女性活躍優良事例

「女性・外国人・LGBTの積極採用。
世界展開を目指したダイバーシティ経営」

ラクサス・テクノロジーズ株式会社

  • サービス産業
  • 広島市
  • 31〜100
  • 方針・取組体制
  • 両立・継続支援
  • 人材活用
  • 職場風土
所在地

広島県広島市中区中町8-18
広島クリスタルプラザ 14F

URL https://corp.laxus.co/
業務内容 ラクサス・テクノロジーズ株式会社は「世界中に笑顔を」を経営理念に、教育関連事業、美容健康関連事業、Web/アプリ関連事業等EC事業を幅広く展開。2015年頃から、インターネットで高級バッグを貸し出すシェアリングサービス「ラクサス」が爆発的に大ヒット。そのサービス名の認知度を高めるため、2017年に社名を「エス株式会社」から「ラクサス・テクノロジーズ株式会社」に変更。
従業員数 74名
女性従業員比率 58.1%
女性管理職比率 25.0%

(2017年10月現在)

type2_laxus_2.jpg

代表取締役社長 児玉 昇司氏

seika_header_sesakuyaseika.png

  • トップのスピーディーな意思決定により、外国人、LGBTなどダイバーシティ採用を推進
  • 週休3日、将来は在宅勤務も可能に。口だけじゃない「働き方改革」を開始!
  • 女性の気づきが発端。「誰でもできる化」により、無駄・無理を排除
  • コミュニケーションの活性化を促す「フリーランチ」、「人間フォークリフト」

seika_footer.png

1 トップのスピーディーな意思決定により、
外国人、LGBTなどダイバーシティ採用を推進

ラクサス・テクノロジーズ株式会社(以下、ラクサス)は、平成18年に創業したベンチャー企業であり、現在は高級バッグのシェアリングサービスである「ラクサス」を主たる事業として展開し、急成長を遂げている。従業員の平均年齢は30歳前後と若く、活気に溢れている。ラクサス事業ユーザーの大半が女性であり、ビジネスにおいて女性目線が不可欠であるとの観点から、戦略的に女性従業員を増員。その結果、現在女性従業員比率は58.1%、女性管理職比率は25%となり、全国平均(※1)と比べても非常に高くなっている。

type2_laxus_3.png

イノベーションを繰り返し、新しいサービスを創造するためには、「多様な価値観を持った人材が必要」と同社は考える。そのため、性別だけでなく年齢や国籍等も関係なく、“事業を推進する上で必要な人材”を採用し活躍させようという文化があり、女性のみならず、外国人、LGBTなど、より多様な人材の採用にも力を入れている。

東京で事業展開するITベンチャー企業が多い中、なぜ広島に本社を置き続けるのか。その理由は“世界的にも知名度の高い「ヒロシマ」をブランド化し、世界展開を目指していきたいため”だという。現在、広島本社にはスリランカ、中国出身の従業員2名が働いているが、今後も積極的に外国人の採用を進める方針だ。

また、広島県内で初めて、LGBTなどの性的少数者が働きやすいようにと、同性婚や事実婚のパートナーにおける結婚休暇や単身赴任手当を適用できるよう福利厚生制度の見直しを行った。この対応が進んだ背景には、性的少数者であるN氏の採用がある。N氏の入社前、全従業員が理解を深めるために必要だと考え、性的少数者の支援団体による研修を実施。現在も継続的に社内研修を続けている。N氏入社の翌月には、従業員の実態に則したルールを整備するため、一部の社内規程を改訂。「多様な人材こそ、組織における競争力の源泉だ」という児玉社長の考えに沿ったスピード改革だった。

2 週休3日、将来は在宅勤務も可能に。
口だけじゃない「働き方改革」を開始!

現在、ラクサスには若手従業員が多く、産休・育休取得中の女性はいないが、児玉社長をはじめ経営幹部には子育て世代が多く、育児に理解がある。今後に備え、従業員がライフイベントに合わせて働き方を選択できるような環境を整備しているところだ。また、全従業員に「ワークライフバランスが取れた働き方をしてもらいたい」ということを言葉で伝えるだけではなく、児玉社長自ら率先垂範して「定時に帰宅」、「土日祝日はなるべく休む」等に取り組むことで、従業員の意識改革を図っている。こういった地道な風土づくりの結果、子育て中の従業員は、男女の区別なく定時退社し、学校行事等で休む場合には時間単位での有給休暇を利用するのが当たり前となった。

