女性活躍事例

「女性に寄り添う環境が会社の成長も後押し!県内11社目の『えるぼし』獲得まで」

株式会社日興ホーム

  • 建設業
  • 東広島市
  • 31〜100
  • 女性社員の活用と活躍の状況
  • 女性が活躍できる職場風土・職場環境
法人名 株式会社日興ホーム
所在地 東広島市西条町寺家3847-2
URL https://www.nikko-home.com/
業務内容 1971年に東広島市八本松で創業し、宅地開発・造成、住宅の施工・販売、リフォーム、賃貸住宅の施工・販売・管理まで「住まい」に関するあらゆるサービスを提供。地域に密着し、「お客様にうそをつかない家づくり」をモットーに、お客様一人ひとりに寄り添うチーム力を強みに、企業としても成長を続けている。
従業員数 61名
女性従業員比率 29.5%
女性管理職比率 6.3%

(2021年12月時点)

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  • 女性活躍推進企業として、県内11社目のえるぼし認定を取得
  • キーパーソンである女性管理職の尽力で、性別問わず活躍できる職場へとアップデート

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1.女性活躍推進企業として、県内11社目のえるぼし認定を取得

えるぼしマーク2020年11月、県内11社目となるえるぼし認定を獲得した株式会社日興ホーム(以下、日興ホーム)。えるぼし認定制度(https://shokuba.mhlw.go.jp/published/special_02.htm)は、女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定、届出を行った事業者のうち、女性活躍推進状況が優良であるなど、一定の要件を満たした事業者が認定を受けることができる国の制度だ。同社では、採用、労働時間等の働き方、女性管理職比率、多様なキャリアコースの4項目について認定基準を満たし、2つ星を取得した。

えるぼしを取得しようと思ったきっかけについて、「学生向けにインターンシップや採用活動を行う中で、採用段階と入社後において働きやすさの観点でギャップがあってはいけないと思っていました。本当に働きやすい職場づくりができているかについて、公的な基準に照らして確認してみたいと思い、えるぼしを申請しました」と、管理部採用課の福原学課長(以下、福原課長)は話す。

同社では、女性活躍推進はもちろん、全ての従業員が「働きがい」を感じられる企業を目指している。「従業員同士はとても仲が良く、会社のことが好きだといってくれます」と福原課長が言うように、役職や職種を問わず、従業員同士のコミュニケーションがとても活発なのだという。比較的小規模の組織だからこそ、互いの顔が見えるアットホームな雰囲気が同社の強みのひとつだ。

同社の直近の女性従業員比率は29.5%だが、新卒の採用活動を始めたのは2012年と比較的最近のことなのだそう。
「以前は中途採用のみで、そもそも女性の採用は多くありませんでした。社内で新人を育成する環境が整いつつあった中での新たな取組でした」と、管理部の枝廣雅行部長(以下、枝廣部長)は振り返る。

枝廣部長のお写真当時、常設展示場を県内各所にオープンさせたり、リフォーム事業へ進出したりと、企業として大きく成長に向けて舵を切る中で、女性従業員が加わり、その一翼を担っていった。 「女性の採用を本格化させて10年近くになりますが、フットワークが軽く、積極的に活躍してくれている女性従業員が多く、売上は10年前の2倍になりました」。

現在、ライフイベントを迎える従業員も出てきたそうだが、育児休業を取得後に復職し、働き方を柔軟に調整しながら就業継続している女性が多いという。まさに今、育児と仕事を両立しながら経験を積み、キャリアアップしていく段階なのだそうだ。

2.キーパーソンである女性管理職の尽力で、性別問わず活躍できる職場へとアップデート

同社において、女性が働きやすい職場づくりを語る上で欠かせないのが経理部の新川富士子部長(以下、新川部長)だ。2003年にパートタイムで入社して以来、経理一筋の新川部長は、業務においても組織においても、同社の女性活躍をけん引してきた。
「入社当時は、夫が単身赴任中だったこともあり、まだ小さな子供との時間を最優先に考え、パートタイムで働く選択をしました」と話す。当時の新川さんは、働ける時間と自身が目指す成果とのギャップや、上司に理解してもらえない悔しさなど、さまざまな悩みを抱えていたという。

