働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

経営改革は働き方改革にあり
ボトムアップでの改革は、楽しく自社らしく

株式会社ポップジャパン

  • 製造業
  • 広島市
  • 31〜100
  • 推進体制(経営者)
  • 推進体制(総務人事)
  • 長時間労働の削減
  • 休暇取得の促進
認定マーク
所在地 〒731-3168 広島県広島市安佐南区伴南2丁目5-19-26 西風新都 セントラルシティ産業団地
URL http://www.pop-japan.co.jp/
業務内容 のぼり・旗・幕の製造販売
従業員数 59人 (男性34人 女性25人)

(2019年8月時点)

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  • 自社用のぼり旗の掲示で改革機運を高める
  • 全従業員が参加する改革イベント開催
  • 社内インターンシップで相互理解へ
  • 徹底した業務の標準化で残業時間を削減

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取り組んだ背景 〜下請けからの脱却、経営改革は働き方改革から

popjapan_01.jpg下請け受注をベースとした「のぼり旗」製造を主な事業とする。全国に営業を展開し成長を続けてきたが、インターネットの普及によって広告媒体としてののぼり旗の在り方が変化し、「このままでは生き残れないと危機感を覚えるようになった」と専務の熊本弥生氏。そこで攻めの営業に転じるため、社内で企画・デザインを行うクリエイティブ課を新設。試行錯誤しながら経営改革に着手したが、多品種一品加工による事務作業の増大、営業と生産が同じ社屋内で肩を並べる稀有な環境ながら連携ができていない、ボトムアップ力が弱く主体性に欠ける、などの課題も明確に。さらに社内アンケートでは「トップとしてしっかりと伝えたつもりのビジョンが隅々まで届いていないことが分かり、衝撃を受けました」と語る。「でもだからこそ、社内の壁を取り払い『全社一体』を実現するには、従業員一人一人に真剣に誠実に向き合わなくては、良い会社にできない、と強い思いで改革をスタートさせました」

主な取組と工夫点

スローガン記したのぼり旗で一体感を醸成

popjapan_03.jpg主力事業「のぼり旗」は、もともと人を集め、元気づけるためのもの。それゆえ、働き方改革を始める際にも「楽しくやろう」がキーワードの一つだったという。そこで、「全社一体で取り組もう」という思いをのぼり旗で表現。「GOGO!働き方改革」など機運を高めるのぼりを、社内のいたるところに掲示し、「ポップジャパンらしい」周知を実行。発案からデザイン、生産まで行える同社ならではのユニークなやり方で、視覚的かつ楽しく従業員のモチベーションと一体感を醸成する〝イベント型〟働き方改革を行った。

全従業員参加イベントで、課題を抽出・改善

popjapan_04.jpg「全員参加」と「自主性の向上」を目指して行ったのが、全員参加の業務カイゼン運動「PJ(ポップジャパン)サミット」だ。各部署がチームを組み、準備期間にそれぞれの部門の課題を抽出、解決への発案・取組を実施。その成果を競い合うイベントを行った。「業務の効率化や技術の向上など、各部署とも真摯に向き合っており、そのレベルの高さに感動しました」と熊本氏は振り返る。

社内インターンシップで見えない壁を取り払う

熊本氏をはじめとした経営陣は、経営改革が進むにつれ、新しい事業を打ち出すクリエイティブ・営業部門と、さまざまな注文に対応していかなければいけない生産部門間の心の距離が拡大していると感じていたという。そこで、事業の閑散期に製造部がクリエイティブ・営業部門の顧客訪問に同行したり、営業部が工場で操作や製版を学ぶといった社内インターンシップ制度を導入。お互いの問題意識や理解が深まることで、意見交換も活発になり、営業と生産が同じ社屋内にいるという強みを生かせるようになった。

徹底した標準化で作業時間を改善

popjapan_06.jpg業務カイゼンの一つとして行ったのが、生産部内の業務の標準化だ。工場内ではチームによって作業時間の偏りがあり、それが残業時間や肉体的負担に直結していた。そこで全部門でマニュアルを作成し、未経験者でも作業ができるように細かい部分まで作業を標準(ルール)化。さらにビデオによる定点観測で、動きの無駄についてのチェック・分析まで行い、標準化を徹底した結果、前年以上の好調な受注にも関わらず、残業時間は削減できている。

取組の中で苦労したこと 〜「全社一体」の難しさ

「いかに全員を巻き込んで改革を進めていくかには、苦労しました」と熊本氏。経営改革に並走する形での働き方改革。トップダウン型からボトムアップ型への転換という新たな風土づくり。次々と押し寄せる変化に戸惑う動きも少なからずあったのだという。また、その思いをいかに従業員たちに届けるかについても「活動指針として、お客様を元気にするという向かうべき方向性を打ち出し、朝礼で唱和することで、迷った時には常に原点に立ち返っています」と語る。「さらに個人面談、別部門の管理者とのクロス面談など、従業員一人一人に何度も形を変えて向き合うことで、思いを伝えることもできました」

取組の成果 〜ボトムアップでの改革が加速、成果は「想像以上」

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「取組の成果は、『想像以上』です」と熊本氏は笑顔を見せる。PJサミットの実施は他の部門の取組を知ることで自身を振り返り「もっと頑張らないと」というモチベーションにもつながった。さらに、従業員全体の相互理解が進み、風通しが良くなったことで、他部門の取組を積極的に取り入れたり、従業員同士で部を超えた会議を行ったりと、ボトムアップでの改革も加速。さまざまな相乗効果によって、1年間で総実労働時間20.6時間/月という大幅削減も達成した。

課題や今後の目標 〜作り出した時間で新たな展開を

労働時間削減のほか計画有休の導入などにより、有休の取得率も26%アップと、従業員が望む「ライフを充実させたい」という思いを誠実に実現したが、一方で経営改革として新しい事業モデルを開拓している時期でもある。「つくり出した時間をいかに効果的に利用するかが現在の課題です」と熊本氏。「以前は、会議などで従業員から行われる提案も、漠然としたものが多かった。ところが今では、具体的で面白い『すぐ形にしよう』と立ち上がるような提案が出るようになりました」と顔をほころばせる。「改革で分かったことは、弊社の従業員たちの『ポテンシャル』。作り出した時間と彼らのポテンシャルで、新たな展開を進めていきたいですね」

従業員からの評価

管理部
宮下 伸寿 氏

popjapan_09.jpg管理部という推進する立場としてその浸透を体感した1年でした。PJサミットは、部署が一体となって取り組む共通目標になりました。自分たちで課題を追求し取組を設定していくには、もちろん主体性が必要になります。「自分の発想と能力で、今新しいことをしている」という感覚、そして他部門の発表を見たときの「すごい!」という感動は、やはり仕事のモチベーションになりました。新しい取組があると他部門同士でまねし合ったり切磋琢磨したりする活気が生まれたことも実感しています。また、他部門と意見を交わす機会も増え、従業員間の距離もぐっと近づきました。自社用のぼり旗はコミカルなものも多いので、来客の方との話題によくのぼります。そこから弊社の働き方改革について説明することもあり、のぼり旗はやっぱり弊社のシンボルですね。

取材日 2019年8月

株式会社ポップジャパン様の具体的な取組過程や内容は、こちら(県内中小企業での働き方改革の身近なモデル事例)をご覧ください。