働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

従業員の満足度を上げるオフィスリニューアル
自社の取組ノウハウを商品化へ

コニカミノルタジャパン株式会社中国支店

  • 卸売業・小売業
  • 広島市
  • 301以上
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
  • 時間・場所等の多様な働き方
認定マーク
所在地 〒730-0004 広島県広島市中区東白島町14-15 NTTクレド白島ビル8階
URL https://www.konicaminolta.jp/
業務内容 複合機・プリンター、印刷用機器、ヘルスケア用機器の販売と関連消耗品など
従業員数 コニカミノルタジャパン全体 3497人 (男3032人 女465人)

(2019年10月時点)

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  • 支店トップが主導した「0円リニューアル」
  • 従業員主体の「チームわくわく」を結成して推進
  • フリーアドレス化でコミュニケーションを活発化
  • テレワーク環境で直行直帰を促進

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取り組んだ背景 〜支店独自で従業員主体の推進チーム結成

複合プリンターや産業用印刷機を主軸に、企業向け文書管理コンサルティングなどを手掛ける。オフィスの自動化・効率化に貢献する機器を販売する企業として、本社は2013年から働き方改革に取り組み、効率化で減らした作業時間を創造性や自己研さんの時間につなげるコンセプト「いいじかん設計」を打ち出す。
中国支店長の北出誠氏が本社から広島に赴任した2017年10月当時、中国支店は別の場所にあるヘルスケア部門との統合・移転を控え、固定席で物や書類が散らばる旧態依然の状況にあった。働き方改革を提案する企業がこれではいけないと憂慮した北出氏が提案したのが「0円リニューアル」だった。「支店リニューアルは移転と同時に行う計画だったので予算がなかった。ただ、本社での経験から、今あるものを活用してできることはたくさんあると考えました。従業員みんなで対策を考えてほしいと声をかけました」と北出氏。従業員自身もきれいなオフィスに来るワクワク感があり、さらに来社した顧客に「わくわくするオフィスですね」と言ってもらい、売り上げアップにつなげたい、その願いをこめて従業員有志による「チームわくわく」を結成した。

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主な取組と工夫点

不要な書類・什器を撤去しフリーアドレス化

チームはまず現状の課題を洗い出し、始めに「オフィスクリーンアップ」に取り組んだ。机上に個人の物が散らばり、袖机には書類や物が山積みの状態から、不要書類を一掃する取組を敢行。個人の物はロッカーに収めた。これで、「不要物の置き場」と化していた袖机を撤去でき、空きスペースを確保し、フリーアドレス化に着手した。チームでレイアウトを考え、フリーアドレスのオフィスデザインを完成させた。

紙文書の削減・電子化、複合機へのアクセス改善で効率化

konica_04.jpg書類の処分と同時に、紙文書の電子化も進めた。紙文書のやりとりと保管を徹底的に削減。保管が必要な書類は外部倉庫に保管することで、書類棚をいくつか撤去できた。以前からテレワーク環境を整備していたため、紙文書の電子化により、報告書を書いて提出するためだけに会社に戻ることが不要になり、外勤者の直行直帰を進めた。
また、プリンターが席から遠い、複数の印刷タイミングが重なって自分の印刷物が出てこない、引き取り手のない印刷物が放置されている、などの課題も。そこで、皆が均等に取りに行ける位置にプリンター、複合機を配置するとともに、自分のIDを入力して文書印刷する認証プリントも導入し、効率化とセキュリティー強化を図った。

会議用テーブルでコミュニケーションが活発化

オフィスの課題に、他部署とのコミュニケーションが少ないことが挙げられていた。そのため、フリーアドレス化に伴い、5カ所のミーティングスペースを確保。オフィスの南窓側の明るくオープンな場所に会議用テーブルを置いたことで、コミュニケーションが活発化。部署を超えて距離が近くなった、情報共有しやすいという声が上がった。出張で来た従業員にも「開放的でオフィスの印象が良くなった」と好評だ。

取組の中で苦労したこと 〜抵抗の大きかったフリーアドレス化、地道な声かけで実現

konica_05.jpg「チームわくわく」リーダーの日野賢司さんは、従業員の意見を聞きながら合意形成をしていく中で、組織運営の難しさを実感したという。「フリーアドレスは一番反対意見が多かった。固定席の良さは承知していますが、働き方改革を提案する企業として価値観を変えることが必要。他部署とのコミュニケーションから発見もあるからもっと交流しましょうと、地道な声かけを続けました」と話す。

取組の成果 〜オフィス改装で移転費が不要に

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保管文書の削減やフリーアドレス化で座席数を従来よりも14%削減できた。「支店の従業員は約60人、ほとんどが営業とサービスエンジニアで昼間は不在です。フリーアドレス化により外勤者のデスクが不要になり、別拠点で業務を行っていたヘルスケア部門20数人の受け入れを現状のオフィスで可能に。0円リニューアルが移転の手間や経費を抑え、効率や採算性の向上につながりました」と北出氏。
カーシェアリングを導入して社用車経費を節減。テレワーク環境の下、直行直帰を進めたことで、帰社時間分の残業代と車移動分のガソリン代も削減した。その他、OA機器の省電力化、不用な照明消灯、空調の設定温度管理、フレックスタイムによる在社時間削減などにも取り組み、結果的に電力使用量削減などでも実績を上げた。

課題や今後の目標 〜作業効率改善の取組を販売活動に生かす

2018年4月に「0円リニューアル」が完了。その3カ月後に社内外にアンケートを行うと、出張で来た人には、作業できる場所ができたことと、窓際のミーティングスペース設置の満足度が高かった。一方、社内からは、袖机にあった文具を遠い場所に置くことになって不便、直行直帰で出社確認が取りにくいなど、改善につながる意見も出た。
これらの意見をもとに、2020年中を目標にオフィス完全リニューアルを目指す「わくわくプロジェクト」を進行中。残業削減、有給休暇消化を目標に設定すれば、ただ時間を減らす、休暇を取ることに注意が向く。そうではなく、実際の業務工程を減らすことを目標にすれば、結果的に残業時間の削減につながり、企画・アイデアを生み出す時間、プライベートな時間ができるというのが、同社の提唱する「いい時間設計」の考え方だ。「受発注など内勤の部署は、既存のソフトを使った工程の自動化に取り組んでいます。外注してコストをかけるよりも、自社で取り組み、そのノウハウを蓄積、社内で実践した“いいじかん設計”のノウハウをお客様の目指す『働き方改革』の実現に向けて展開し、貢献していきたい」

従業員からの評価

情報機器事業本部 中国支店 直販営業グループ
日野 賢司 氏

konica_08.jpgテレワークやウェブ会議などの環境が整っているので、移動時間や待ち時間をミーティングや報告などに活用できます。早く帰って家族と過ごしたり、資格取得の勉強時間ができたりと、自分の時間を持てるようになりました。社内でのコミュニケーション時間も増え、飲みに誘ってもらうことも増えました。

情報機器事業本部 中国支店 直販営業グループ
高野 展行 リーダー

konica_09.jpgテレワーク、直行直帰ができる環境のおかげで無駄な時間が削減され、空いた時間を個人面談などに使えるようになり、従業員間のコミュニケーションが増えました。各営業担当者の得意分野を詳しく把握できるようになったので、それに合わせて顧客担当を最適化したところ、専門性が向上し、提案力も高まり、お客様にも好評です。

取材日 2019年5月