働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

多様な人材が働ける環境に向け、農業参入
一人一人の状況に対応し、誰もが働き続けられる職場へ

ユーセイ建設株式会社

  • 建設業
  • 福山市
  • 1〜30
  • 推進体制(経営者)
  • 休暇取得の促進
  • 多様な人材の活躍
認定マーク
所在地 〒729-3101 広島県福山市新市町戸手2303-9
URL https://yu-sei.com/
業務内容 戸建て住宅建設、土木工事業
従業員数 17人(男性14人、女性3人)

(2019年6月時点)

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  • メンター制度で若手従業員の悩みに向き合う
  • 地域活動を推奨し、有休取得を促進
  • 定年を超えても高齢者が働き続けられる制度構築
  • 職場復帰を支援するために農業に参入

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取り組んだ背景 ~より良い人事制度を整え、働きやすさをアピール

yuseikensetsu_01.jpg福山市北部に本社を構え、戸建て住宅やリフォーム、河川などの土木工事を請け負う。創業から40年を超え、従業員17人の地元密着企業だ。特徴の一つに、一般的に日給制で外注する大工職人を自社従業員として抱えることで雇用を安定させ、長年継承された技術で、高品質な住宅を提供。創業以来「従業員は家族」という思いで経営がうけつがれてきた。小規模ならではの柔軟性で個々の状況にも対応してきた。そのため、離職率は低く、従業員の3分の2が20年以上勤続し、〝あうんの呼吸〟で意思疎通が図れる関係性があるという。
このように働きやすい社内環境は以前からあり、働き方改革については「他社よりも先行して取り組んできた」と自負する代表取締役社長の佐藤大地氏。近年、事業拡大する中で従業員の募集を加速。「さらに良い環境を整えることで新規採用で求職者にアピールできる」と、さらなる改革に着手した。

主な取組と工夫点

メンター制度で若手従業員の悩みを解決

yuseikensetsu_02.jpg従業員のさまざまな声にしっかりと耳を傾けていきたいという思いから、コンサルタントの指導の下、2015年から先輩従業員と若手がコンビを組む「メンター制度」を導入した。異なる部署で組み、業務に関係のない立場で気軽に相談できるようにした。佐藤氏は「先輩が若手の心のよりどころになってくれたらいいと思っています。そこで出た悩みを会社のみんなで解決していきたい。先輩従業員の育成にもつながれば」と語る。

補助や手当てを給付し地域活動を推奨

yuseikensetsu_03.jpg有給休暇の取得を促進するために新たに半日有給休暇制度を設けたほか、子どもや孫の送迎、参観日などにも対応できるように、ゆとりを持った仕事のスケジューリングを徹底。戸建て住宅の建設では、仕事の受注時に趣旨を説明し、余裕のある工期への理解を施主に求めている。また、有休取得を促進する一環で、従業員の地域活動への参加を推奨。PTAや消防団などをはじめ、地域のスポーツ指導者や審判などのコミュニティー活動のために資格取得が必要な場合、申請すると一定条件で会社として補助や手当てを給付し、従業員のオフタイムの活動を後押ししている。

定年を超えても高齢者が生き生き働ける環境に

従業員は20年を超えて勤務するベテランが多いことから、高齢化が課題となっていた。定年は65歳だが、継続したいとの意欲がある場合、一部の役職手当を除く給与など労働条件を変えずに継続して働ける制度を整えた。定年を意識せずにバリバリと働けると好評だという。「元気な高齢者が長く現役として働き続けることは、本人に限らず世の中全体から見ても素晴らしいこと。会社にとっても技術継承の機会が増えるのでありがたい」と佐藤氏。

従業員の職場復帰のために農業参入

yuseikensetsu_04_05.jpg建設会社としては珍しくアスパラガス栽培を手掛け、収穫から販売までを事業化させている。長年、現場監督をしていた従業員が体調を崩し、長期休養を余儀なくされた際、職場復帰しやすいようにと考え出した事業だ。会社周辺にはアスパラガス栽培の農家が多く、土地もスムーズに確保できたため、2015年から復帰した従業員が専業で従事している。「会社が従業員のために何ができるかを本気で考え抜いた結果。無事に復帰できたことがうれしい」と佐藤氏は語る。

取組の中で苦労したこと ~職人気質の見て覚えるからマニュアル化に苦労

yuseikensetsu_06_07.jpg働き方改革の一環として、ベテラン従業員や現場を担う職人らの業務のマニュアル化を進めている。ベテラン同士だと、言葉はなくても分かり合えるノウハウと経験があるが、それをマニュアル化することで若手にもその技術が継承できる上に、体調不良などの急な休暇にも他の従業員でも対応できるようになったという。「職人気質から言わなくても分かる状態で仕事が進められてきた歴史は長く、明文化や制度化するのに思っていたよりも時間がかかっています。道半ばですが、少しずつ業務を平準化し、企業としての成長を確かなものにしていきたい」と佐藤氏。

取組の成果 ~有給休暇取得に着実な成果

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さまざまな取組の結果、従業員の平均有給取得日数は着実に増加している。2016年上期はわずか2.4日だったが、17年上期には4.8日と2倍になった。2018年は豪雨災害の復旧工事への対応に追われたため一時的に落ち込んだが、復旧工事が落ち着いた2019年には5.9日と最高を記録。従業員に有休を取る意識が浸透してきている。

課題や今後の目標 ~外国人や新卒の採用で成長を加速

人手不足対応と社内の多様性の実現を目指し、2020年にベトナム人の採用が決まっている。これまでの会社の常識とは異なる、新しい風が吹き込まれることで会社として成長できることを期待しているという。また、ここ数年で中途で新たに7人を採用した。「会社の人事制度は着実に整ってきています。小規模ならではの親しみやすい雰囲気や、働きやすい社内環境をアピールして、新卒採用にも乗り出したいです」と佐藤氏は展望を語る。

従業員からの評価

農業課
渡邉 亮平 氏

yuseikensetsu_09.jpg仕事は、豪雨災害からの復旧工事と、アスパラガス栽培の農業部門を受け持っています。会社の雰囲気が本当に明るいと感じています。年末に従業員投票によるMVP表彰があり、昨年は私が受賞させてもらいました。「土砂災害の河川復旧工事で貢献している」との表彰理由を聞かせてもらい、やる気が出ました。表彰されていない従業員にもさまざまな励ましのメッセージが渡されており、会社の温かみを感じます。休日は趣味のバンド活動を楽しんでいます。たまにライブと仕事が重なることもありますが、社内の理解もあり有休が取りやすく、仕事と趣味をしっかりと両立でき、仕事への活力にもなっています。

取材日 2019年10月