働き方改革優良事例

女性の活躍を主眼に、
多様な人材が働きやすい職場づくりを推進

呉信用金庫

  • 金融業・保険業
  • 呉市
  • 301以上
  • 推進体制(総務人事)
  • 休暇取得の促進
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒737-0045 呉市本通2丁目2-15
URL http://www.kure-shinkin.jp/
業務内容 協同組織金融業
従業員数 720名(男性380名、女性340名)

(2018年2月現在)

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  • さまざまな職位の女性職員によるダイバーシティ委員会を設置
  • 有給休暇スケジュール表の作成により、カバー体制も構築
  • 「くるみん」マークの認定も強みに
  • 信用金庫業界全体で女性の就業継続を支援
  • 人事部スタッフを交え委員会を進化

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女性職員の活躍を進めたい

有給休暇取得率や時間外労働削減に大きな成果

type1_kureshin_2.jpg呉信用金庫の働き方改革は、平成27年の女性活躍推進法成立を契機にスタートした。女性が活躍できる職場づくりを目指しての働き方改革を指示したのは理事長だが、具体的な取組は女性職員が中心になって検討したという。女性管理職比率が低いことや優秀な人材確保に悩んでいたこともあり、働き方改革の推進は呉信用金庫の命題だった。

まず着手したのは、ダイバーシティ推進専門委員会を平成28年度に立ち上げたことである。「多様な働き方」をコンセプトに、支店長から一般職員、既婚者から未婚者までさまざまな職位、立場の女性職員たち8名で構成された。同金庫では、平成28年3月に女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し、有給休暇取得率や女性管理職比率アップを数値目標として設定しているが、女性活躍を推進していくためにも、働き方改革に向けた具体的な取組を、この委員会を通じて検討することになったのである。繁忙月であっても、必ず月に一度は委員会を開催しているという。働き方改革を推進していくための施策を検討し、そのプロセスや結果は、広報誌に掲載して全職員にアナウンスすることとされている。

ダイバーシティ推進専門委員会の活動による具体的な働き方改革の取組の一つに、有給休暇のスケジュール計画表がある。有給休暇取得率をアップさせることにより、職員のリフレッシュだけでなく、業務の属人化を防ぎ、カバー体制もつくれると考え、いかに取得を推進するかの検討から提案された取組だった。取組前の職場の雰囲気は、休暇を積極的に取得しにくいというのが実情だったが、3カ月ごとの有給休暇計画表を一人一人の職員が上司に提出し、職場で共有することにより、職員同士の休暇スケジュールが見える化され、上司も仕事の割り振りが容易になったとともに、他の人が休みをとるなら自分もという気持ちにもさせたという。さらに、休みを取ることで心身共にリフレッシュでき、結果的に仕事の効率アップにもつながった。また、職員同士に、お互いが仕事をフォローするという意識も芽生え、リスク管理にもつながるなど徐々に取組が進んでいるという。


type1_kureshin_3.jpg平成28年度の有休取得率は、前年度から30ポイントアップの60.5%となった。時間外労働については、同じく平成27年度から10.9ポイント減の9時間25分(1カ月平均)となった。
「働きやすい環境づくりに向けた取組を、職員からの提案で実現できたことが大きな収穫です。そして、女性が働きやすい職場は、男性も働きやすい職場であることをあらためて認識できました」と語る人事部の片山部長。
職員の提案を真摯に受け止め、導入しようとする会社の姿勢が、職員のアイデアを引き出している。


積極的な子育て支援が企業としての強みに

「くるみん」認定に大きな反響と手応え

type1_kureshin_4.jpg同金庫は平成28年に「くるみん」認定を受けた。「くるみん」の認定を受けるためには、雇用環境の整備について適切な行動計画を策定し目標を達成したこと、男性の育児休業等取得者が1名以上いること、女性の育児休業取得率が75%以上であること、所定外労働時間の削減等に向けた取組を実施していることなど、10の基準がある。これらの条件を全て満たした企業に「くるみん」マークが与えられる制度である。同金庫では、仕事と子育ての両立を図るための環境整備として、育児休業者の職場復帰プログラムや事業所内託児所の設置・運営などに取り組んでおり、これらの努力により、育児休業取得率は100%という。

「くるみんの認定は、女子学生から大きな反響がありました。近年の大学生は、就職の際に、ワークライフバランスを重要視する傾向があります。女子学生も長く勤めたいと考える人が非常に多くなりました。出産・子育てしながら働くことを支援する制度が整った企業として、積極的にアピールしています」と片山氏はいう。
平成30年1月には広島県働き方改革実践企業の認定も受け、さらなる取組を進めていこうとしている。

また信用金庫業界全体の取組として、配偶者の県外転勤の際、転勤先の信用金庫で働くことができるシステムが確立されている。かつて、信用金庫は地域密着の金融機関であるため支店に限りがあり、配偶者が県外に転勤になった職員が退職するという実態があった。しかし、全国の信用金庫がシステムを一貫したことなどから、配偶者の転勤先にある信用金庫に勤めることが可能になったという。実際、呉信用金庫で働いていた職員が、配偶者の転勤先に同行した先の信用金庫で即戦力として活躍している例もあるそうだ。今後は、他県の信用金庫の職員が呉信用金庫で働くこともあり得る。これまでのキャリアによって、職員が身に付けたスキルを長く生かしてもらおうという画期的な試みである。

働き方改革をさらに精査し、次のステップへ

オブザーバーの参加により、さらなる取組を推進

type1_kureshin_5.jpgダイバーシティ推進専門委員会は、最初の1年間は女性職員のみのメンバーで活動していたが、現在は事務局である人事部を除く他部署の男性職員も、オブザーバーとして参加している。「委員会のメンバーの率直な意見は、もちろん大事ですが、多様な視点を取り入れ、実行できる案や少しアレンジした方が良いアイデアなど精査することも必要です。そこで、他部署の職員にオブザーバーとして参加する機会を増やし、より冷静に、そして確度の高い働き方改革を実現しようと考えています」と、人事部の服部さん。
服部さんは男性職員であるが、委員会の一員として活動することで、服部さん自身も、男性では気付きにくい視点での発想に刺激を受けることも多いそうだ。子育て支援の環境づくりが整ってきた今、今後は介護を支援する体制が課題と感じている。

片山氏は改革に取り組んだ日々を振り返る。
「これまでの働き方改革の取組により、職員の仕事への意識が高まっていると実感しています。働きやすい環境づくりは、在籍している職員だけでなく、当金庫の強みとして学生への大きなアピールポイントになると考えています。有給休暇の取得促進や時間外労働の削減など、まだまだ取り組んでいきたい事項については、さらにアナウンスを強化して、業務効率の仕組みづくりを進めていきたいですね。委員会も次のステップへと進化させ、より働きやすい職場づくりを進めていきたいと思います」