働き方改革実践(認定企業)取組企業事例一覧

働き方改革通じ、風通し良くモチベーションの高い会社へ
現場ミーティングや業務アプリの導入で業務の効率化と残業時間の削減を実現

株式会社スグル食品

  • 製造業
  • 呉市
  • 101〜300
  • 推進体制(経営者)
  • 長時間労働の削減
認定マーク
所在地 〒737-0134 広島県呉市広多賀谷2-5-8
URL http://suguru-net.com/
業務内容 魚介加工品の製造・販売
従業員数 120人(男性60人、女性60人)

(2020年9月時点)

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  • 社内報でコミュニケーションを活性化
  • 現場ミーティングで従業員の要望を改善に生かす
  • 業務アプリの導入で事務作業を効率化
  • モチベーション向上へ人事評価制度を刷新

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取り組んだ背景 ~働き方改革により,風通しの良い組織へ

suguru_01.jpg1973年創業で看板商品「ビッグカツ」をはじめ、いか姿フライやのり天などを製造・販売する。ここ数年、従業員の定着が課題となっており、従業員が辞めることなくいきいきと長く働ける職場環境づくりに取り組む必要があったという。総合企画室長の大塩和孝氏は「当社は改革よりも現状維持を好む傾向がありました。現場にはどうせ何かを会社に提案しても無駄だという諦めの雰囲気さえ漂っていました。そうした保守的な社内の雰囲気を払しょくし、現場から新たな気づきや提案が自然と上がってくる風通しの良い会社にしたかった」と取組の理由を話す。そこで、2019年に県の働き方改革社内推進人材養成セミナーに参加し、課題の整理、方針・取組の立案を実施し、本格的に働き方改革を進めることとなった。

主な取組と工夫点

社内報でコミュニケーションを活性化

suguru_02.jpg製造、事務、営業の各部署がそれぞれ異なる動きをしているため、普段コミュニケーションを取る機会は多くない。所属長同士は会議などで顔を合わせることはあっても、一般従業員同士は話す機会が無く、利害の不一致などもあって部署同士の関係は良くはなかった。そこで、互いの思いを少しでも知ってもらいたいと2017年から毎月、社内報を発行。内容は新入従業員や各部署の紹介、ビジネス書から抜粋したリーダーとしての心得などだ。大塩氏は「社内報をきっかけに普段話したことがない人同士のコミュニケーションが生まれています。製造と営業の納期に対する意見のぶつかり合いも依然と比べ減りました。現場からは外国人技能実習生も読めるように英語版を出したらどうか、という提案もあがっており、さらなるコミュニケーションの活性化に取り組みたい」と話す。

現場ミーティングで従業員の要望を改善に生かす

suguru_03.jpg2020年3月から月に1度、製造現場の声や意見を吸い上げ、改善につなげる「現場ミーティング」を開催している。全員が真剣に参加できるよう、ミーティングの1時間は工場の全てのラインを停止。出た意見や課題はすぐに検討し、遅くとも1カ月以内に結論を出すようにしている。これまでにミーティングで出た声を元に、機械部品を改造して使いやすくする、水道のホースを長くして掃除を容易にする、などの改善を実現。大塩氏は「従業員の声にスピード感をもって対応することで、若手を含めて意見が出やすい雰囲気が徐々に醸成されつつあります」と取組の成果を話す。

業務アプリ導入で業務効率化、残業時間を削減

suguru_04.jpg業務効率化のため、2020年6月に営業部などで業務アプリを導入。これまで書面だった日々の日報や会議資料の作成・閲覧をスマホのアプリやパソコンから行えるようにした。次のアポイントまでの待ち時間など、出先で事務作業を行えるようになり、残業時間が大幅に削減。同時に、北海道から福岡まで全国の営業所長が集まる月1度の営業会議をオンライン化し、移動時間や交通宿泊費の削減にもつなげている。

従業員のモチベーション向上へ、人事評価制度を刷新

suguru_05.jpgこれまでの人事評価制度は明確な評価基準が無く、上司の主観で評価を下していたため、頑張りが評価されていないと感じる従業員もおり、不満の声が上がっていた。また、従業員が定めた目標に対するフィードバックも行っておらず制度が形骸化していた。そこで、2020年9月に外部の人事コンサルタントに委託し、評価制度を刷新。新たにリーダーシップやコスト意識など計9つの評価項目を設け、その達成度に応じて本人と上司が5段階で評価する仕組みを設けた。これにより、管理職の部下育成に関する意識が高まりつつある。今後は年2回の人事面談で上長からのフィードバックをきちんと実施し、従業員のモチベーションの向上や人材育成に注力する方針だ。

会社負担の外部研修を活用した学びの機会の提供

suguru_06.jpg従業員に学びの機会を提供したいと、営業職とリーダー職以上を対象に外部研修への参加を推奨している。リーダーがチームで成果を出す方法や5Sの徹底、ブランディングなどがあり、全額を会社で負担し、年間30講座の受講を目指す。大塩氏は「働き方改革と会社の成長を両立するには生産性の向上が不可欠です。外部研修を活用することで、従業員の成長を促し、会社のさらなる成長につなげていきたい」と話す。

取組の中で苦労したこと ~従業員の不信感からの脱却

suguru_07.jpg大塩氏は「『また何かやっている』、『どうせ意味が無い』という諦めの雰囲気が漂う中での取組でした。現場からの反応も薄く、賛同が得られてもそれは表面上だけで、何か現場に課題があってもそれを教えてもらえないということもありました」と取組の苦労を話す。現場ミーティングなどを通じて出た従業員の声を吸い上げ、スピード感をもって対応することで、徐々に従業員の意識が変わり、今では些細なことでも意見が出るようになってきたという。

取組の成果 ~残業時間の削減や意識改革に手応え

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現場ミーティングによる現場改善や業務アプリの導入により月30時間前後あった1人当たりの平均残業時間が20時間ほどに減った。大塩氏は「最初はこれまでのやり方を変えるのに抵抗もありましたが、残業時間の大幅減を契機に、他の事柄に対しても前向きに捉えてくれるようになりました」と話す。また、働き方改革を通じて社内の風通しもよくなり、従業員から積極的に意見がでるようになったという。 

課題や今後の目標 ~さらなる意欲向上や、やりがいの醸成へ

大塩氏は「まだまだ改善すべき点が多く、目指すべき会社の姿と現状の差は大きい。働き方改革のさまざまな取組はこれまで私が中心となって行ってきましたが、言いたいことを気軽に言える風土をつくり、職種や職責を問わず皆が自発的に取り組むボトムアップのできる組織づくりを継続していきたいです。」と今後の展望を話す。

従業員からの評価

広工場品質管理部
萩原 大輔 さん

suguru_09.jpg現場ミーティングでは各課のリーダーが全員に意見を促してくれ、幅広い意見が出ています。始めの頃は職場や他部署への不満が出ていましたが、今は「どうすれば業務がやりやすくなるのか」、「どんなものや設備が必要か」など改善に向けた意見ばかりが出るようになりました。一度稟議書を出して却下されてもこれまでのように諦めず、「やっぱり必要だからもう一回稟議書を出そう」というように、前向きな雰囲気に変わってきています。

営業部 名古屋営業所
伊藤 寿浩 さん

これまでは会議のために前日に名古屋から広島へ移動し、当日は終日会議してそのまま名古屋へ戻っていましたが、オンライン会議が始まったことで体力的にずいぶんと楽になりました。何より、営業活動に使える時間が増え、効率が上がりました。

取材日 2020年9月