もちーと ひろしま
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「女性管理職って楽しい?!」広島で活躍する輝く女性を直撃!



2021年3月15日に開催された、広島県主催「働く女性ネットワーク交流会2021オンライン」の中で、県内で活躍する女性管理職4名に、「女性管理職って楽しい?」という、率直な疑問を投げかけました。
皆さんと同じように、キャリアについて悩み、それぞれの環境で苦戦しながらも、前向きにキャリアを築いてきた先輩たち。どんなことをきっかけに仕事に対する考え方や捉え方が変わったのか。どんな失敗をし、何につまずき、悩んできたのか。そして、管理職の楽しさ、やりがいなどを語ってもらいました。
有重 三紀子さん

有重 三紀子さん 株式会社ヒロテック
人材開発センター 人材開発課 課長

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金本 純子さん

金本 純子さん 株式会社NTTデータ中国
金融事業部部長 兼 山陰営業所所長

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嶋治 美帆子さん

嶋治 美帆子さん 広島電鉄株式会社
経営管理本部 総務部長

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松岡 美穂さん

松岡 美穂さん マイクロンメモリジャパン合同会社
広島工場 間接購買部門マネージャー

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※ファシリテーターは、有限責任監査法人トーマツ 奥田牧子シニアマネジャー

Q. これまでさまざまなご経験をされてきたと思いますが、ご自身のキャリアにおいて「ターニングポイント」になった出来事や、人生の選択について教えてください。

有重さん:
現在の人材開発に異動して4年目になりますが、それ以前は、当社としては珍しい女性営業担当でした。2015年に、社内選抜者として大学院で経営学修士号を取得する機会をいただき、当時は子供も小さく、育児と家庭と勉強をこなせるか不安はありましたが、「チャンスはそう何度も訪れない。やるなら今しかない」とチャレンジしました。在学中は、上司や職場の同僚、家族が全面的にサポートしてくれて、周りの人に支えられて今の自分がいるということを実感しました。
周りの協力を得て、チャレンジをし、乗り越えたことで「私に求められることはビジネスでより成長していくことだ」と、以前より昇進を含めたキャリアアップにためらわなくなりました。

金本さん:
元々、広島県出身ですが、長く首都圏で勤務しており、5年前単身広島に異動してきました。昨年夫も広島へ移住、今は夫婦で広島での生活を始めています。入社6年目ぐらいで5,000人規模の大プロジェクトに参加し、一部機能のプロジェクトリーダーを任されたのですが、この経験がターニングポイントだったと思います。当時は、納期もタイトな中で、成果を求められるタフな状況でした。クライアントやベンダー、メンバーといったステークホルダーとの衝突も多く、精神的にも余裕がなくなる中、一人でできる仕事の限界を感じ、チームをまとめ、チームで成果を出すことの重要性を痛感。本当に学びの多い経験でした。
一方、同プロジェクトに尊敬できる女性管理職の方がいらして、きめ細やかな気遣いしながらタフな交渉を進めるなど、とても「強くしなやかに」仕事されていました。「あんな風になりたい」と思えるロールモデルが身近にいてくれたことは、自身の管理職としての考え方や振る舞いに、とても良い影響を与えてくれました。

嶋治さん:
私自身の管理職歴は、今年で13年目になりました。これまでたくさんの経験をしましたが、ターニングポイントを振り返るとすれば、経営企画部門での係長時代に、当社では久しぶりの大型資金調達プロジェクトで、係長ながらサブリーダーを任せてもらえたことです。
当時の私はまさに「仕事漬け」の日々で、自身のキャリアについて悩むこともありましたが、重要な役割を担う機会を得たことで、「仕事を頑張ろう!」と素直に思えるようになりました。陸運業という業界的にも男性中心の組織風土の中で、女性である私に任せようと決断してくれた当時の上司には、本当に感謝しています。

松岡さん:
当社の広島工場では、グローバルの他の拠点と比較するとまだ女性比率が少ないため、積極的に女性の新卒社員を採用しているほか、社内における女性活躍推進に力を入れています。また、グループ全体として、女性に限らず、さまざまなバックグラウンドを持った社員がお互いの多様性を尊重しながら協力して仕事を進められるように、ダイバーシティ、イコーリティ、インクルージョン(DEI)の取組も推進されています。私はもともと、前身であるエルピーダメモリにエンジニアとして入社したのですが、業務上、深夜に仕事に出ることもあり、母親を必要としている子供よりも仕事を優先せざるをえない葛藤で、子育てと仕事の両立に悩んだ時期がありました。その後、購買部へ異動、2014年に米マイクロンの傘下となり、役割や組織体制が変わったことが転機になったと思います。「楽しく仕事ができる環境が整った」と感じられるようになり、経験を積みながら、仕事上での自分の役割の意味をより理解できるようになるにつれて、さらに仕事を純粋に楽しめるようになりました。

Q. お話を伺っていると、皆さんとてもポジティブでいらっしゃいますが、管理職として、悩まれることはあるのでしょうか?

嶋治さん:
たくさんありますよ!(笑)
今でこそ笑ってお話しできますが、課長時代に、当時の部下の一人に「嶋治さんの下では、これ以上働けない」と、言われたことがありました。当時の私は、仕事が趣味の「仕事人間」。自分のやり方を部下に強要していたんだと、とても反省しました。50代になり、セカンドキャリアも見据えて、2年前にキャリアコンサルタントの資格を取得したのですが、この資格を取るきっかけも、今思えばこの出来事だったかも、と思っています。自身の仕事のやり方を見つめ直す機会をくれた当時の部下には感謝しています。

