働き方改革優良事例

「働き続けたい」「いい仕事がしたい」と思える
魅力的な会社を目指して

オタフクソース株式会社

  • 製造業
  • 広島市
  • 301以上
  • 推進体制(総務人事)
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
  • 多様な人材の活躍
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒733-8760 広島県広島市西区商工センター7丁目4番27号
URL http://www.otafuku.co.jp/
業務内容 ソース、酢、たれ、その他調味料の開発・製造・販売
従業員数 514名(男性311名、女性203名)

(2018年2月現在)

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  • 女性の就業継続のための「オタフクエンゼルプラン」
  • 育児休業からの復帰をサポートするコミュニケーションシート
  • 9日間の連続休暇も取得可能な「ノーリーズン休暇」
  • 設備投資による生産性向上・多能工化の推進
  • 課題は、人財育成による更なる生産性の向上

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きっかけは、女性の働きやすい環境作り

子育てしやすい制度と、スムーズな復帰サポート

type1_otafuku_2.jpg「私が入社した頃は、結婚・出産を機に退職する女性がほとんどでした。会社としてもそれを祝福する風土でしたが、時代の流れとともに子育てをしながら働き続けたいという声が女性社員から徐々に上がるようになりました。しかし、子育てをしながら働くというのは、とても大変なことです。そこで、子育てを行う女性の負担を少しでも軽減しようと、会社を挙げて女性が働きやすい環境作りに取り組むことにしました。今、振り返ると、この女性のための取組が、当社が働き方改革を行うきっかけになったと思います」と執行役員・人事部部長の島原由里子氏は語る。
同社は、平成17年度に、法定を超える1年6か月の育児休業や、短時間勤務制度(就学まで最長2時間)、事業所内保育所の設立などで構成される「オタフクエンゼルプラン」を制定。
思い切った改革に、当初は「人手が減って現場の負担が増えるのでは」と不安の声もあがったが、社内報やハンドブックによる情報発信に加え、人事部が全国の拠点で説明会を開催し、丁寧に説明してまわったことで、次第に理解が進み、各職場でも、マニュアル化や多能工化とお互いの協力体制で、制度が定着してきたという。
その結果、結婚・出産を機に退職する女性はごくわずかとなり、多くの女性が育児休業を利用して復帰するようになった。その後、育児をしながら働く女性も増えたため、短時間勤務制度の見直し(就学まで最長2時間 ⇒ 小学3年生まで最長3時間)も実施している。


type1_otafuku_3_3.png制度だけではない。育児休業中は長期間仕事から離れるため、復帰後自分が元通りに働くことができるのか不安に駆られる社員も多いという。この不安を解消し、復帰をサポートするために、休業中の社員と上司が連絡を取り合うためのコミュニケーションシートを作成した。このシートは1月に1回メールでやり取りされるが、休業中の社員からは子育ての状況や、休業中に思いついた業務に関するアイデアなどを、上司からは会社全体や担当部署の状況などを連絡する。こうすることで、社員は休業中も会社や担当部署の動きを把握でき、さらに会社とのつながりも感じることができるため、復帰に対する不安感が軽減されるという。
人事部チーフスタッフの吉廣さんは「私も約1年半、育児休業を取りましたが、上司からのシートに『仕事は、今はこんな感じ。君がいないと困る。早く帰ってきて欲しい』と書いてあり、嬉しかったですね」と笑顔で語る。

休暇取得に向けた意識・制度・設備の改革

9日間連続休暇・設備投資に伴う生産性向上・多能工化

type1_otafuku_4.jpg平成27年度より、年次有給休暇の取得率向上に向けて、連続5日間、前後の土日も含めれば9日間のまとまった休みも取得可能な「ノーリーズン休暇」を導入。「ノーリーズン(理由なし)」という名称には、病気などのやむを得ない場合だけでなく、リフレッシュや自己啓発のために自由な発想で休暇を有効活用してもらいたいという思いが込められている。
制度導入に当たっては、実効性を持たせるため、人事部から各社員に対し、ノーリーズン休暇の計画作成を要請し、必ず取得するよう勧奨。導入当初は反発の声もあったが、トップ自らの積極的な休暇取得や、社内報での具体的な利用事例の発信などを通じて、徐々に休暇を利用しやすい雰囲気が醸成され、お互い様という意識から、フォロー体制も各部署で整ってきたという。この休暇を取得し、旅行などに出かける社員も多い。
本社工場製造一部の坪井さんは「新婚旅行は海外に行きたかったのですが、当時事情があって、海外に行くことができませんでした。しかし、ノーリーズン休暇による長期連休を利用して、念願だった海外に行くことができ、妻も喜んでくれました」と語る。


type1_otafuku_5.jpg生産性の高い設備導入も、休暇の取得に寄与している。平成29年10月には、業務用商品の最新自動充填設備を導入。業務用の10ℓ・20ℓの製品をつくる工程は、従来は、容器のセットから充填・キャップ閉め、ラベル貼り、製品の運搬まで全てに人の手が入っていたが、この装置の導入により、ほぼ全ての工程が自動化され、作業負担が大幅に軽減された。もともと5名の社員が必要だったが、1名の社員で事足りるようになり、重たい容器の運搬など力仕事も減ったため、女性でも従事できる作業になった。
設備の導入に中心となって携わった坪井さんは「私達製造の現場と生産技術担当者が何度も何度も議論を重ねながら、どうすれば製造プロセスが最適化されるかを検討してきた結果です」と語る。
同社では、このような設備投資を重ねながら、業務量の削減はもちろん、男女の別に関係のない多能工化を少しずつ実現することで、より休暇を取得しやすい環境の整備を進めている。

女性の離職率低下・休暇取得率の向上

やりがい⇒意欲・能力向上⇒生産性の向上

type1_otafuku_6.jpgこうした取組は、徐々に成果として結実してきている。女性の定着が進み、平成17年度には10.4%だった離職率が、平成29年度には2.4%まで低下。平均勤続年数も、男性社員との差が毎年着実に縮まってきている。また、年次有給休暇の取得日数も大幅に増加。年間の有給休暇の1人当たり平均取得日数は平成24年度が6.6日だったのに対し、平成29年度 は10.6日まで増加している。こうした取組は外部からも高く評価されており、女性の活躍推進という観点で特に優良な企業が認定される厚生労働省の「えるぼし」にも、県内で2番目に認定された。

社員にどのように活躍してもらうかが、これからの課題だという。
『今後は、「仕事が面白い」と思えるような経験やチャンスを、若い世代を中心にこれまで以上に提供できればと考えている。そうすることで、仕事にやりがいを感じ、「もっと良い仕事をしたい」「もっと自分の能力を磨きたい」と考える社員が増えてくれると嬉しい』と島原氏。仕事に対するやりがいが、意欲・能力の向上につながり、ひいては生産性の向上に寄与することを期待している。
同社では、部署横断型のプロジェクトや研修に自ら手を上げて立候補することもできる。この制度を利用して、現在、入社5年目の女性社員が「海外実務研修」に参加し、アメリカで業務に従事しているという。

最後に「社員が働き続けたい、良い仕事がしたいと思える魅力的な会社になるため、社員がお互いを尊重し、それぞれが高いスキルを発揮しながらイキイキと働き続けられる職場づくりを目指して、これからも働き方改革の取組を推進していきます」と島原氏はこう締めくくった。