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輝く女性事例

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「“やってみなはれ“を実践しながら、私なりのキャリア、人生を楽しんで」

サントリー酒類株式会社 中国・四国支社

  • 卸売業・小売業
  • 広島市
  • 301以上
社名 サントリー酒類株式会社 中国・四国支社
所在地 広島県広島市南区的場町1-2-19 アーバス広島
URL https://www.suntory.co.jp/
所属・役職 営業推進担当部長
ご本人氏名 夏秋 裕子さん

(2019年10月現在)

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2002年~
大学卒業後、サントリー株式会社へ就職。大阪のスーパーの営業担当として、顧客訪問やワインの棚割りなどを実施。

2008年~
近畿圏支社営業推進課に異動し、市場分析・消費者調査・催事企画などを立案し、実行推進を行う。2011年に1年間、産休育休を取得。

2012年~
同課に復職し、主要チェーンの担当と全体の予算策定・活動マネジメントを実施。グロービス経営大学院でMBAを取得。

2019年~
管理職へ昇格すると同時に、中国・四国支社(広島)へ異動。市場分析・活動計画立案・チェーン取組推進を行う組織のマネジメントを実施。

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全従業員が「やってみなはれ」を発揮できる組織を目指して

サントリーグループでは、創業者の志である「やってみなはれ」を実践できる組織であることを目指している。そして多様な価値観や発想を取り入れ、生かすことにより、より大きな価値を創出する「ダイバーシティ経営」を人事の基本方針としている。女性活躍の領域では、“女性が働きやすく、かつ成果をあげている会社”を理想とし、「女性管理職比率を2020年までに15%、2025年までに20%にする」という数値目標を掲げ、取組を行ってきた。2018年末の時点で、正規従業員の女性比率は24%(※1)、女性管理職比率は12.4%(※2)となり、目標に近づきつつある。

図1 サントリーホールディングスの女性従業員に関するデータ 

【修正完了版】サントリーHDの女性従業員に関するデータ.jpg

※1 「サントリーグループ サステナビリティサイト2019」サントリーグループの雇用・就業状況 正社員数(2018年12月31日時点) より算出(P.190)
※2 サントリーグループ ヒアリングデータ(各年12月31日時点)マネージャー職(役員数除く)

就職活動中の出会いで「女性が一生働ける」と確信して入社し、営業担当として奮闘

サントリーグループの中で、スピリッツ・ビール類・ワインなど、酒類の国内販売を行うサントリー酒類株式会社。今年の春に関西から広島に引っ越し、中国・四国支社で管理職として働く夏秋 裕子さんに、今の仕事を選んだ理由を聞くと、「学生時代の就職活動中に色々な企業を訪問しましたが、『女性が一生働ける会社』と感じて、サントリーへの就職を決めました。というのは、面接担当者が女性で、最終面接までフォローしていただいた20代のリクルーターも女性と、自分がこの会社に入ったら、こうなりたいと思える先輩方に出会えたからです。キャリアに関する相談にも親身に乗ってくれ、人を大切にしていることが伝わってきました。実は、アルコールはとても弱いのですが…」と、意外なエピソードを添えて笑う。

最初の配属先では、関西の大手スーパーマーケットのワイン営業担当となった。「商いのあり方として『三方よし』といいますが、まさにその重要性を実感しました。卸売やスーパーと手を取り合って、一緒に売上をあげていく。『買ってください』と、こちらが商品を押し付けてしまうと、スーパーの棚に在庫が溢れてしまいます。そのため、最終消費者であるお客様に手に取っていただくための『棚割(商品陳列方法)』に腐心しました。ワインって、何を買ったらよいかわからないですよね。そこで、食卓のメニュー、例えば“肉じゃが“に合うワインがわかるような表示をつけたりしました」。そう話す夏秋さんだが、実はそれまでワインを飲んだことはなく、知識もゼロ。「ワインアドバイザー(現呼称は、ソムリエ)」の資格を取ったり、カテゴリーマネジメント(小売店の品揃えや配置など)について学んだりと、必死だったそう。しんどかったが、同時に楽しくもあったと振り返る。

「サントリーでは、『やってみなはれ』が基本で、若手でも責任ある仕事が任されます。卸売やスーパーのご担当者は男性ばかりで、接待などもありましたが、いい意味で対等に接していただきました。営業はまさに、最前線。自分の発言はサントリーとしての発言と考えて、次第に責任を持って行動するようになりました」。

