働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

〝働きやすさ〟を求め、新制度を積極導入
有給休暇の取得率向上、新卒採用者離職率ゼロ

株式会社ビーシーシー

  • その他産業
  • 福山市
  • 101〜300
  • 推進体制(経営者)
  • 休暇取得の促進
  • 時間・場所等の多様な働き方
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒720-0814 広島県福山市光南町3-6-10
URL http://www.bcc.co.jp/
業務内容 情報通信業
従業員数 253名(男性215名、女性38名)

(2019年3月時点)

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  • 従業員視点の〝働きやすさ〟実現へ
  • 有給休暇の取得促進に向け制度を新設
  • 繰越で消滅する有給休暇を活用できる休暇制度の新設
  • コアタイムなしのフルフレックスタイム導入による柔軟な働き方

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取り組んだ背景 〜優秀な人材が流出、〝働きやすさ改革〟に着手

ビーシーシー_01.jpg三菱電機の系列会社で、FA(Factory Automation)製品を中心とした組み込みソフトウエアや、企業、自治体の基幹業務をサポートする情報システムを開発する。広島県東部、岡山県の10を超える自治体のほか、名古屋支店では国内最大の自動車メーカー関連各社のシステムを支える。人手不足が深刻なIT業界の中で優秀な人材の獲得競争は熾烈で、かつては採用しても優秀な人材から離職してしまう状況だった。そこで人材流出を防ぐため、業界に先駆けて働き方改革に着手し、経営基本方針の1つである「経営を通じて社員の幸せを実現する」の下、従業員の目線に立って業務を見直し、さまざまな改善活動を展開した。取締役社長の関谷洋氏は「近年の売り手市場の中で、退職者と同じレベルの人材を新たに雇用するのは簡単ではありません。まずは既存従業員を定着させる取組を始めました。会社視点の〝働き方改革〟ではなく、従業員視点の〝働きやすさ改革〟を掲げて、改善活動に取り組んできました」と話す。
約10ある部署の責任者で構成される会議を立ち上げ、改善活動に着手した。部署の責任者がそれぞれの職場で従業員から丁寧にヒアリングを行い、各部署で異なる意見をすくい上げ、横断的に課題と解決策の検討を行うことにした。

主な取組と工夫点

過重労働対策で、業務を共有・平準化

退職者を減らし、従業員の定着を促すため、まず過重労働対策に取り組んだ。同社の業務は、従業員1人で担当するものと、数人でプロジェクトチームを組む場合とさまざまだ。特に、特殊な業務を1人に任せると、そこに業務が集中し過重労働に陥りやすくなる。そのため、できる限り個々の業務をプロジェクトに携わるメンバーで共有し、負荷の分散を図った。業務に余裕が生まれることで、提供する業務の品質の向上にもつながった。

新たな休暇制度の導入による計画的な取得促進

ビーシーシー_02.jpg有給休暇を取りづらい雰囲気が社内に漂っていたため、取得促進を目指し、2016年から「パーソナル休暇制度」を始めた。年初に取得日を本人の意思で設定できるようにし、有給休暇を計画的に取得する風土の定着を図った。さらに2018年度からは盆休みなどの長期休暇に合わせて3日間連続で有給休暇を取得できる「夏季休暇制度」を新設。
制度導入前に従業員代表と協議したところ、傷病などの不測の事態に備えて有給休暇日数を残しておきたいとの意見が多かったため、導入に合わせて有給休暇の付与日数をプラス2日とすることで、制度の利用促進につなげた。

繰り越しで消滅する有休を活用できる制度を新設

家族の介護や急な病気などで職場から離れなければならない場合、繰り越しで消滅する有給休暇を、最大10日間利用できる「セルフサポート制度」も新設した。長期化しがちな介護への対応のために考案したものではあるが、傷病などにも幅広く活用できることから、従業員の満足度は高い。

フルフレックスタイム制度で業務に合わせた柔軟な勤務可能に

ビーシーシー_03.jpgかつて開発部門だけに適用していた「フレックスタイム制度」の全社への展開も実施。コアタイムの10時~14時45分以外は自由に出退勤できる制度で、2018年4月からはコアタイムを11時~14時45分と短縮し、より柔軟に働けるようにした。関谷氏は「クライアントに新システムを導入する時間帯は、顧客が業務を終えた夕方や夜間になることも多く、長時間勤務の原因の一つに。そういう時に、十分な休息を取って昼から出勤してもらえるように、2019年4月から全社でコアタイムなしのフルフレックスタイムの導入に踏み切りました」

若手向け研修の実施により、職場雰囲気も改善

入社3、4年以上の従業員を対象にプロジェクトマネジメント研修を実施している。研修によって、プロジェクトを計画からまとめる力、段取りする力、職場内・チーム内への気配り、オーバーワークのチェックなど、業務遂行する上で求められる能力の向上を図った。関谷氏は「研修を行うことで個々の能力が向上し、仕事の質が高まったほか、職場の雰囲気も明るくなった」と、好感触を得ている。

取組の中で苦労したこと 〜残業意識を変える難しさ

ビーシーシー_04.jpg残業しながら成果を出してきた従業員は多く、昔から染みついた意識を変えるのには困難を伴った。勤務時間管理の厳正化のため、従来のタイムカードに加え、会社出入口に設置してあるセキュリティーの入退場時刻を勤怠管理システムへ連携し、サービス残業を抑止する仕組みとした。残業が1カ月で45時間を超えると上司の許可が必要で、さらに80時間を超える場合は社長の許可が必要となることを徹底することにより、従業員自身の意識も変わり、規定内での残業が守られるようになった。

取組の成果 〜離職率を1%に改善、有休取得率も向上

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「辞めては採用」という悪循環から、「従業員の働きやすさを追求して定着の促進」にかじを切ったことで、離職率は1%程度まで改善した。さらに新卒採用者の3年以内離職率はゼロとなった。またパーソナル休暇制度や夏季休暇制度などにより、有給休暇の取得率は2015年の64.8%から2018年には79%に上昇した。
改革が奏功し、業績も好調に推移。従業員には賞与面で還元することもできた。また、業績への貢献度が高い部署に社長表彰を行うことで、従業員のモチベーションの向上につながっている。

課題や今後の目標 〜改革の成果を実感、さらなる働きやすさ追求

関谷氏は「有給休暇の取得率は右肩上がりで、従業員のプライベートが充実しているせいか、勤務中の表情も朗らかになったように感じています。これからも従業員の幸せを実現するために、働きやすさを追求していきます」と抱負を語った。

従業員からの評価

ITソリューション開発部 第一グループ
下江 拓二 氏

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改革が進み、働きやすくなっているのを実感しています。2018年に母の病気が発覚し、病院通いで介護に追われる日々を過ごしました。休暇やフレックスタイムを利用し、おかげで安心して母を看取ることができ、最後まで親孝行ができました。今年、小学校に入学した子どもの児童館への送り迎えは私の役目。妻にも喜ばれています。

取材日 2019年5月