働き方改革優良事例

コミュニケーションを深め、
縦と横の風通しを改善し、取組を推進

株式会社三原美装社

  • サービス産業
  • 三原市
  • 31〜100
  • 推進体制(総務人事)
  • 休暇取得の促進
  • 多様な人材の活躍
認定マーク
所在地 〒723-0041 広島県三原市和田一丁目11-19
URL http://www.m-bisousya.com/
業務内容 総合ビルメンテナンス
従業員数 61名(男性12、女性49名)

(2018年10月現在)

seika_header.png

  • 現場を定期的に回って声掛けし信頼関係を築く
  • フォロー体制を確立し、休みやすい環境を整備
  • 本人の希望を最優先した、年齢無制限の再雇用制度
  • 年に2回の講習会で技術と人間力を高める

seika_footer.png

取り組んだ背景とは? ~従業員の立場に立った環境づくりを目指す

備後エリアで、総合ビルメンテナンス事業を手掛けている同社。働き方改革の取組のきっかけについて、「上司として、急に『出勤してください』『残ってください』など無理を言うことがありましたが、世の中が働き方改革という中で、従業員の立場に立って働きやすい環境を整えなければいけないと、3〜4年前から感じていました。私自身も仕事優先で、プライベートを充実させてこなかったという反省も込めて、仕事と家庭の両立を図るための取組を本格的に始めました」と業務課長の三輪博之氏。
「女性が多い職場でもあり、仕事と家庭の両立が基本だと考えています。家庭のことをできるだけ優先し、親の介護や子どもの病気などの場合、遠慮なく休みが取れるように配慮しています」と、業務管理課長の阿草宗典氏は語る。


取組導入のプロセス ~コミュニケーションを深めることからスタート

「まずは従業員を知ることからと考えて、現場で働く従業員と、それまで以上にコミュニケーションを取る努力を続けました。小学生の子どもがいる従業員なら、入学式や卒業式、運動会などは休みが欲しいと思いますので、その時期には代わりの人を準備しておくなど、現場の従業員の家族構成や年齢を考えながら、フォロー体制を整えていきました」と三輪氏。さらに、有給休暇をなかなか使わない従業員が多くいる中で、上司である三輪氏が率先して休みを取得することにより、意識改革を進めていった。


主な取組と工夫点 ~再雇用制度やフォロー体制確立など環境整備に注力

現場を定期的に回って声掛けし信頼関係を築く

従業員とのコミュニケーションを深めるための具体策として、社長や管理職が定期的に現場を巡回している。従業員一人一人に声掛けを行いながら、健康状態や悩みなどの相談を受けている。「昼の休憩に行って、たまには一緒にご飯を食べながら、人間関係を築くように心掛けています。その時には何も出てこなくても、信頼関係があれば、後で個人的に相談の電話がかかってきます」と阿草氏。こうして上がってきた意見を上司に報告したり、月2回の会議で話し合ったりすることで、解決策の検討を進めている。

フォロー体制を確立し、休みやすい環境を整備

有給休暇を取りやすくするために、現場のフォロー体制を整えていった。例えば、Aさんが休んだ場合はBさんがシフトに入るなど、誰が代わりとなるかをあらかじめ明確に決めている。一人で作業を行う現場の場合は、通常の担当者と一緒に1週間ほど作業を経験してもらう。一連の流れや作業内容を事前に学んでおくと、突発的な休みでもスムーズにカバーすることができる。複数人で作業する現場では、誰かが休んだ場合の作業手順や方法を想定し決めておく。このように、フォロー体制を整えておくことで、気兼ねなく休める雰囲気が醸成されてきた。

本人の希望を最優先した、年齢無制限の再雇用制度

定年は60歳だが、再雇用は希望者全員を対象とし、身体と家庭環境が許す限り年齢に制限は設けていない。フルタイム、短時間などの雇用形態や労働時間なども従業員の希望を最優先する。「元気にがんばる気持ちさえあれば、年齢は関係ありません。定年退職後という感じもなく、同じ目線で働いてもらっています」と三輪氏。「年齢を重ねると体力は多少落ちるかもしれませんが、その分スキルで補えます。逆に定年で辞めるのはもったいない。会社にとっても、新しい人を雇って最初から教えることを考えると、働き続けてもらえる方がありがたいです」と、阿草氏も話す。現在最高年齢は76歳、つい最近まで80歳以上の従業員も在籍していたという。

年に2回の講習会で技術と人間力を高める

全従業員を対象に、年2回の研修を実施。業務に必要な技術・スキルの向上とともに、個人の健康に関する研修、アンガーマネジメント研修、AEDの使い方講習など内容は多岐にわたり、警察署や消防署の職員、テレビ局のアナウンサーなど外部講師を招いて行うこともある。「現場ではそれぞれが会社の代表ですので、技術力はもちろん、身なりなども含めた個人としての総合的な力を上げてもらうことを大切にしています」と、三輪氏は話す。


取組の中での苦労点

「年齢を重ねた従業員の中には、毎日働くことが習慣になっていて、積極的に有給休暇を取る意識が低い人も少なくありません。有給休暇の取得を増やすには、そういった従業員にも休みを取ってもらえるようにさらなる改善が必要です。例えば『お盆休みに何日』というふうに、計画的に取ってもらうことなどを検討中です。さらに講習会の時に、資格取得に対する補助制度について話し、希望者を募っているのですが、なかなか手を上げる人がいないのが現状です。より積極的になってもらうための対策も検討しています」と、三輪氏は話す。


取組の成果

「これまで仕事と家庭の両立を推進してきた結果、今では基本的に残業はありません。それが社風です。早く帰って、家で趣味を楽しんだり、農業をしたり、子育てをしたり、人生を楽しむという思いが、従業員全体に浸透しています」と、三輪氏は語る。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が112.5時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得日数が5.1日

高齢者

・65歳を超える従業員の年齢制限のない再雇用制度を現在15名が利用


従業員からの評価

「有給休暇は全て使っています。体調を崩すと回復までに時間がかかることもありますので、そのようなときは有給休暇を使って早めに体調を整えるよう心掛けています。私の現場は5人体制ですが、一人・二人が休んでも回せる体制を整えていますので、急な休みが出ても大丈夫です」と病院清掃勤務・主任の青山さん。
「旅行や自分の用事で、しっかり有給休暇を使っています。かつて勤めていた会社は残業が当たり前でしたが、今は残業がほとんどなく、定時になったら片付けて帰ります」と、総務の大野さんは話す。


今後の目標など

「コミュニケーションを密にして、風通しを良くしておくことが重要です。従業員同士が横で協力するだけではなく、縦の風通しを良くして改善の意見が言えるようにすることです。まだまだ問題点が十分見えてきていない部分もあるので、1年後2年後に問題点が見つかり、次の解決策を考えなければいけないかもしれません。まずは、今働いている従業員に長く勤めてもらえるように努力するのが一番の目標です」と三輪氏。
「さらに働きやすい環境を整えていくために、研修や講習の内容も工夫して、皆さんに浸透させていかなければいけないと考えています」と、阿草氏は今後の抱負を述べた。

取材日 2019年2月