働き方改革優良事例

健康経営を柱に、
働きやすい環境や雰囲気づくりに取り組む

ダックケーブル株式会社

  • 建設業
  • 西部
  • 1〜30
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 多様な人材の活躍
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒730-0045 広島県広島市中区鶴見町4番25号増栄ビル3F
URL http://daccable.com/index2.html
業務内容 情報・通信・放送関係の設計・施工・保守等
従業員数 10名(男性7名、女性3名)

(2018年7月現在)

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  • 従業員の健康管理の観点から「健康経営」を積極的に推進
  • 「ノー残業デー」の導入で、時間に対する意識付け
  • アンケートや月1回の食事会で、意見を出しやすい雰囲気づくり
  • 子どもの看護のため、時間単位で取得できる有休制度を導入
  • 70歳までの再雇用制度を取り入れ、培ってきた技能を伝承

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取り組んだ背景とは? ~長時間労働から脱却し、健康に配慮した職場に

同社は、創業以来、地域のケーブルテレビをはじめとする放送・電気通信インフラ網の整備に携わっている。さらに近年は、大学や研究機関との共同研究や、産学官連携による調査研究事業などにも力を入れ、糖尿病予防をはじめとするヘルスケア事業等へも事業領域の拡大を図っている。
インフラ整備に関わるという業務の性質もあり、7〜8年前までは、深夜に及ぶ勤務や長時間労働が常態化していた。そのため一時期に従業員の退職が続き、体調不良による休職者が出たことから、6年ほど前に、当時社長であった代表取締役CPOの竹則辰秋氏が中心となって職場環境の改善に着手した。
「企業が従業員の健康に配慮することが、何よりも大切だということに気付き、『健康経営』に力を入れはじめました。これがわが社の働き方改革に結び付くと思い、できることから少しずつ取組を進めていきました」と、竹則氏は語る。
さらに2018年には、社長の所信表明において「ノー残業デーを実施し、福利厚生面の充実等を図るとともに、既存の業務の効率化と併せて就労時間を短縮し、従業員が働きやすい環境を整える」と具体的な方向性を明示し、取組を進めている。


主な取組と工夫点 ~健康経営を柱に、ノー残業デーや昼食会などを実施

従業員の健康管理の観点から「健康経営」を推進

取組を進めるに当たり、健康経営を推進する旨を就業規則に明示し、全従業員に周知した。自社開発のヘルスケアのスマホアプリを活用し、従業員の健康に対する意識向上にも取り組んだ。厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票」に基づくストレスチェックを実施し、前述のアプリにも、ストレスチェック機能を開発・追加し、利用している。
その他にも、健康に関するセミナーの実施、職場への空気清浄機の導入、従業員へのマスクの配布など、健康を第一に考えた職場づくりに向けて、できるところから取り組んでいる。生活習慣病予防検診を受診する際には、5大がん(肺がん・胃がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がん)の受診を推奨し、費用は会社が負担している。これらの取組は、単なる健康管理だけではなく、従業員の満足度向上にもつながっているという。さらに2017年と2018年の2年連続で、経済産業省および日本健康会議が実施する健康経営優良法人制度において「健康経営優良法人(中小企業部門)」に認定されている。

「ノー残業デー」の導入で、時間に対する意識付け

2017年10月に月1回の「ノー残業デー」を導入した。ノー残業デー導入後には、全従業員に対してのアンケートを実施し、そこでの意見を踏まえて2018年には月2回に増やした。実施日には所属長が中心となり、地道な声掛けを行っている。「どうしても仕事の都合で、ノー残業デーに早く帰ることが難しい従業員は、別の日に振り替えてもらうなど、徹底して行っています」と竹則氏。
ノー残業デーが一つの契機となり、効率よく業務を進めるために、無駄な業務の削減や仕事の優先順位付けなどが意識されるようになった。従業員からも「早く帰ってリフレッシュでき、プライベートの計画を立てやすくなった」との声が聞こえているという。

アンケートや月1回の食事会で、意見を出しやすい雰囲気づくり

従業員からの意見を吸い上げるため、今後のキャリアに関するアンケートを実施している。従業員の人生目標や希望を聞き、会社の意向とすり合わせながら、キャリアプランを立てている。長期的な目標を持つことで、一人一人の方向性が定まり、仕事に対するモチベーションも高まる。
また従業員同士のコミュニケーションを増やすため、月1回の昼食会を開催している。「健康」を切り口に、毎回「減塩食」や「高たんぱくの食事」などテーマを決めて行うことで、話題が増え、健康への意識も一段と強くなるという。「開催場所も従業員が決めます。河川敷で食べたり、会社に弁当を取ったりと、毎回どんな食事会になるのかとても楽しみです」と、企画設計部副部長の西尾さん。毎回半数以上の従業員が参加し、仕事以外の話でも盛り上がるなど、会社の風通しに一役買っている。

子どもの看護のため時間単位で取得できる有休制度を導入

子育て中の従業員が、子どもの病気等の際に、有給休暇を時間単位で取得できる制度を2018年に導入した。「子どもの急な体調不良の場合でも柔軟に対応できるなど、より働きやすく遠慮の要らない環境を整えるため、明文化して全従業員に周知を図りました」と竹則氏は語る。

70歳までの再雇用制度を取り入れ、培ってきた技能を伝承

同社では70歳までの再雇用制度を導入している。本人の都合や希望に合わせて、働く日数や時間などは柔軟に対応している。高齢者の継続雇用は人材確保のために不可欠なだけでなく、長年培ってきた知識や技能・経験を若年従業員に伝承することで、会社全体のスキルアップにつながっている。


取組の成果

「ノー残業デー以外の日でも、定時退社を心掛けながら、計画性を持って効率よく働くようになり、労働時間が前年比で約10%削減できました。健康経営を目指して取組を進めてきて、職場環境が改善されてきたと実感します」と、竹則氏は語る。

高齢者の活躍(直近3年間)

・65歳を超える従業員の再雇用制度を2人が利用


従業員からの評価

「介護のために早く帰らせてもらった日や、病気で退院した後、短時間しか働けなかった時期もありました。ずっと働き続けてこられたのも、働き方に配慮してもらえたからだと、とても感謝しています。また昼食会を行うようになってから職場の雰囲気が明るくなり、仕事で困った時など、相談しやすくなりました」と、西尾さんは話す。


今後の課題や目標など

今後の課題として、3歳以上の子どもを養育する従業員の短時間勤務やフレックスタイムの導入、有給休暇の取得を促進するための新たな施策の検討などがある。
「従業員の働きやすい環境づくりを進めていかなければ、人材確保が難しい時代です。少しずつ成果が見えはじめていますので、健康経営を切り口に今後も取組を進めて、快適な職場環境を整えていきます」と、竹則氏は抱負を語った。

取材日 2018年10月