金本さん:
必要な経験をコツコツ積んで管理職になる方もいらっしゃいますが、私は全く根拠のない自信というか、「やればできるんじゃない?多分・・」といった精神論だけで突き進んで管理職になり、走りながら考えてきたことが多かったように思います。管理職として、部下の人生や生活スタイルに寄り添いたいという気持ちはありながらも、ついつい自分のやり方を押し付けてしまうこともあったりして。常に悩みながら楽しんでいるという感じかもしれません。
「失敗」に関していえば、仕事を進める中で個人としてもチームとしても失敗はたくさんあって当然。私自身、失敗を恐れず楽しめば良いと考えていますし、部下にもそう伝えています。もちろん、失敗したら上司にはそれなりに怒られますけどね(笑)。

Q. 管理職としての楽しさ、やりがいについてどのようにお感じですか。

松岡さん:
若手の頃は管理職になることをイメージしていませんでした。仕事・子育てに悩みながらも何とか続けてきたある日、マネジャーというポジションが空き、チャンスをいただいて管理職になりました。担当者時代に、上司に「ミスをしても、そこから学べばいいんだよ」と教わり、管理職になった今は、部下に対して同じように伝えていきたいという気持ちです。
子育てを経験し、管理職へと役割が変化する中で、今は「誰かを育てる」とか、「誰かのために何かしてあげる」ことが楽しいと感じるようになりました。部下の育成は、どこか子育てに通じるところがあるのかもしれません。

有重さん:
業種的にもまだまだ男性中心の風土の中、昇進するたびに「やりにくさ」のようなものを感じ、悩むこともありましたが、課長になり、やるべき仕事が増えてきて、周りの目を気にするより、本業に集中してエネルギーを注ぐべきという思考にシフトしていきました。
管理職として1番感じることは、インプットの量と質の違いです。目先の仕事だけをこなす担当者時代とは違って、経営に近い情報がどんどん入ってきますし、より会社のコア(核)な部分に携われるようになりました。会社の未来に対して自分の仕事が影響すると感じることができ、やりがいがあります。
もう1点、見落とされがちですが、とても大事なことは、管理職になれば所得が増え、生活も安定します。管理職になってたくさん稼いで、キャリアだけでないライフを充実させてほしい。女性は「うれしい、楽しい」を原動力にすることができるのも強みではないでしょうか。

Q. コロナ禍での働き方の変化や、マネジメントをする上での悩みなどはありますか。

金本さん:
現在(2021年2月時点)は、6割~7割がリモートワークです。対面の機会が減り、部下とのコミュニケーション不足を補填するため、1カ月に1回、1時間の面談の機会を設けるようにしました。対面で話すよりも気軽に話せるせいか、以前よりもコミュニケーションが密になったと感じるメンバーもいます。当社の場合、「出社と在宅で気持ちの切替ができる」といった意見もありますが、「通勤時間がなくなり、その分夫婦で家事を分担できるようになった」など、リモートワーク推奨派のメンバーも比較的多いです。アフターコロナも見据え、オンラインツールをうまく活用しながら、多様な働き方を整えていけると感じています。

松岡さん:
当社の場合、アメリカ本社や各拠点間のコミュニケーションに関しては、以前からリモート環境でした。広島工場は、現在は出社して業務を行っていますが、感染予防のため、物理的な接触をなくしたふたつにチームを分けて、お互いの物理的接触をなくした状態で業務を遂行しています。自分が所属していない方のチームメンバーとのコミュニケーションがとりづらい場面もありますが、社内チャットでコミュニケーションをとるなど工夫をしながら、試行錯誤を続けています。

Q. 女性が仕事でも輝くために必要なことや、女性自身や企業、社会にとって必要なアクションはどのようなことだとお考えですか。

金本さん:
あえて、「女性」と強調することには疑問を感じるところもあります。男性も女性も当たり前にキャリアアップすればいいと思う一方で、実際、女性の方が働く上での制約が多いのも現実です。だからこそ、就業継続や両立支援、スキルアップの面で、制度や機会をつくってサポートすることは必要だと思います。男女関係なく、能力と意欲の高い人が普通にステップアップできる世の中になればいいですよね。

松岡さん:
私も同じく、「女性だから」を強調しすぎることに違和感を覚える気持ちもあります。「女性」にフォーカスするというより、性別にかかわらず、その人が置かれた環境にフォーカスして、制度をアップデートしたり、サポートすることが大事だと考えていて、その一例として育児や介護といった事情があるのではないかと思います。誰でも、安心して働ける環境が整備できることを願っています。

有重さん:
当社はグローバル展開していて、グループ内には既に優秀な女性管理職がたくさんいます。
海外の方と働く機会も多く、日本よりもずっと女性がプロフェッショナルとして活躍していると感じます。そういう女性を見ていると、女性は堂々と輝いていていいと思いますし、発信していけばいいと思います。年齢を重ねて、幸せの「柱」が増えていく中で、キャリアも家庭もそれ以外の幸せも、どんどん求めていきたいですね。
一方、日本の女性管理職比率が低いことは、数値的な面からも明らかです。国際レベルに近づけていくためには、意識改革を待つだけでなく、制度とやり方で強制的に増やしていくアクションが必要で、これについては、社会と企業が一体となって進めていかなければならないと感じています。

嶋治さん:
管理職になりたくないという人もいると思いますが、自分の裁量が広がり、得られる経営情報が増えたり、任される仕事の規模が大きくなると、仕事は本当に楽しくなるということを、皆さんに声を大にして伝えたいです。「女性活躍」といわれている今だからこそ、その波に乗っかればいいと思いますし、自分らしく輝くチャンスがあるのなら、つかみ取ればいいのです。もう一度言います。管理職は本当に楽しいです!!

全員:同感!

※本取材記事は、広島県主催「働く女性ネットワーク交流会2021オンライン」(2021年3月15日開催)で行われた対談を抜粋して掲載しています。