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輝く女性事例

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「感謝していただける喜び、管理職として伝えていきたい」

社会福祉法人尾道さつき会

  • 医療・福祉
  • 尾道市
  • 301以上
社名 社会福祉法人尾道さつき会
所在地 尾道市久保町1786番地
URL http://www.satukikai.com/
所属・役職 施設サービス課 課長
ご本人氏名 村上 佳代さん

(2019年10月現在)


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1998年~
社会福祉法人尾道さつき会へ新卒で入職。特別養護老人ホーム及びケアハウスで、ショートステイ利用者の調整、面談、契約業務や、ケアハウス利用者の生活支援、相談業務に従事。

2002年~
デイサービス利用の調整、サービス内容の調整や、ケアプランの作成業務に従事。

2006年~
管理者として、認知症デイサービスの立ち上げを担当。制度の理解、新設にあたっての各種申請、地域住民への説明会の開催、利用者獲得に向けた営業、人材育成等、管理職として、一連の業務を経験。

2008年~
課長として、小規模多機能ホーム及びグループホームの立ち上げを担当。部下も35人に増え、プレイングマネジャーから管理職として、自身の役割が変化。

2015年~現在
施設サービス課長として、施設内の全体管理を任される。特に、入所者の事故対応に関する法人全体としてのリスク管理体制の構築と、人材育成に注力。

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ボランティアを機に、将来の夢の花が開いた

社会福祉法人尾道さつき会(以下尾道さつき会)で、施設サービス課長を務めている村上佳代さん。そのキャリアのきっかけをつくってくれたのは、村上さんの祖父母だったそう。村上さんが中学生のころ、祖父に、地元尾道の社会福祉協議会が主催する夏季ボランティアスクールへの参加を進められた。当時、祖母が施設に入所していたこともあり、「どんなところなんだろう」と興味が湧き、参加したそうだ。

その経験が、将来を考える契機となり、大学で社会福祉学を専攻。在学中に、社会福祉士の資格を取得し、尾道さつき会の障害者施設で実習した縁もあり、卒業後に尾道さつき会に入職した。(尾道さつき会企業記事はこちら

役割が、人を育てる。管理職を経験する中で見えてきた新しい景色

医療・福祉業界で21年のキャリアを持つ村上さん。尾道さつき会の特徴として、特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービス、認知症デイサービス、小規模多機能ホームなどとさまざまな形態の事業所を運営している点が挙げられる。村上さんも1つの事業所にとどまることなく、複数の事業所で経験を積み、入職後は、現場で一通りの業務を経験してきた。その後、特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービスで、生活指導員という立場からも利用者、その家族や地域の方と向き合った。入所でも在宅でも、利用者の先には、サポートする家族、地域の方がいる。関係者のニーズと、施設として提供できるサービスのギャップを埋め、関係者の思いも含めた介護を目指すという調整役としての業務はとても難しかった。時には厳しい意見をもらいながら、自身にできることは何かを常に問いかける日々だったそう。若手の離職率が高い福祉業界ではあるが、仕事を始めた頃のことを村上さんはこう振り返る。

「私が入職した頃は、ちょうど介護保険がスタートする直前で、業界の変革期でした。これまで受けるだけの仕事から、利用者に選ばれる仕事に変わっていきました。目の前の業務を一生懸命こなし、自分達がサービスをつくっていくんだという責任感がここまで続けてこられた原動力の一つです」。そんな現場一筋だった村上さんに、管理職としての話があったのが入職して9年目のこと。新たに認知症デイサービス施設を立ち上げるため、管理者を任せたいという会社からの打診だった。

「迷惑です」管理職への打診に対しての第一声として、こんな言葉が出てきたという村上さん。当時の村上さんにとっては現場で働くことが好きで、管理職として働くことに抵抗があったからだ。しかし、誰かがやらねばと考えて管理職を引き受け、その立場で働き始めてみると、新しく施設を立ち上げるという仕事は想像以上に過酷だった。それまではすぐに相談できる距離に上司がいたが、自分が1番責任ある立場となり、さまざまな職種や年齢、バックグラウンドをもつ職員をとりまとめることは、容易ではなかった。

そんな中で、村上さんは、課題に直面するたびに、上司に相談したり、他の管理職のやり方を参考にしたりしながら、解決のためのPDCAを必死で回していった。そうした試行錯誤を繰り返すうち、目の前のことだけを見ていた以前とは異なり、施設全体、法人全体へと徐々に視野が広がっていったという。管理職という立場に責任やプレッシャーを常に感じる時期もあった。一方で、周囲を見渡すことで見えてくる課題や、それに対し、自分の裁量で判断、解決できることに面白さを感じるようにもなった。

モチベーション高く、共に未来へ向かえる組織にしたい

2.IMG1737.jpg現在は、施設サービス課長を務めながら、人材育成に特に注力しているという村上さん。法人規模が大きくなればなるほど、法人としての理念を、全員が共有することは難しくなる。「職員全員が、同じ方向を向き、尾道さつき会としてありたい姿を目指して、成長し続けるにはどうしたらよいか」という課題に対し、法人本部と現場双方の意見を吸い上げ、調整しながら、職員が離職することなく、かつ安心して働き続けられる環境整備に尽力している。

「この仕事の醍醐味は、地域の課題に寄り添い、利用者だけでなく、ご家族、周りでサポートされる方々、地域全体から感謝していただけることです。人の役に立っているという実感を、ダイレクトに感じられることが何よりうれしいし、モチベーションにもなる。私自身、これまでのキャリアの中で、そうした経験をたくさんさせてもらった。これからは、一緒に働いている仲間や、これから加わってくれる新しい仲間に、そう感じてもらえるにはどうすればよいかと考えたいです。この業界は変化が激しく、確かに大変な仕事です。一方で、変化が激しいからこそ正解はなく、”どうしたらもっとよくなるだろう”ということを試行錯誤できる。視点を変えれば、とても創造性が高く、面白い仕事です」と語っていた。

インタビューの最後に、「仕事をしている時間は、笑顔でいることが本当に多くて。それがこの仕事のいいところかもしれません」と語る村上さんの笑顔がとても印象的だった。