働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

各事業所トップから改革に向けた意識改革を推進
毎月支給の資格手当でモチベーション向上

美建工業株式会社

  • 製造業
  • 福山市
  • 101〜300
  • 推進体制(経営者)
  • 休暇取得の促進
  • 育児・介護・治療と仕事の両立
認定マーク
所在地 〒720-1133 広島県福山市駅家町近田30番地
URL https://www.bikenkougyou.co.jp/
業務内容 各種コンクリート二次製品の製造・販売
従業員数 233人(男性190人、女性43人)

(2019年10月時点)

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  • 社内研修の実施で各事業所トップの意識改革の徹底
  • 上司の呼びかけで有休取得のばらつき改善
  • 毎月支給の資格手当でモチベーション向上
  • 保健師の直接指導で従業員の健康を守る

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取り組んだ背景 ~何をすべきか分からない手探りからスタート

biken_01.jpg道路などのインフラ整備に欠かせない生コンクリートや、各種コンクリート二次製品を製造・販売。働き方改革について「何から取り組んだらいいのか分からない、何ができていて、何ができていないのかも分からない状態でした」と語るのは、取締役管理部長の金平京子氏。そこで、県の社内推進人材養成セミナーに参加した。もともと社内の風通しはよく、拠点ごとにさまざまな取組を行っていたが、その体系化やさらなる改善の必要性を痛感したという。「まず全従業員へのアンケートから始めましたが、従業員の声を直接聞くことができました。それが何より感慨深かったですね」と、金平氏は着手当初を振り返る。

主な取組と工夫点

社内研修で各事業所長の意識改革を徹底

biken_02.jpg県内外に営業所や工場を持つ同社は、各事業所のトップが権限を持って働き方改革を推進。全社的に取組を始めるために、社内規程の変更および、各トップ向けに法律やハラスメントをテーマにした社会保険労務士による社内研修を実施した。全員が真剣な様子で参加し、活発な質疑応答が交わされたという。「それぞれの事業所で改革を行う上で、最も重要なのは信頼関係です。そこで、まずは各トップの意識を整えることが大切だと考え、研修を実施することにしました」と金平氏。また、トップが集う月一回の定例会議では、三次工場での3Kプロジェクト(改革・改善・変える)など、各事業所が実行している改善手法について情報を交換することで、効果的な取組を素早く水平展開する環境もつくった。

上司の呼びかけで有休取得のばらつきを改善

アンケートでは有給休暇の取得について、部署によって差があることが明らかになった。特に、「お客さまのために」との思いが強い営業職の取得率が低く、休日も出勤している状況だった。そこで勤怠管理システムのフォーマット統一、クラウド化を行い、各拠点どこからでも勤務時間や有休取得状況を確認できるようにすることで、営業部長が積極的に有休取得の働きかけを実施。また、以前は入社半年後からしか取得できなかった有休を、社内規定を改正し、入社日から付与することにした。これにより新入社員でも5月の大型連休に合わせて有給休暇を取れるようにした。

多能工化や毎月支給の資格手当で働きやすく、働きがいのある職場に

biken_03.jpg管理部課長の藤本優子氏の出産をきっかけに、15年以上前から管理部(経理・総務部門)は産休・育休を取る従業員を随時カバーできるよう、2年に1回程度、担当をローテーションし、さまざまな仕事に対応できるようにしている。藤本氏は「現在は体制として定着し、女性が活躍しやすい職場を支える基盤となっています」と、制度に自信を持つ。有給休暇取得の増加に伴い、製造や品質管理、配送など誰が休んでも対応できるように工場内での多能工化を推進。また、資格手当制度は資格取得時の一時的な祝い金だけではなく、毎月の手当として支給することで、従業員のモチベーション向上に寄与している。会社としても資格取得者が増えることで、より難易度の高い案件や受注数を増やすことができ、大きな利点があるという。

「健康で長く働いてもらいたい」保健師による健康指導

biken_04.jpg「長く働いていただきたいので、従業員の皆さんにはずっと健康でいてほしい」と金平氏。そこで、それまで希望者だけに行っていた保健指導について、昨年からは保健師が健康診断の結果をチェックし、生活改善などの必要があると判断された全ての従業員に通知し、直接指導することにした。この指導は最大で3回まで実施すると決めたが、「3回指導を受ける人が思った以上に多く、改めて必要性を実感しました」と、金平氏は手応えを感じている。

取組の中で苦労したこと ~改革の意義を従業員に浸透させる難しさ

biken_05.jpg「右も左も分からないところから始めましたが、意外と反発は無く、管理職からは『何をやったらいいの?』と、協力的な雰囲気でした」と金平氏。管理職や各事業所トップにはおおむね、取組の必要性と今後の指針について理解してもらったと考えているが、従業員には単に「残業を減らして有給休暇を取ること」という意識がまだ残っているという。「働きやすい職場づくりを会社全体で目指しているということを、全従業員に理解してもらう方法を考えなくてはいけないと思います」と、金平氏が語る理由は、従業員は各地にある営業所、工場を拠点に勤めているため、全従業員に一斉に語りかけることが難しいからだ。「イントラネットなどを利用して、情報を発信しているが、ちゃんと見て理解してくれているかどうかは分からないところがあります。今回のアンケート調査をきっかけに、より直接的な交流の方法についても模索していきたいです。」

取組の成果 ~営業部への働きかけなども奏功し、平均有休取得日数の底上げに

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休暇制度の改正や有休取得率の低かった営業部への働きかけもあり、平均取得日数は、18年の8.4日から19年には10.4日までアップできた。また、少しずつ働き方改革が浸透してきたのに応じ、時差出勤制度など社内に以前から存在する制度についても改めて体系化した。20年3月までには、勤怠管理システム、給与システムなどのフォーマットを統合することで、経理や総務の作業を劇的に減らし、余裕を持って業務を遂行できるようになる予定だ。

課題や今後の目標 ~メリハリのある充実した人生の実現へ

biken_07.jpg「毎週日曜日になると『ああ、また一週間が始まるのか』とため息をつくのではなく、『月曜日だ、よし頑張ろう』と思ってもらえる企業にしたいと、よく社長が従業員に話している」と、金平氏は語る。その思いを受け、会社の風土を大切にしながら、「働きやすい職場づくり メリハリのある充実した人生を送る」をテーマに掲げ、さらなる改革を推進すると語った。

従業員からの評価

製造部 福山工場 品質保証係
横山 嵐 氏

biken_08.jpg入社4年目ですが、働き方改革が始まってからの職場の雰囲気の変化を実感しています。もともと仕事の後、上司が飲みに誘ってくださるような、風通しが良く気さくな職場ですが、やはり有給休暇については上司が取らないなら自分たちも・・・と遠慮しているところがありました。しかし改革がスタートしてからは、上司自ら有給休暇を取得した上で私たちに勧めてくれるので、格段に取りやすくなりました。私の上司は会社でも一番難しい資格を持つ尊敬する先輩でもあり、その姿にあこがれ私も仕事や資格の勉強に取り組んでいます。

取材日 2019年11月