また、ラクサスはノー残業デーにも取り組んでいる。取組を開始した当初は、同じ曜日に全社一斉退社としたが、『業務上の都合から、同一日の一斉退社は難しい』という声を受け、週2日をノー残業デーに設定し、いずれか一方を定時退社とする選択制とした。使いにくい制度はすぐに変える。制度づくりに満足せず、PDCAが上手く機能している。

さらに、介護や育児、資格取得等の自己研鑽など、プライベートと仕事の充実を図ることと、多様な従業員を採用することを目的に、平成29年4月から週休3日制を導入。現在は8名(うち男性1名)が利用している。

今後、セキュリティー上の問題さえクリアできれば、在宅勤務等のテレワーク制度の導入も考えており、制度導入には、①バッグを魅力的に見せるためのコーディネート業務(シーンやファッションに合わせたバッグを紹介)、②LINEやMessenger等のSNSを使ったカスタマーサポート、③エンジニアリング事業 等について、先行してテレワーク可能となるよう検討中だ。

3 女性の気づきが発端。
「誰でもできる化」により、無駄・無理を排除

働き方改革に必要な要素として、業務の効率化・共有化は不可欠だろう。ラクサスでは、オペレーションチームによる「誰でもできる化」の取組を行っている。できる限り業務の流れをシンプルにし、3ステップで誰でも簡単にできるような仕組みを大事にしており、ユーザーインターフェイス(※2)も使いやすく業務の簡素化を図るべく推進している。

フルフィルメント本部の竹増部長は、「女性は細やかな点に気がつきます。『誰でもできる化』の取組を始めたのも、『教えてもらう人によって言われることが違う』という女性従業員からの一言がきっかけでした。女性従業員の『気づき』や『発言』は、仕組みの改善や業務の効率化に非常に有効です」と話す。また、業務の効率化とモチベーション維持を目的に、毎日の朝礼で「面倒、ストレスを感じるところはどこか」を従業員に挙げさせている。取り上げられた事項には、無駄や無理があることが多く、意見をもとにオフィスのレイアウトを変えたり、業務手順や方法等を変更したりと日々改善を行っているそうだ。

※2 使用者とコンピューターの間で、情報をやり取りするための方法、操作、表示といった仕組みのこと。(出典:IT用語辞典)

4 コミュニケーションの活性化を促す
「フリーランチ」、「人間フォークリフト」

ラクサスには従業員同士のコミュニケーションを活性化する興味深い取組が2つある。

1つ目は、「自動販売機の飲み物や昼食用の弁当を無料化」、「ミニパーティの開催」だ。従業員同士が日々弁当を一緒に食べたり、月に1度、業務終了後30分~1時間を使ってピザパーティ等を実施することにより、意図的に「従業員が集う場」をつくっている。そうすることで、自然と情報や意見の交換が生まれたり、コミュニケーションが活性化するなど、組織力の強化につながっている。

2つ目は、毎日各フロアに1人“人間フォークリフト”と書かれたタスキをつける従業員を決め、「その人に会ったら必ず褒める」というルールを設けている。従業員同士の会話のきっかけをつくるだけでなく、褒めることで従業員のモチベーションアップを狙う取組だ。

このような取組を導入した理由について竹増部長は「ビジネスの拡大や革新、業務改善のためのアイデア、トラブルを未然に防ぐための意見が出ないことが会社にとって最大のリスクです。コミュニケーションを活性化し、社内の優れたアイデアを取り込んだり、異変にいち早く気づいたりできるような環境を心掛けています。例えば、ある特定の従業員に異変があったら、本人よりも周りから情報が入るようなイメージですね」と話す。

従業員の考えをスピーディーに吸い上げ、クリエイティブでかつ、働きやすい環境を創り出すことに大変腐心している様子がラクサスからうかがえた。

バッグの修理の様子
type2_laxus_4.jpg

●取材担当者からの一言

ラクサスは、ベンチャー企業ならではの、社会の変化に対して最先端で会社自身も変化していくスピーディーな対応が特徴的だ。様々な従業員に個性を発揮させ、女性のみならず誰もが活躍できるダイバーシティ経営を目指すラクサスにとって、「女性活躍」というテーマは少し時代遅れに聞こえたかもしれない。広島にもこんな企業があることを知ってほしいと率直に感じた。

ラクサスの取組から見えるように、女性活躍は“ゴール”ではない。人材の多様化によるイノベーション創出、そして企業成長のための“第一歩”に過ぎない。広島がグローバル市場でのプレゼンスを高めるためには、世界中から様々なバックグラウンドを持った、優秀な人材が集結してくる場所にしなければならないのだろう、このラクサスのように。


type2_laxus_5.jpg※取材日 2017年9月
●取材ご対応者
取締役COO本社統括 フルフィルメント本部長 竹増 浩司氏