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輝く女性事例

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「自身の経験から職員に寄り添い、管理職として組織も育成中」

認定こども園ロータスプリスクール大芝

  • 医療・福祉
  • 広島市
  • 31〜100
社名

認定こども園ロータスプリスクール大芝

所在地 広島市西区大芝2-1-3
URL https://lotus-oshiba.jp/
所属・役職 認定こども園ロータスプリスクール大芝 園長
ご本人氏名 本田 淳子さん

2020年12月現在)

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2006年〜
姉妹園である永照幼稚園にパート職員として入職し、延長保育やプレスクールの時間帯も担当。

2015年〜
「認定こども園ロータスプリスクール大芝」の開園に伴って正職員となり、主任として着任。

2018年〜
同園園長に昇格。

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1.天職だと思える保育士という仕事を子育てと両立

 「認定こども園プリスクール大芝」で園長として活躍中の本田淳子さんは、「保育士は天職」と話す。目指したきっかけについては、「12歳離れた姉に子供が生まれ、9歳で叔母になりました。姪、甥がよく遊びに来てはお世話をすることがとても楽しかった」と振り返り、小さな子供が大好きだと自覚したからだそうだ。

しかし、保育士を目指す直接的なきっかけを与えてくれたのは、高校時代の恩師だったという。「両親が商売をしていた関係で、幼い頃から家の手伝いをよくし、比較的自立した子供だったと思います。家庭だけでなく学校でも周囲から常に頼りにされ、『しっかり者』という印象を持たれ、それに応えようと優等生を演じてきたのですが、高校生になって疲れてしまったんです。進学校で周りは必死に勉強する中、私は目標を失っていたのですが、担任の先生が『何か得意なことがあるはず。チャレンジ!!』と言ってくださって、子供が大好きだったことを思い出しました」。短期大学の幼児教育科に進み、卒業後、私立総合病院の院内保育士として働き始める。

両親を誇りに思いつつも、身近で見ていた分、働く大変さもよく理解していた本田さん。「専業主婦になることが夢」だったそうだが、結婚を機に23歳で退職し、晴れて専業主婦となったものの、「働きたくなった(笑)」と、25歳、長男が9カ月の時にフルタイム職員として保育士に復職する。
「近くに住んでいた両親には色々とサポートしてもらいました。夫は共働きに大変理解があり、私がフルタイムで働き始めてから、夫より帰りが遅い私を気遣って、食事をつくってくれるようになりました」。

その後、第二子を出産し、翌年には長男が小学校へ入学したこともあり、永照幼稚園でパート職員として、再び働き始める。時代のニーズから永照幼稚園でも延長保育が始まり、本田さんはこうした時間帯の保育も担当するようになったそうだ。「延長保育は、子供たちがリラックスできるよう家庭的な雰囲気づくりを心掛けました」。パート職員ながら裁量を与えられた本田さんは、今までの経験を生かしてより良い延長保育となるよう工夫を重ねたそうだ。次第に保護者の間でも幼稚園の大事な場所の一つとなり、定員を大幅に超える申込みがあるほどとなった。

その後、「認定こども園ロータスプリスクール大芝」の開園に伴い、2015年に異動し、正職員として主任を務めたのち、園長となった。

2.経験したからこそ寄り添える。職員のキャリアの伴走者として、きちんと言葉を交わし、サポート

「家族はとても仲が良いです」という本田さん。前述の通り、ご主人も積極的にサポートしてくれるそうだが、良い関係を保つ秘訣を聞いた。「とにかく互いを尊敬し、感謝の気持ちを言葉にすることを心掛けています。子供たちはもちろん、大人も認められてうれしくない人はいませんし、肯定感が人を伸ばすと考えています」。思うだけでなく、きちんと言葉にして伝えることがとても大事だと話す本田さんだが、「例えば、祖父母がわが子の保育園のお迎えをしてくれていることに、きちんと『ありがとう』を伝える。感謝の気持ちを言葉にして伝えることの大切さを、わが子にも幼いころから言い続けてきました」。

DSCF4683.JPG本田さんは、職員ともよく話をし、互いの気持ちを伝え、理解することをとても大事にしているそう。
「これまでの職場で色々な経験を積ませてもらい、0歳児から年長クラスまで、全ての年代の子供たちを担当しました。若い頃は、人間関係がうまくいかない、将来のビジョンが描けないなど悩むこともありましたし、子育てと仕事の両立で慌ただしい時期も経験しました。そうやって、さまざまな経験をしながら続けてきたからこそ分かることがあり、同じ女性として、今いる職員たちの気持ちに寄り添いたい」と話す。

「働くことは人生の重要な要素のひとつ。特に若手職員に対しては、その瞬間だけでなく、長期的な視点で自身のキャリアを捉えてほしいと思っています。園としては、結婚や出産などのライフイベントでキャリアを途切れさせないよう、職員一人ひとりとよく話をし、家庭環境も含めた個別の事情を聞いた上で、働き方の選択肢を提示するようにしています。最終的に判断するのは、職員自身ですが、よく話をすること、職員のキャパシティを超えないように配慮することが、働き続ける上で大事だと考えています」と話してくれた。現在、同園では4名が育児休業を取得しているそうだが、SNSなどを活用し、園での様子を共有し、育児休業中も密にコミュニケーションをとるなどして孤独感を軽減し、スムーズに復職できるような配慮もしているそうだ。

3.管理職として組織を引っ張り、子供の成長と共に職員や園の成長も見守る喜び

「認定こども園ロータスプリスクール大芝」の開園時の主任として活躍した当時は、苦労とやりがいの両方を感じたそう。「開園当時は、新卒もしくは経験の浅い正職員が大半で、分からないことだらけ。経験豊富なパート職員の力が大きかったのですが、正職員とパート職員という立場の違いもあり、なかなか気軽に言いたいことが言えないといった状況もありました。誰かが現場でしっかりと指揮を執る必要がありました。もともとトップダウンで物事を進めるのは好きではなかったので、見守りながら日々進めていく事を考えていました」と、当時を振り返った上で、「見守ることは、決して簡単なことではありませんから、これからも前向きに努力していきます」とも語ってくれた。

少しずつ園を作り上げてきた本田さんだが、2020年には創立6年目を迎え、「ようやく軌道に乗ってきた」そう。「保育士は、みんな子供が好きで、子供たちの成長の瞬間に立ち会えることがやりがいそのものです。開園当時は若手だった職員も、すっかり一人前となり、最近では、保育士同士が子供の成長を共有して喜ぶといったことも増えました。私自身も職員が立派に成長した姿に、ほろっと涙が出そうになることもあります」。

トリミング済_DSCF4700.jpg本田さん自身も管理職ならではのやりがいを実感しているそうだ。「一職員のときは、担当するクラスのことだけを考えていましたし、やりたいと思っても裁量が限られていてできなかった。でも、今は園全体を見る立場となり、視野が広がり、子供たち一人ひとりに合わせた保育を考えることもできるようになりました」。

また、今後については、「今の若い人はスマホなどでさまざまな情報源を持っていますし、『もっとこうしたい』という思いを内に秘めている職員も多いと思っています。同園の龍永理事長の方針でもありますが、トップダウンで進めるのではなく、職員一人ひとりが主体的に考え、その思いをアウトプットすることができる職場にしていきたいと考えています」と包み込むような温かい笑顔で話してくれた。