働き方改革優良事例

自発的な改革を企業の風土に!

株式会社ププレひまわり

  • 卸売業・小売業
  • 福山市
  • 301以上
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
  • 多様な人材の活躍
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒721-0955 広島県福山市新涯町2-10-11
企業URL http://pupule-r.jp/
事業内容 ドラッグストア「スーパードラッグひまわり」の運営など
従業員数 1,943名(男性329名、女性1,614名)

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  • 従業員参加型のプロジェクトチームで自発型の改革を推進
  • 働き方の選択肢が増える制度の充実による離職者の減少
  • 働き方の改革と同時に業務改革と生産性の向上を実現
  • システムの見直しなど徹底した合理化の追求による業務の効率化
  • 働き方改革を風土として会社に定着

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従業員の働き方の選択肢をどう増やすか?

女性従業員を中心としたプロジェクトチームSMAPの立ち上げ

type1_pupule_3.jpg「われわれ小売業は、事業を拡大していく中で、従業員に“働き続けたい”と思ってもらうことが大切なのです」と、株式会社ププレひまわり副社長の梶原聡一氏は語る。
地域密着型の店舗「スーパードラッグひまわり」を広島・岡山・兵庫・愛媛・島根に展開している同社には、ビューティーカウンセラーやエステティシャンといった職種もあり、女性従業員の比率は高くなっている。女性従業員の場合、出産・育児といったライフイベントを迎えると休みが必要となる場合が多く、全従業員が働きやすい会社をつくらないことには生産性が上がらない。そのため、かなり早い段階から対策は講じていたそうだ。


type1_pupule_4.jpg「きっかけは、弊社で初めて育休を取った女性従業員の話だったのです」
そう切り出したのは、働く女性の先輩でもある相談役の梶原啓子氏だ。同氏は、前述の従業員が子育てと仕事の両立の大変さを涙ながらに話すのを見て、従業員が働きやすい環境づくりの必要性を強く感じたという。
そこから目の前の従業員が困っていて辞めさせたくないという思いから、その度に制度を整えるなどして働き方改革がスタートした。まず着手したのは女性従業員の子育てと仕事の両立である。平成19年に、女性従業員参加型のプロジェクトチーム「SMAP/スマイル・ママ・アクティブ・プロジェクト」を立ち上げた。SMAPは、ワークライフバランスを支援するプロジェクトとして結成され、子育て中の現場の従業員がアイデアを出し合い、妊娠・出産しても安心して働ける環境づくりに取り組んでいる。ここで出た従業員の意見を制度化し「時短勤務」や「勤務地選択制度」、自らが希望する勤務シフトを限定できる「準社員制度」といった画期的な制度が、従業員たちの意見で次々と導入されてきた。

こうした取組が10年も前から開始され成果を上げていることから、次第に働き方全般へと改革が進展し、現在に至っているという。梶原聡一副社長はSMAPの成功体験も踏まえ、働きやすい環境をつくるには、「まず従業員の働き方の選択肢を増やすこと。これが重要」と強調する。会社が提供する働き方と従業員の求める働き方がかみ合わなくなった時、どう従業員の働き方の選択肢を増やしていくか。会社ぐるみでそうした視点を持つことが、改革へ踏み出す第一歩となるのかもしれない。

働き方改革と業務改革は両輪!

業務改革と退店時間の管理、トップ自らが退職者面談

type1_pupule_7.jpg梶原副社長によれば、「改革を推進していく上で、働き方改革と業務改革は両輪」という。そこでまず「業務改革推進課」という部署を新設し、社内の業務効率の改善に取り組んでいったそうだ。その代表例として「システムへの投資」が挙げられる。例えば、商品発注を半自動化したり、店長による勤務シフト表作成を自動化させたりなど、特定の人しかできない属人的業務を極力減らすことで、業務の標準化を行うと同時に合理化を追求した。その結果、店長自らの業務負担の軽減はもちろんのこと、適正な人員体制が実現。また、時間のゆとりが生まれ、それがお客さまへのサービス向上にも結び付き、さらには情報システムの力を借りて、仕事そのものの精度もぐんとアップしたそうだ。


type1_pupule_5.jpg長時間労働の削減に関しては、店舗のセキュリティー時間の管理と合わせて、従業員には閉店後1時間以内に帰ることを伝達するなど、従業員の意識改革を促しており、この1年ぐらいで従業員の意識はだいぶん変わってきているという。それでも残業時間が多くなりがちな従業員に対しては、単に残業時間の削減だけを指示するのではなく、なぜ帰れないのか、帰れない原因を明確にし上司と共有した。実施当初は、残業がある日を1カ月に10日以内という目標にしていたが、現在は4日以内となり、将来的にゼロを目指している。
その他にも問題点を表面化させるため、毎月、幹部社員が退職者との面談を実施。また、実施1年目には、副社長自らが退職者全員と面談を行った。本音が出やすい退職時に面談を行うことで、彼らの意見をその後の取組に反映していくなど、徹底して従業員目線の改革に取り組んでいる。

有給休暇の計画付与により取得率向上

勤務シフトを活用した休暇取得促進の秘策

type1_pupule_6.jpg働き方改革に取り組んでいこうという気風が、風土として定着しつつあるププレひまわりだが、それでも現状の取組に課題がないわけではない。例えば有給の取得率に関しては、増えてはいるものの、他の取組に比べて改革のスピードはやや遅れ気味だという。同社はさらにここへメスを入れていこうと、体制整備を進めている真っ最中だ。
その内容とは、全従業員が均等に有給を取得できるよう、勤務表へ有給休暇を自動的に割り振る仕組みだという。生産性の向上に配慮しつつ、この仕組みの導入により、一気に有給取得のスピードアップを図ることを検討している。


type1_pupule_8.jpgこうした一連の取組を進めていく中で、梶原聡一副社長は、「小売業は、労働条件が不透明に思われることが多く、採用においてはどちらかというと不人気な業種でした。そうしたイメージを拭い去りたいという思いもあり、弊社では改革に取り組んできたわけですが、おかげさまで採用も順調ですし、一生働きたいというキャリアデザインを描いてエントリーしてくれる人も増えました」と具体的な成果を実感している。
女性従業員の仕事と子育ての両立に尽力してきた梶原啓子相談役は、「現在25名の従業員が育休を利用していますが、育休を経て戻ってきた従業員の貢献度がすごく大きいのです。それが何よりもありがたいですね」と語る。社内推進役人事総務部課長の瀬田さん、係長の大地さんも、「従業員たちは、改革を進めていく上で、自分自身が変化を実感しており、“より働き方を改善しよう”という意識が、風土として根付きつつあると感じます」と、手応えを語ってくれた。

時代が変われば、働き方も変わっていく。そういう意味では、今の取組で全てが完成することはないが、理想的な働き方を求めて努力を続けていきたいというププレひまわり経営陣の視点は、これからの小売業の在り方において非常に参考になるだろう。最後にこれから取組を進める企業に対して、同社を代表して梶原副社長から以下のようなメッセージをいただいた。
「実のところ、働き方改革の必要性を感じていない経営者は、一人もいないと思います。大切なのは何らかのアクションを起こすこと。もしもアクションが起こしにくい状況なら、できない理由を、まず経営者自身が冷静に見つめることが必要です。それを考え始めれば、おのずと働き方改革への一歩は踏み出せると思います。一緒に理想の働き方を実現していきましょう!」