働き方改革優良事例

イキイキした働き方や休み方を共有し、
新しい価値の創出、生産性向上につなげる風土づくり

株式会社サンキ

  • 卸売業・小売業
  • 広島市
  • 301以上
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
認定マーク
所在地 〒733-8620 広島県広島市西区草津港三丁目3番33号
URL http://www.kksanki.co.jp/
業務内容 医薬品卸売業
従業員数 1009名(男性541名、女性468名)

(2018年7月現在)

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  • 「イキイキ通信」の発信で、働き方や休み方の取組を全社で共有
  • 30分早い退社を目指して会議の見直しや無駄な業務を見直し
  • iPad導入やWeb会議システムの導入で、移動時間を有効活用
  • イントラネットで、働き方改革の取組や制度を周知
  • 「カジュアルデー」など、定時退社へのさまざまな取組

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取り組んだ背景とは? ~まずは、自分たちが健康かつ幸せでなければならない

同社は、「健康創造企業」として、医薬品事業を中心に、医療・保健・福祉に関わる全般的な支援事業を行っている。
人事部長の木下氏は、「当社は医療と健康をテーマに、地域社会への貢献を目指しています。地域の人々の健康を守り、夢と生きがいを提供するからには、何よりもまず、私たち自身が健康でかつ幸せでなければならないと考えています」と語る。
同社は、2014年のイクボス同盟ひろしまへの参加をきっかけに従来の働き方を見直し、従業員が働きやすく、能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指して、働き方改革に取り組んだ。


取組導入のプロセス ~サンキ労働組合と協力し、従業員の要望をもとに着手

同社の働き方改革は労働組合と共同で進めており、隔年で組合員意識満足度調査を実施している。その調査結果で、休暇の取得に対する要望が高かったことから、まずは従業員が休みやすい環境をつくることに着手した。
「業務の内容や量を変えずに、ただ休みを増やすだけでは、従業員が疲弊してしまうと思いました。きちんと休めるようにするには、業務を見直し無駄をなくすことが重要です」と、木下氏は語る。
そこで、トップのリーダーシップのもと、業務の洗い出しや見直しといった業務内容の改善を進めている。加えて、従業員の働く時間帯および人員の配置が適正かをチェックし、残業の削減や休暇制度の充実など、具体的な施策を実行していった。


主な取組と工夫点 ~従業員の時間に対する意識を高めながら、取組を実践

30分早い退社を目指し、営業業務を見直し

業務の効率化による生産性向上を目指し、2016年8月から営業職の時間外労働を削減する「30分早く退社するための取組」を実施している。会議や資料など事業所内の業務を見直し、従業員間での業務の共有やマニュアル化に取り組みつつ、早めの退社を呼び掛け、社屋の完全施錠時刻を設定した。これにより取組前と比較して、営業職の退社時間は1日12分ほど早まり、月平均で約240分の残業が削減された。従業員自身が決められた時間内で、いかに効率よく仕事をするかという意識に変わっている。

iPadとWeb会議で、無駄の削減と活発な意見交換を実現

営業など外勤の多い業務では、会議や報告のために会社へ戻ることがあったため、iPadなどを導入して、無駄な移動時間を削減した。また、Web会議システムを活用した会議は、若手従業員の研修でも使用している。研修では、講師が一方的に教えることが多くなりがちだが、Web会議のチャット機能を利用することで、参加者が意見を言いやすくなり、双方向で活発なコミュニケーションが図られるという。

イントラネットで、働き方改革の取組や制度を周知

自社の働き方改革を従業員に周知するため、イントラネットにて、人事部から「イキイキ通信」という記事を発信している。内容は、取組や制度の詳細、従業員の休暇の過ごし方など多岐にわたっており、風通しの良い元気な職場づくりを推進している。
木下氏は記事の効果について、「仕組みとともに利用方法が視覚的に分かるため、理解が深まり、制度の利用促進につながっています。休暇に関する記事は、休んでもよいという風土の醸成にも一役買っています」と語る。

「ムダを無くして定時退社!カジュアルデー」など、定時退社への取組

同社では、2017年から月1回の「ムダを無くして定時退社!カジュアルデー」を実施している。カジュアルデーの当日は、定時退社のほか、女性従業員には、通常の制服ではなくオフィスカジュアルな服装での勤務を推奨している。
他にも各職場での取組として、職場単位の新たな定時退社日の設定や、職場内のアンケートや意見交換による、無駄な業務の洗い出しや改善の検討を行っている。「時間内に業務を終えるにはどうしたらいいか」など、現場で出てきた疑問について、自分のこととして意見を出し合うことで、一人一人が働き方を見直す機会になり、時間に対する意識が高まるという。


取組の成果

「最初は休暇の取得に遠慮がありましたが、効率よく働いて休むという考えが浸透し、職場の雰囲気は確実に変わってきています。ワークシェアを取り入れ、業務をマニュアル化し、ローテーションで行うことで属人的な業務がなくなり、誰かが休みでもカバーできるようになりました」と、木下氏は成果を語る。改革でキーになったのは「お互いさまの気持ち」だという。制度があっても、実際に活用できる環境が伴わなければ、机上の空論になってしまう。そんな思いから、協力し合える人間関係をつくることを重要視している。
また、女性の活躍推進や非正規社員の正社員登用も積極的に行っており、多様な人材が働ける環境に向かって一歩ずつ前進している。

労働時間・休暇(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が143.0時間
・常用雇用者の年次有給休暇の平均取得日数は9.3日


従業員からの評価

営業部長の寺畠氏は、「時間外労働を社内で問題視したことで、少しずつ今までの働き方を見直し、休むことが大事という価値観に変わりました。最初、自分だけでは、先に帰りづらい雰囲気でしたが、上司が積極的に帰宅するよう声掛けを行い、取引先にも会社の取組への協力をお願いしたことで、安心して帰れるようになりました」と、管理職の取組の効果を語る。
営業担当の村田さんは、「3日連続で休めるアニバーサリー休暇があるおかげで、いろいろなことにチャレンジできます。あるとき部下から休暇で何をすればよいかと相談され、部署のみんなで考えたこともあります。休日をどう使うかは楽しい悩みですね」と話す。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標など

最後に木下氏は、現状の課題と目標について次のように語った。 「社員が働きやすい環境づくりや休暇制度など福利厚生の充実は、働いている従業員の満足度の向上や、優秀な人材の確保にもつながると思います。しかし、まだ今の段階では、事業所の規模によって休みやすさや取組状況に差があります。今後は勤務地や部署ごとの差がなくなるよう、さらなる取組が必要です。そして仕事は、人生の半分を占めるものです。従業員の人生が豊かになるような会社でなければならないと考えています。今後とも仕事と家庭のバランスを図りながら、従業員の人生を充実させられるよう試行錯誤を重ねていきます」

取材日 2018年10月