリフレッシュ休暇の予定が印刷されており、休暇中のフォロー体制を事前に確認し準備できる。

「リフレッシュデー」や17時以降「私語・雑談禁止」で残業を抑制

「かつては17時以降に、まるで休憩の延長のような感じで残業を行う風景が見られました」と、住吉氏は振り返る。「最初は“ノー残業デー”から取り組みましたが、定時の17時に全員が帰ると業務に差し障りが出るので、現在は18時までには帰る“リフレッシュデー”に変更しました」と住吉氏。月に2回のリフレッシュデーは、従業員を半分に分けて実施し、顧客サービスに支障が出ないように工夫している。さらに17時以降は「私語・雑談禁止」とすることで、仕事に集中して早く帰る意識づくりも行っている。これらは前述の「ESチーム」から提案されたもので、改良を重ねて今のスタイルになったという。

ITの活用で、業務効率化

2012年には、タブレットを営業全員に持たせ、会社と情報のやり取りがスムーズに行えるようにした。タブレットで仕事の進捗状況がリアルタイムで分かるため、それを見ながら、上司が効率のいいやり方を指示することもでき、作業時間が短縮できた。さらにタブレットからお客さま控えが印刷でき、社内伝票もなくなり事務処理が効率化した。
2013年には、チャットワークを導入して残業申請を行うようにし、19時以降の残業は上司に、20時以降は社長に申請するルールも定めた。「社長に申請を出すのは気が引けますので、遅くても20時までに帰ろうと、効率的に仕事をするようになりました」と営業サポートの山田さん。

定年退職後もモチベーション高く働き続けられる環境を整備

定年退職後も本人の希望に応じて、再雇用で嘱託として働くことができる。さらに、嘱託の給与を職種や能力により4種に分け、両者が納得し決定することで、モチベーションを高く保っている。現在、最高齢は76歳だが、6人の高齢者の嘱託は、全員が現役に負けず生き生きと活躍している。


取組の成果

「以前は変化を嫌い、良いことも悪いことも今まで通りがいいと思う従業員も少なくなかったのですが、チーム活動を取り入れ、自分たちで考える土壌をつくってきたことで、従業員自らが変わってきたと実感しています」と住吉氏。
チーム活動により、無駄に対する従業員の意識が高まり、残業時間の削減や仕事の効率を上げるための対策を自ら考えるようになった。業務とコミュニケーションとのメリハリも生まれ、効率的に仕事をする一方で、業務外で従業員間交流の場が定期的に設けられるようになった。有給休暇においては、リフレッシュ休暇制度が浸透したことで、全従業員が定められた日数の休暇を必ず取るようになり、休暇期間に心身共にリフレッシュし、仕事に励めるようになった。

休暇(直近1年間)

・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率 55.0%、平均取得日数15.7日


従業員からの評価

「私は、定年後も再雇用で働いています。介護が必要な両親を抱えていますので、出勤が遅れた日は、その分、夕方遅くまで働くというフレックスを使わせてもらっています。働くことにより気分を切り替えられ、ストレス発散になっているのかもしれません」と、総務部の増田さん。
「11月から産休・育休に入ります。復職後はフルタイムで働きたいと思っていますが、困ることがあれば、社長に相談させてもらおうと思っています。妊娠中は検診も自由に行かせてもらえ、座った状態でできる仕事にしてもらえるなど心遣いがうれしかったです」と、事務部門の山田さんも喜んでいる。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標など

「定年退職した人も、働きたいと思えば、いつまでも働き続けられる会社にしたいですね。今後、シルバー人材の活躍なしには会社は成り立っていかないと思います。また残業はできるだけ減らしながら、業績を上げることが、今後の大きな課題です。チーム活動を中心に、働き方改革の取組が止まらないように、今後も着実に進めていきたいです」と、住吉氏は締めくくった。

取材日 2018年11月