働き方改革優良事例

女性の働きやすさを主眼に、
柔軟な勤務時間や有給休暇の取得を促進

株式会社京都嵯峨野

  • サービス産業
  • 広島市
  • 101〜300
  • 推進体制(総務人事)
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
認定マーク
所在地 〒732-0811 広島県広島市南区段原2丁目14番4号
業務内容 婚礼貸衣裳業
従業員数 115名(男性14名、女性101名)

(2018年6月現在)

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  • 社長自ら働き方改革の理念を発信し取組を推進
  • フレックスタイム制度を導入し、残業時間の削減・休暇取得を促進
  • 平日勤務や時短勤務ができる職場を新設し、産休・育休からの復帰を支援
  • 入社時のジョブローテーションのさまざまな業務体験で定着を促進
  • 配置転換を希望できる「ポストチャレンジ」制度で意欲を後押し

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取り組んだ背景とは? ~社長交代を機にトップダウンで取組を推進

同社は、1980年にスタートした貸衣裳事業を中心に展開し、グループで婚礼写真や美容、ブライダル情報センターなども展開している。働き方改革に取り組み始めたのは、現社長が就任した約4年前だという。
「お客さまが中心のサービス業ということもあり、以前は、有給休暇などの制度はあっても、なかなか利用されていませんでした。いわばブラックに近い企業でした」と、総務部人事課課長の倉重達成氏。
社長は、就任当時から「ホワイト企業にしたい」「女性が多い職場だからこそ、女性が長く勤められる会社にしたい」という強い意気込みを持っていたという。会議や日常業務の中で、社長自らが働き方改革の理念を発信し続け、取組を進めていった。新卒社員の離職率が高い水準で推移していたことも、取組を進める要因の一つであった。


主な取組と工夫点 ~シーズン休暇やフレックスタイムなどの導入

1シーズンに3日、1年で12日の有給休暇の取得を義務付け

3年前から「シーズン休暇制度」を新設。各シーズンに3日、1年(4シーズン)で12日の有給休暇の取得を強く促進する制度である。取得状況が低い場合は、人事課長が店舗や部署を直接訪問して、現状分析や問題点の把握を行い、役員会へ報告する。改善が見られない場合には、所属長の配置転換まで検討すると社内に通達しているという。「実際に配置転換した事例はありませんが、厳しいぐらいに順守を指導しています」と倉重氏は語る。この制度の導入により、2017年の有給休暇の取得日数は11日を超える。

全従業員にフレックスタイム制度を導入して、残業時間を削減

全従業員に、コアタイムなしのフレックスタイム制度を採用している。1カ月の労働時間の範囲内で、出勤・退勤時間を調整することができる制度だ。例えば、来客が少ない平日は早めに切り上げて帰り、土日は長めに働くという働き方もできる。「営業時間が19時までですので、以前は、仕事の後に他社に勤める友達と会いづらく、コンサートに行くといったイベントの予定も入れることができませんでした。今は、フレックスタイム制度を上手に利用することができます」と、販売部部長の和田氏は話す。その分、メリハリを持って仕事を進めることで生産性が向上し、残業時間も減ったという。

平日勤務や時短勤務ができる職場を新設し、産休・育休後の復帰を支援

サービス業で、土日祝が営業の中心である同社では、出産後の復職に至らないことがあり、離職防止は大きな課題となっていた。そこで2年前に、衣裳のメンテナンスを行い、セットして届ける部署として観音メンテナンス工場を新設した。勤務日は平日だけであり、さらに、1日3〜5時間でも働ける時短勤務も取り入れている。
「観音工場は子育て中の従業員が多いので、活気があり、子育ての相談をし合うなど、みんなとても楽しそうに働いています。いずれ、子どもが大きくなれば店舗に戻ってきてくれると思いますので、長い目で見て顧客サービスを高い水準に保つことにつながると考えています。メンテナンス工場で得た知識は、店舗でも役立ちますので、スキルアップにも期待しています」と和田氏。

ジョブローテーションでさまざまな業務体験を経ることで定着を促進

同社はグループ4社での一括採用を実施しており、4年前より新卒採用の従業員は、貸衣裳、写真、旅行、引出物、指輪、美容、情報センタ-、ア-ティシャルフラワーの8部署の現場を体験する「ジョブローテーション制度」を導入している。最終日に配属希望を聞いた上で、配属を決定する。
「全ての業種を経験してもらうことで、新卒採用の従業員と仕事のミスマッチが少なくなりました。他の取組の成果もあると思いますが、配属を会社が一方的に決めていた頃に比べると、離職率が大幅に減少しました」と倉重氏。

自らの提案で配置転換を希望できる「ポストチャレンジ」制度

年に1回、全従業員が配置転換を希望できる「ポストチャレンジ制度」を実施している。「この部署に異動させてもらったら、このような仕事ができる」という提案を行い、役員会で了承されれば、本人の希望で部署を異動できる。
「この制度により、従業員には大きなチャンスが与えられ、仕事へのモチベーションも高まります。上司に相談する必要はありません。仕事が面白くないから変わりたいといった後ろ向きな理由からではなく、各人が、自分ができることを考えて、自発的に手を挙げることで成立するものです」と倉重氏。


取組の成果

取組前は、就業時間が店舗開店時間に合わせて10時から19時と規定されており、業務の繁閑は配慮されていなかった。フレックスタイム制度を導入することで、“本当に必要な時間だけ働く”というスタイルに変わり、不必要な残業が削減できた。(月平均の所定外労働時間10時間程度)

育児と仕事の両立(直近3年間)

・在職中に出産した女性従業員のうち、育児休業を取得した者の割合100%

若年者(直近3年間)

・正社員として就職した新卒者等のうち同期間に離職した者の割合 約30ポイント減(取組前と比較)


従業員からの評価

「残業が続いたときには少し早めに帰ったり、遅めに来たり、フレックスタイム制度を使って調整しながら仕事をしています。だんだん時間が上手に使えるようになり、メリハリを持って働けるのがうれしいですね。有給休暇は全て使って、ディズニーランドなどへ旅行に行ったり、ライブを見に行ったりしています。気持ちの切り替えをしながら、仕事とプライベートを両立して、これからもがんばっていきたいと思います」と販売部の永金さんは話した。
その他にも「結婚・出産イコール退職といったイメージがなくなった」「育児休業後に復職する人が増えて、社内での女性の働き方が変わってきていると実感できる」「仕事と家庭のメリハリがはっきりし、プライベートが充実することで、日々の業務にも励みが持てるようになった」といった声が上がっている。


現在取り組んでいる上での課題や今後の目標など

「長く勤めている従業員と近年入社した従業員では、残業や休日に対する感覚が違っていましたが、この4年間でその差がだいぶ縮まったと感じています。2017年にはハローワークと連携して、採用を前提にした障害者の方のインターンシップも受け入れました。残念ながら就業には至らなかったのですが、多様な働き方ができ、私たちの仲間になってくださる方がもっと増える魅力的な職場にしていきたいです」と倉重氏。さらに「女性従業員がさらに働きやすい環境を整備するため、将来的には企業内託児所や保育園を設置したいと考えています。今、いい方向に向かっていると思いますので、このまま継続して取組を進めていきたいです」と、力を込めて語った。

取材日 2018年10月