働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

時間外労働の見える化を取組のベースに、
さまざまな視点で改善を実施

株式会社メディアテック一心

  • 建設業
  • 福山市
  • 101〜300
  • 推進体制(総務人事)
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
認定マーク
所在地 〒720-0843 広島県福山市赤坂町赤坂1276番地
URL http://www.mediatec-isshin.co.jp/
業務内容 電気・情報通信工事など
従業員数 123名(男性106名、女性17名)

(2018年11月現在)

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  • 時間外労働の状況の見える化が取組のベース
  • ワークライフバランスを図るフレックスタイム出勤制度
  • 転勤制度と職種区分を見直し、従業員の満足度を向上
  • 有給休暇の事前計画で取得を促進
  • RPAを活用した業務の効率化を宣言

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取り組んだ背景とは? ~力を合わせて事業を継続・拡大していくために

1970年に、通信工事事業者として設立された株式会社メディアテック一心。創業者で現在グループの会長を務める眞田惣行氏は、会社創設時のメンバーの“団結”を表す意味で社名を「一心通信建設株式会社」にしたという。以後、社名変更や事業拡大を経ながら、現在の経営形態に至る。同社において、働き方改革への取り組みが必要とされた背景を、常務取締役の中新孝博氏は次のように語る。「建設業は、仕事がきつくつらいというイメージがあります。まずそのマイナスイメージを払拭し、従業員の満足度向上と人材確保につなげながら、力を合わせて事業を継続・拡大していきたいと考えました」


取組導入のプロセス ~まずは現在の状況を把握することからスタート

2014年、まずは従業員の時間外労働の状況を見える化することからスタート。総務経営管理室が中心となって、時間外労働の時間数を正確にデータ化して検証を始めた。部署ごとに毎月の変動などを細かく見ていくと、そこからさまざまな要因が見えてきたという。
「どの部署でどの時期にどのような仕事に取り組んでいたのか、また関わっていた人は誰なのかなども含めて、状況を分析しました。さらに売り上げを当てはめることで、部署ごとの売上高や作業効率も明らかになってきましたので、時間外労働を精査したことは改善に向けた新しい発見につながりました」と中新氏は話す。こうした分析が、同社の取組のベースとなった。


主な取組と工夫点 ~さまざまな視点で改善を実施

フレックスタイム出勤制度の試行

同社では、2016年から夏場の時差出勤を試験的に行っている。1年目は、出勤時間を通常より1時間前倒しした。その後のアンケートを参考に、2年目からは個人の都合により、出勤時間の前倒しあるいは後ろへずらすことも可能にし、夏場の一カ月に「フレックスタイム出勤制度」として実施している。全社での本格導入はまだ難しいが、制度を利用する人は少しずつ増えているそうだ。従業員のワーク・ライフ・バランスの充実を図るため、今後も継続を検討していくという。

転勤制度を見直し、従業員の満足度を向上

「建設業の宿命として、仕事がある場所に人を配置しなければなりません。採用時には、長期出張や転勤があることを説明しても、『大丈夫です』と答える人がほとんどですが、実際にその状況に置かれると、断る人も出てきます。家庭環境が変われば、行けなくなることもあります。それであれば転勤制度を見直すことも、従業員の満足度向上につながるのではないかと考えました」と中新氏。
2014年に社内規定を変更し、転勤のない一般職と、異動を地域限定とした総合職を職種に追加した。柔軟な規定変更に、地域限定での総合職には30名もの異動希望が出るなど、従業員の反応も良いという。

有給休暇の取得計画を事前に提出し取得

同社の期首となる2018年の10月から、試行期間として、従業員に有給休暇の取得計画を提出してもらい、上長等が管理・指導することに取り組んでいる。月1回開催される安全衛生委員会で、状況を把握する資料を配布。各事業所に有給休暇の取得実績の報告義務を設けて、正確な把握と指導を行っている。

RPAを活用した業務の効率化を宣言

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した業務の効率化に取り組むことを、2018年9月に従業員が集まる会議の場で経営陣が宣言した。当初、従業員からは「どういうものか分からない」といった声も出たが、RPAを使った動画や、実際に表計算ソフトで帳票を組み立てるデモを見せることで、具体的にイメージしてもらった。
「実際にデモ画面を見ると、従業員それぞれが、もし自分が使うなら、どういった場面でどんなふうに使うのか、といった想像ができたようです。導入のモチベーションも上がったと思います」と総務部の久保氏。RPAの導入による業務の効率化は、経営側と従業員側の双方にメリットをもたらす、働き方改革の切り札と考えており、今後の活用に期待を込める。

会社周辺の清掃・美化活動

社内各グループの従業員が集まり、会社周辺の清掃・美化活動を実施している。社会貢献活動の一環としての側面はもちろんあるが、グループ内やグループ間のコミュニケーション活性化にも寄与しているという。

「健康経営優良法人2019(中小規模法人部門)」認定

会社が負担し、インフルエンザの予防接種を実施するなど、健康面に配慮した、職場環境づくりにも注力しているという。


取組の中では課題も

「まだまだ道半ばです。会社側からの取組だけでなく従業員はもちろん管理職から、課題や改善策の提案がボトムアップで上がってくるようにしたいと考えています」と中新氏。普段から、管理職と従業員の間で、業務の改善に関わるやり取りが、活発にできる状況をつくっていくことが今の大きな課題だという。


取組の成果

従業員のワーク・ライフ・バランスの改善により、会社の取組に対する従業員の理解が進み、モチベーションも向上している。

労働時間(直近1年間)

・常用雇用者の総実労働時間(1カ月平均)が175.7時間

地域限定の正社員制度の利用者

・転勤のない一般職10人、異動を地域限定とした総合職17人

若年者への取組

・新入社員研修を年1回、若手社員フォロー研修を3回実施


従業員からの評価

「この夏には、フレックスタイム出勤制度を使って、1時間早く出勤しました。道路がすいていて通勤時間は短くなりますし、事務所には人が少なく集中して仕事に取り組めました。帰宅後の時間を病院に行くことや、プライベートなことに使うことができ充実しました」と久保氏。
その他にも、有給休暇取得などの取組に対して「プライベートや家族との時間が多く持てるようになり、リフレッシュにつながっている」といった声が上がっている。


今後の目標など

「毎月、部署ごとに目標を決めて、目標達成のための改善策を考え、実施しています。もちろん、それだけでは限界があります。RPAによる効率化とともに、各種制度の柔軟な運用と拡充を図って、両方向から職場の働き方改革に取り組んでいく必要があります。管理側と従業員側の意識の共有や、もっと活発にコミュニケーションを取りながら、協力していくことを目指しています」と、中新氏は今後について語った。

取材日 2019年2月