営業企画に異動になり、人を巻き込む術を知る

入社7年目に異動となり、関西の主要チェーンストアへの営業を推進するための、市場分析・消費者調査・催事企画などの立案を担当することとなった。

しかし、「これをすれば売れる!」と思った企画を立てても、現場の営業担当者にそれを実行してもらえない。何で理解してもらえないのだろうと悩んだ末、もっと知識や論理的に話す力を身に付ける必要を感じて、ビジネススクールに通い、クリティカルシンキングやマーケティングについて学んだ。そして、データなどを分析して、新たなチャンスを見つけられるようになったと同時に、「売れる」理由を論理的に説明できるようになったそう。

「食事とお酒の組み合わせを提案する企画を立てました。例えば、唐揚げとビールの組み合わせの場合、肉のバイヤーと酒のバイヤー両方に理解してもらう必要があったんです。参考になりそうな売上実績データを見せても、最初は理解してもらえませんでしたが、成功事例を積み重ねることで、賛同者が増え、売上アップにつながりました。人を巻き込んで仕事をする、ということができるようになってきたと感じました」。

ライフイベントを迎えて働き方に大きな変化が

入社10年目となる、2011年に第一子を出産し、約1年間の育児休業中は、しっかりと子供と向き合い、また消費者目線でスーパーの商品や売り方などを見ることができ、新鮮だったという。復職後は、関西の主要チェーンストアの営業推進担当と、予算策定やマネジメントを行うこととなった。

「数字が苦手なので予算策定の感覚をつかむのは難しかったのですが、数字ってただの記号ではなく、多くの人にとっての共通認識なんですよね。目標値はメッセージであり、モチベーションに大きく関わります。高すぎても、低すぎてもダメ。『どうすればより人に気持ちよく動いてもらえるか』について学ぶ良い機会になりました。多くの人が納得できる数値とし、予算達成に向けて、サポートする姿勢、一緒にやっていくといった姿勢も必要だと思います」。

夏秋さんは子育てと仕事の両立に忙しい日々の中、MBA取得を目指し、ビジネススクールに通い始めた。「フルタイムでしたが定時の17時半には帰宅していました。小学校3年生ぐらいまで、10年間これが続くことを考えると、自分のキャリアについて不安を感じるようになりました。そこで、残業ができない中で質を上げるために、経営全般についての学びが必要と考え、3年間でMBAを取ることを目標にしました。夫は単身赴任をしていて、私と子供は実家のある奈良県IMG_5372 - コピー.JPGに住み、大阪の会社まで通勤していました。そこで、夜は子供と一緒に早く寝て、早朝に勉強。週末は、夫が帰って来て、子供と過ごし、私はビジネススクールに通うことにしました」。

MBAで学んだことを生かして社内の勉強会を行うなどし、「生産性高く成果を上げるための組織運営の型」を作る試みをしたという。仕事に手応えが増すほどに、キャリアにおいて迷いが生じた。「それまでは関西の地域限定社員とし、転勤なしとしていましたが、ずっと“もやもや”していたんです。上司に相談したところ、『それなら、地域限定制度をはずしてみたら』とアドバイスを受けました。私自身も自分の可能性を諦めたくないと考え、そうしたいと心を決めました」。

初の転勤で広島へ。管理職としての第一歩を踏み出す

この春から中国・四国支社がある広島に異動したと同時に、管理職に昇進。得意とする、市場分析やチェーン取組推進をマネジメントする立場となった。「今は、8時過ぎに出社し、18時までには必ず退社しています。そのようなスタイルで働くことで、子育て中であっても、管理職ができるといったことを周りに伝えていきたいです。上司・同僚・部下も、理解して、バックアップしてくれているので、大変感謝しています」と夏秋さんは言う。「自分の判断や意思決定が組織全体の活動につながっていくことに、管理職としての大きな責任とやりがいを感じます。そこで、今度は私が管理職として、あらゆる制度・手段・テクノロジーなどを活用して、選択肢を広げて「チャレンジしたい人が、諦めなくても済む環境」を作っていきたい」と力を込める。

プライベートでも、「ライフ・キャリアマップ」の作成を通じて、ダイバーシティを広めるボランティア活動をしているという夏秋さん。キャリアも、プライベートも楽しむ、“イマドキ”の管理職像を創りながら、これからもパワフルに進んでいくのだろう。