働き方改革優良事例

営業と現場の協働により、
改善を重ね働きやすさを追求

株式会社チヨダパック

  • 製造業
  • 北広島町
  • 31〜100
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
認定マーク
所在地 〒731-1524 広島県山県郡北広島町木次307
URL http://www.c-pack.jp/
業務内容 クリアケース・アクリル製品の製造販売
従業員数 32名(男性14名、女性18名)

(2018年6月現在)

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  • いつでも誰でも記入できる報告書で、現場を把握し改善を促進
  • ノー残業デーの取組で“考えて仕事をする”を習慣化
  • 誕生日休暇の設定などで、有給休暇の取得を促進
  • 育休取得中の従業員には、社内報で会社の情報を共有
  • 営業職の新入社員は工場研修で、現場を知り仲間意識を高める

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取り組んだ背景とは? ~入りたいと言われる会社を目指して

同社では、食品をはじめ化粧品・スポーツ用品・雑貨・電気製品など、多彩な商品の梱包に用いられる透明ケースやプラスチックケースの受注製造・販売を行っている。
「15年ほど前の話ですが、『チヨダパックには入るもんじゃない。残業があり、ひどい働き方をさせられる』と、この地域でうわさされているのを聞いて、ショックを受けました。これではいけない。将来は『どうやったらチヨダパックに入れるのですか?』と言ってもらえるような会社にしなければいけないと思ったのが、社内環境を考え始めたきっかけです」と代表取締役の本田正博氏。
当時は残業が多く、従業員の入れ替わりが激しく、人材が育たずますます残業が増えるという悪循環に陥っていた。「その頃は従業員が少なく、現場で作業をしながら事務もしていたため、一人一人の仕事量が多かったのです。そこで従業員を増やしながら仕事の分担を見直し、少しずつ残業を減らしてきました」と本田氏。


主な取組と工夫点 ~営業と現場が協力して業務を効率化し、残業を削減

いつでも誰でも記入できる報告書で、現場を把握し改善を促進

従業員の提案や報告、相談を受け付けるために、社内パソコンの中に「改善関連報告書」の書式を用意し、いつでも誰でも記入して提案できるようにしている。在庫管理を容易にするため、会社へ棚の購入を依頼したり納品の際に、専用の通い箱を準備し安全に製品をお届けできるような体制づくりを依頼するなど、会社全体で、改善に結び付けようというものだ。改善関連報告書は部門長から品質管理部に提出され、さらに常務・社長に上げられることで、経営層が現場の状況を把握することにもつながっている。「具体的な改善案はたくさん上がってきていて、業務の効率化に貢献しています」と総務・経理部部長代理兼品質管理部部長代理の榎畑氏。

ノー残業デーへの取組で“考えて仕事をする”を習慣化

“顧客に迷惑を掛けない”という前提のもと、営業も急な仕事を受注していた結果、現場は残業続きになっていた。「意識を変えないと残業はずっと続く」という思いから、一般事業主行動計画を策定した4年前、毎週末をノー残業デーに設定した。営業は事前に顧客に対して「週末はノー残業デーです」とアナウンスすることで、即日納品の注文が週末の朝に入ったとしても「月曜納品でもいいですか?」と顧客と調整するようになった。現場もノー残業デーに備えて、前日から作業量を調整しておけば、即日納品の仕事が入っても少量ならこなせるという。全社一斉にノー残業デーに取り組み、営業も現場もお互いを配慮しながら、しかも“考えて仕事をする”ことにより、残業は少しずつ減っていった。

誕生日休暇の設定などで、有給休暇の取得を促進

有給休暇の取得を促進するために、誕生日休暇を設けている。誕生月に付与されるこの休暇は、ほぼ全員の従業員が取得しており、家族や友人などと楽しい時間を過ごしているという。「有給休暇は取る人と取らない人の差が大きいので、今後は計画的付与や、会社全体の休みをつくるなど検討中です」と榎畑氏。「有給休暇をさらに取得しやすいように、全従業員に向けて声掛けを行うのが社長である私の務めです」と、本田氏は語る。

育休取得中の従業員には、社内報で会社の情報を共有

8年前から発行している社内報『ゆめだより』を育休中の従業員にも送付し、会社の情報を共有。安心して職場に復帰できるようにサポートしている。「当社ではイベントが多いので記事の材料には困りません。当社は東京にも事務所がありますが、場所が離れていても、同じ会社で働いているという意識を高めたり、経営層の思いも届けたりしたいのです。従業員の人柄や趣味が伝わるような投稿記事も載せています」と、社内報を発行している総務・経理部主任の坂本さん。社内報は、従業員同士を結び付けるツールになっているという。

営業職の新入社員は工場研修で、現場を知り仲間意識を高める

会社全体の業務を理解してもらうことを目的に、営業職の新入社員は、1工場で1カ月、全3工場で3カ月の研修を受けるジョブローテーション制度を導入している。「工場での作業を体験することにより、ものづくりの基本知識を身に付けるとともに、現場の厳しさを分かってもらい、現場の人とも仲良くなってほしいのです」と本田氏。現場を経験した営業は、顧客に「これは難易度が高いから納期がかかる」などの説明ができ、一緒に働いた現場の従業員は「何とかしてやろう」という雰囲気になるという。こうした現場と営業の連帯感がモチベーションを高め、働きやすい環境を醸成している。


取組の成果

「社会が必要とする企業」という経営理念を社長が発信し、取組を重ねてきたことにより、若手従業員の定着が進み、残業時間も減少した。社長自ら地域の夏祭りに従業員と参加するなど、率先した行動により社内の雰囲気が変わり、コミュニケーションも深まっている。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が168.0時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得率37.9%、平均取得日数7.6日

若年者(直近3年間)

・正社員として就職した新卒者等のうち、同期間に離職した者の割合0%


従業員からの評価

「1日ではなく、1週間で仕事を考えるようになり、部署においても、知識・技術の共有で助け合う環境ができていると感じる」「毎週末のノー残業デーで、休日の計画が立てやすくなり、家族で過ごす時間が増えた」「地域のお祭りやボランティアに参加したり、スポーツに挑戦したりと、社内外でのイベントが多く、従業員の絆が深まった。それにより、仕事の連携もスムーズになった」などの声が聞かれる。


今後の課題や目標など

「属人化している仕事がありますので、誰でもできるようにマニュアルを作成し、全ての業務においてカバーし合える環境づくりが必要だと考えています。そうすれば個人の負担が少なくなり、休みも取りやすく、働きやすくなります。さらに今、発達障害の子どもたちのデイサービスを始めようと計画中です。子どもたちのケアをするとともに、大人になったときに働いてもらうこともできます。この地域にはこのような施設がないので、社会的使命として取り組んでいきたいです」と、本田氏は意気込みを語った。

取材日 2018年11月