働き方改革優良事例

従業員を成長させ、自社も顧客も変える、働き方改革

リコージャパン株式会社 販売事業本部 広島支社

  • サービス産業
  • 広島市
  • 101〜300
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
  • 多様な人材の活躍
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒738-0013
広島市中区八丁堀3-33 広島ビジネスタワー
企業URL https://www.ricoh.co.jp/
事業内容 複合機、プリンターなどの画像機器や消耗品およびICT関連商品の販売と関連ソリューションの提供、サポート&サービス(画像機器やICT関連商品の保守、ネットワーク構築・保守
従業員数 266名(男性222名、女性44名)

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  • トップの本気度が従業員のやる気に火をつける
  • 社内メールの廃止や会議・資料の削減による業務の効率化
  • 情報共有のためデジタル視覚ツールを設置しメルマガを配信
  • 「有給休暇に特別な理由は必要ない」など社員の意識を改革
  • 成果を上げた好事例を自社の営業提案にも活用し、業績向上

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改革のスイッチを入れたのは、トップのやる気!

本社の号令を受けて始まった大胆な働き方改革

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平成28年、社長の強い意志のもと、社内に「働き方改革プロジェクトチーム」が結成されたリコージャパン。それを受けて、広島支社でも改革プロジェクトが立ち上がり、一気に取組が加速した。同支社の改革に携わるソリューション営業部の田原部長は、「“オフィスビジネスソリューション”を提供するリコージャパンは、言ってみればお客さまの働き方改革をお手伝いする企業でもあります。そんな企業が改革に足踏みしているわけにはいかない。私どもがお客さまの良いソリューション事例になれるよう、働き方改革に踏み出したのです」と、同社における取組の背景について語ってくれた。

全国で2万人近い社員を抱えるリコージャパンでは、従業員の働き方、生産性を見直す取組はこれまでも行われてきた。だが今回は、従来の改革に比べ、その本気度はさらにレベルアップしているのだという。

例えば、次のような試みからも、業務効率化の徹底ぶりがうかがえる。従来は、大量の社内メールが従業員に送られていたが、社内メールを一切廃止。大切な連絡事項がメールの山に埋もれないように、必要な時に必要な情報を取りにいける掲示板を連絡網として活用することとした。その他にも会議は月曜だけとし、火曜から木曜まではお客さま訪問に回すなどして会議数を削減。その結果、資料作りの労力も削減された。会議もできるだけテレビ会議を活用することで、出張など従業員にかかる負担が軽減されている。あらゆる業務を根本から見直し、これまでの慣習から形骸化していた仕事は、徹底的に捨て去っている。取組によって生まれた時間をお客さまとの時間に回すなど、新しい働き方がすでに定着している。


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広島支社の改革チームの一員である、中国お客様相談室の吉本室長も、「従業員である私たち自身が、弊社の大胆な変化にワクワクしています」と、このたびの働き方改革に大きな期待を寄せている。今後働き方改革を定着させていくために、「従業員一人一人の意識改革が何よりも大切です。働き方改革の成功のカギを握っているのは、そこにどうアプローチしていくかだと思っています」と、熱い思いを語ってくれた。

視覚的に繰り返し伝達することで制度の定着を図る

デジタルサイネージなどを活用して情報を共有

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前述のとおりリコージャパン広島支社では、本社からの流れで「働き方改革プロジェクト」が発足した。その後、「仕事に厳しく、人にやさしく」をコンセプトに、人事制度が大幅変更され、平成29年4月にそれらが「人事ガイドブック」として全社員に配布された。制度の周知を図るため、マネージャーを対象とした人事制度勉強会を実施しているが、広島支社ではさらなる制度浸透を目指して、社内で人が集まる場所(コピー機の前など)にデジタルサイネージを設置。参考となる取組事例や新制度、努力した従業員を紹介するなど、視覚的な情報共有も行っている。

「コピーしている間は手持ち無沙汰ですから、自然と目が行くようですね。ガイドブックを配っているものの、ちゃんと目を通さない従業員も結構います。デジタルサイネージを設置してからは、制度を活用する従業員が若干増えたように感じます」と語る田原部長。

同社では有給休暇を時間単位で取れる制度が構築されているが、従業員の中には介護や通院、子供のお迎えなど、「理由がないと利用してはいけない」と思っている人もまだまだいるそうだ。吉本室長は、そうした従業員の戸惑いに対して意識改革が必要だと考えている。

「野球の試合に行きたいから、今日は1時間早く帰る」といった理由でも全然かまわないのです。しかし、そんな理由で有給休暇を消化していいのだろうかという戸惑いが従業員の中にあります。しかし、それで従業員自身がリフレッシュできるなら良いことですし、結果として仕事の効率化につながれば、会社としてもうれしい限りです。こういった点からも、従業員の意識改革を行っていく必要があります」


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昨年、有給休暇を100%消化したというソリューション営業部の渕上さんは、自分らしい働き方を実践している好例だ。

「有給休暇を取る際は、やはりどこかに遠慮があったのですが、一度取ると、心の中のハードルが下がったと感じました。今は、シフト勤務などもうまく活用して、自分のペースに合った働き方をしています。シフト勤務なら業務の都合に合わせて勤務時間を設定できるので、ムダな残業もしなくて済みます」

ちなみにリコージャパンの有給取得率は、全社では50%に達しているが、広島支社はまだ30%といったところ。プロジェクトチームではさらに制度の浸透をスピードアップしていかねばと考えている。

業績向上にもつながる改革のシナリオとは

改革の好事例を自社の提案営業にも活用・展開

type1_ricoh_6.jpgリコージャパンにおける働き方改革の注目点は、働き方改革を通して業績向上につなげる明確なシナリオがあるところだ。冒頭の田原部長の言葉にもあるように、同社はオフィスの“働き方改革”を提供する企業である。つまり社内で成果を上げた好事例をどんどん社外に発信し、お客さまのもとで見掛けた成功モデルを広く共有することで、自社にもお客さまにも、さらには地域企業にも、Win-Winの関係を構築していけるのだ。広島支社では、独自に社内外の好事例集を集めた「ナレッジメルマガ」を広島支社全員に配信し、営業に役立てているという。


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「従業員からは、取組を始めて、“営業の幅が広がった”という声も上がってきています。福利厚生面での働き方だけでなく、従業員自身の成長を促すような働き方が形になってきたことが、私どもとしてもうれしい点ですね」と田原部長。

実際、取組を始めてから、リコージャパン広島支社では、残業時間(月)11時間→8.5時間、顧客訪問件数110%(昨年度比)、新規顧客訪問130%(昨年度比)、商談成約日数88%(昨年度比)といった成果が上がっている。同社の課題であった若年層の離職においても、新入社員一人にアドバイザーとして先輩社員一人を付けることにより、3年以内の退職者がゼロという好結果が得られたそうだ。

現在はテレワーク(在宅勤務)の制度導入を検討中で、子育て中の女性従業員を対象に試験的に実施しながら、制度を確立していく予定だという。これがうまくいけば、テレワークを実践するための情報基盤や、情報共有ツールの整備法などを、従業員自身の体験も踏まえながら、お客さまに向けて提案していくことも可能になる。

「今回の認定をきっかけとして、取組をスピードアップさせ、広島支社が社全体をリードしていくような存在となりたい」と、今後の意気込みを語る田原部長。地域にとっても、同社のような存在があることは、県内の働き方改革を前進させていく上でも頼もしい限りである。