「当時は男性中心の職場で、私自身、前職の経験を生かして経理面の整備を進めたりと、組織の役に立ちたいという思いで一生懸命やっていましたが、理解してもらえないことも多くありました。まだ、働き方改革という意識も薄かった時代で、時給制だからという理由で帰らされることもあり、やりたくてもできない状況がとても悔しかった」と振り返る。そんな環境の中でも、一つひとつ丁寧に業務を積み重ね、社内での信頼を得ていった。

新川様のお写真「私にとって、子供の存在が何よりのモチベーションでした。仕事に向き合う姿勢や人間関係も含めて、頑張っているお母さんのことをちゃんと子供は見ていると思っています。子供がいるから頑張れましたし、そんな私を見てきた息子は今、当社で働いています」とほほ笑む。
組織にとって欠かせない人材となった新川部長だが、子育てが一段落した2011年に正規従業員となり、2013年に経理課長、2020年に経理部長へ昇進した。

新卒で採用した女性をはじめ、女性従業員が増える中で、育児休業制度や時短勤務制度などの制度面はもちろん、時には社労士と相談して従業員の個別の事情に柔軟に対応したり、女性従業員のさまざまな相談に応じるなど、まさに会社の「お母さん」的な存在として、女性が働きやすい職場づくりに尽力してきた。

「私自身、困ったときに相談できる人がいなくて辛い思いもしたので、今は私がその役割を担いたいと思っています。同性だからこそ理解できることもあります。若い世代には、生き生きと働いていてほしい」。

特建営業部で活躍する脇孝子さん(以下、脇さん)は、2013年に新卒入社し、2021年2月に育児休業を経て復職した一人だ。現在は時短制度を利用しているそうだが、「この仕事がとても好きで、出産を機に退職することは全く考えませんでした。課内では、毎朝のミーティングでメンバーの業務状況が共有されるため、他のメンバーがフォローしてくれますし、上司も気にかけてくれます。仲間に支えられて本当に感謝しています」と話してくれた。

一方で、社内に育児と仕事を両立するロールモデルがまだまだ少ない中で、「私が復職することで会社に迷惑をかけてしまうのでは」と不安になった時期もあったといい、パートタイムでの復職なども考えたそうだが、そのときも、新川部長に「大丈夫」と背中を押してもらったと話す。

脇様のお写真勤務日数や勤務時間を調整しながら、育児と仕事を両立していることについて尋ねると、「今こうして働けていることがとても幸せだと感じています。同じ部内には女性営業担当の後輩も数名いて、育児休業について質問されることも増えてきました。会社はサポートしてくれるので、育児と仕事の両立は、会社がサポートしてくれるため、自分自身にやる気さえあればできると思っています。これからライフイベントを迎える後輩たちのお手本になれるよう公私共に頑張っていきます」と話してくれた。

新川部長から脇さんへ、そして後輩たちへと思いを引き継ぎ、ライフイベントを経て自分らしくキャリアアップしていく女性が、今後ますます増えていくだろう。

●取材担当者からの一言
取材中、取材担当者が質問をすると、「〇〇さんって、どうだったんだっけ?」「それは、〇〇さんに聞くといいよね」と、具体的なメンバーの名前が挙がる姿がとても印象的で、従業員一人ひとりが組織の主役なのだということを強く感じた。
キーパーソンである女性管理職が、自身の経験からその必要性を強く感じ、女性も働きやすい環境を整えてきたことが、女性活躍推進においても、組織の成長においても大きな影響を与えたのではないだろうか。今後は、男性の育児休業取得も進めていきたいといい、全ての従業員が「働きがい」を感じられる組織へと、ますますアップデートしていくだろう。

●取材日 2021年11月
●取材ご対応者
管理部長 枝廣 雅行氏
管理部採用課長 福原 学氏
経理部長 新川 富士子氏